22.赤と青の舞
もし僕が女で生まれたら、あなたのようになりたい
光明子の千人の施浴伝説のように
どんな男も拒んではいけないんだって
千人目の男の汚い体にキスすることができるの
ここに天狗の舞と鬼羅(キラ)という酒がある
デカンタの凹みが赤いものには鬼羅を入れ、青いものには天狗の舞
青いデカンタは薄暗い灯火の中で、欲望の黒紫色に変わり
赤いデカンタは赤褐色の拒絶から優しい真紅の揶揄に変わる
赤は愛と情熱の聖なる色、青は黒い蒼天の邪悪な欲望の色なの
それとも天空の聖なる神々の限りなく透明なブルーなの
僕の青の天狗の舞が始めはゆっくり微かな動き
そして少し速く輪を画いて、あなたの赤の鬼羅を誘い
手を繋ぎ、駆け足となって、青い衣と赤い羅紗が翻る
赤が橙色に輝き、青が緑を超えて黄色に近づく
もし僕が天から堕ちた悪魔だとしても愛して欲しい
もしあなたが安達ヶ原の鬼婆だとしても愛している
僕が野獣だとしても薔薇が萎れる前に愛していると言って欲しい
きっと変身できる
生まれた子供を見てごらん、あなたと僕の変身なんだ
赤と青は聖なるマリアの衣の色なんだ