9.虚無と相転移

肉体と精神、姿と心、形象と観念
形あるものと形なきもの
ありとあらゆるものが無の中へ落ち込み
明晰な意識が虚無の中を彷徨い続ける
    
150億年と推測された宇宙の年齢が
一番若い推測では120億年の可能性もあり
発見された最も遠い星は110億光年のかなた
宇宙誕生後10億年の姿を見ている

宇宙が無限小で虚無のみでできていたとき
相転移によるインフレーションを起こし
その後ビッグバンによって膨張を続けている
無限小の虚無が持っていた意識はどこへ

氷が相転移して水になり水は氷の意識を持つ
遺伝子が作る蛋白質の構造に神秘な愛が宿り
6000万年前に地上の植物群が相転移して花を咲かせた
虚無の意識は相転移を呼び起こし愛を受け継ぐ