14.森の意志
雑草が生え始めた休耕田
放置されて廃れた荒地になるか
再び生命の滴る緑の大地になるか
雑草は森の中には生えないが荒地を好み繁茂する
森を潰して開墾された田畑は森にとっては失われた領地
生い茂った雑草の中に小鳥や動物が森の木の実を運び出し
雑草がつくった豊かな堆肥の上で新しい芽生えとなり
日当たりの良さと恵みの雨で力強く成長する
高く伸びた木の蔭が日当たりの好きな雑草を駆逐して
日蔭の好きな草花がここぞとばかり花を咲かせる
木や草の種類が増えて森が成長しお花畑もできて
緑一杯の小鳥や動物の楽園となる
雑草は森の草花との生存競争に敗れたのではない
周辺の荒地を森に変える為の尖兵がその役目であり
森の生態系の一部として日蔭が嫌いな草として
森の繁栄と荒地への進出を支えている
放置された休耕田が森に変わると知って安心した
しかし、僕達は休むことなく活動し、森を破壊し
同時に森の中で過ごすことを望んでいる
もしかしたら、僕達は休めばいいのか