19.雪柳
あなたも分かっていると思った
憎しみが大きい程、愛も大きいということを
僕の理性はあなたを憎み
怒りばかりを掻き立てていた
でも、その時僕の感覚は
嘗てない程、あなたを愛し求めていた
四月の明るい日差し中の雪柳のような
あなたのかわいいお臀から足の線が
眼に眩しく、思わず近寄って
限りなくそっと触れたくなる
僕の純粋感覚が
理性の雲を取り払い
眼差の中に宿ってくれれば良かったのに
そして、あなたが気付いてくれたら
そっと触れた雪柳の枝が
軽く顫えて、
元に戻るように愛していた