36.愛の雫

百五十億光年の宇宙が神の体としたら
地球は神様が流した一滴の愛の涙

露の世は露の世ながらと
愛児を失った一茶が嘆くとき
悲哀が身にしみ通り
失われた愛に涙が零れる

俊成女が露消えはてし跡と母を忍ぶとき
自分も神の涙として母と同じように
時間の中に消えてしまうことを痛感する

萩の上葉の露に朝日が輝き
愛の喜びを再び得られたとき
僕の細胞の一つ一つが
あなたの細胞と触れ合って
愛の雫が
僕達の体を作り上げることがよく分かる

僕の体は宇宙をつくっている細胞の一つであり
神の涙の一滴で
あなたの体は愛の雫だ