101.あとがき

ルーブル美術館の夥しい芸術品が
遺産として僕達日本人にも遺されている
と考えてもいいのだろうか

源氏物語や江戸の浮世絵を
パリの人達も同じように自分達にも
遺されたものと感じてくれるだろうか

感じてくれるとすると
僕達は遺産の中で生きている
DNAが作り出した豊穣な遺産の中で
生を繋いでいる


  ルーブルにて 一九九一年 夏

         玉川 陽平