26.裸体の家族

小さな男の子、若い母親、若い父親の
裸体の立像がある

手を繋ぎ合い、希望に向かって歩く
健康な幸福を示している

でも何故か
女と子供は完全な裸なのに
男の陰部は細い布に隠されていて
陰茎の存在は分からない
親指ほどの陰茎をつけてもいいのに
弱々しいリアリズムだ

裸体はいつもはこんな風な幸せを示さない
不安定な運命と束の間の安逸の中に
絶望と希望の間に揺れ動く引き絞られた弓の弦だ

繊細さと力強さを合わせ持ち
ムンクのモデルのように籐椅子のそばに立ち
嫉妬と
空腹と愛と悲しみと怒りを同時に感じるものだ