23.悪魔の優しさ

何という優しさだろう
あなたが女友達と会話している声は

その人のいない所で
あの人は分からない人だと悪口を言うのがかわいい


もう、何年も僕はあなたの優しい声と会話していない
心は僕を憎んで軽蔑してもいい
でも、声だけは天使のような優しい声と会話をしたい

何という認識の深さだろう
あなたが僕をからかう揶揄の中に
優しさが伝わって来る

その深さを測る為に手探りで降りて行く
近寄るに従って光の強度が増し
眩しさの為足場を失う

最深部に到達すると
深い海の底が高い山頂の輝きに変わるように
愛の飛躍がいつも優しい揶揄と怒りの中に隠されている