31.美の挑撥
そんなに短いミニスカートを著いて
散々男を挑撥しておいて
思わず触れると復讐の女神のように怒る
その足の感動的な美しさに見惚れ
美の女神と錯覚して
太腿の中を想像し手を触れてしまう
そんなに怒るのなら性的挑撥はやめて欲しい
と呟くのは愚かなことだ
生物の生き残りを賭けた緊張感と
遺伝子の強烈な存続への意志を認識すべきだ
女はすべての男を愛しているという擬態を行い
寄って来た沢山の男の中から
気に入ったものを一人選ぶ
気に入った者が太腿の奥に触れれば
この上もなく感動的な最高の恋愛で
気に入らなければ
水浴を見られたアルテミスのように怒る
男は一人の女だけを愛すという擬態を行い
実はすべての女を愛している
女の遺伝子は約四百個の卵子の中にしかないが
男の遺伝子は二億の五十倍のそのまた
四十倍の精子の中にある
この為、男はライオンの雄が
雌に近づくのと同じ注意深さが必要だ
愛する女にいつも言われる
寄るな、触るな、近づくな