トラファルガー・スクエアは、押しも押されぬロンドンの中心地。天をつんざくのではないかと思うほどの円柱の柱の上に、ドーンと構える5メートル強(165フィート)のネルソン提督像に象徴される広場である。1805年、彼の率いる海軍がナポレオン軍を打ち破った。青い空へと突き出している、ネルソン提督像には、思わず、うわぁー、と言ってしまうほどの迫力がある。
この広場は、ダヴィンチやラファエロ、ミケランジェロ、エル・グレコ、レンブラント、ゴッホ、セザンヌらの作品が収蔵されているナショナル・ギャラリーや、王家の面々の肖像画などが展示されているナショナル・ポートレート・ギャラリーがあることでも有名である。はじめて行ったロンドンで、ツアー旅行の自由行動日、ターナーが好きだという友につきあって、ターナーの絵をめざして、館内を駆け回ったことが懐かしく思い出されますねぇ・・。
その後、一人でイギリスを旅したとき、ナショナル・ギャラリーを制覇しよう!と思い立った。思ったのはいいけれど、いやぁ、これが本当に広いっ! 興味のない展示品の前は早足で通り過ぎたとしても、すぐ足が棒になり、とても1日じゃ見切れない。私が思うに、まず案内図をもらって、訪れた部屋に1つひとつチェック印をつけていき(こうしないと、どの部屋を見たか、わからなくなるほどの部屋数)、何日間かに分けて見て回るのがベストなのでは。
それにしても、日本では、ちょっとした美術展の入場料が1000円以上するのを思うと、これだけの作品を見るための入場料がタダ!というのは驚き。その昔、サッチャーさんが首相だったころ、大英博物館やこれらのギャラリーを有料にしようとして、国民の猛反対をくらったと聞いたことがあったような気がするけど、これぞ、英国民気質? やっぱりイギリス人は太っ腹! どう考えても、すっごい!、のであった。
もうずいぶん前のこと。一度だけ、年末からお正月にかけて、イギリスに行ったことがある。貧乏旅行だったもので、名も知らぬ(?)旅行社の格安パックツアーを申し込んだせいか、帰りの飛行機が、出発の前々日までとれなかった。旅の準備もそこそこで、飛行機に飛び乗り、どこを見て回るか、を煮詰めたのは飛行機の中。手にした「地球の歩き方」を見ると、大晦日には、大勢の若者が、この広場にカウントダウンにやってくるという。そういえば、前に、NHKのニュースで、トラファルガー・スクエアのカウントダウンの風景を見たことがあったっけ・・。その光景を思い浮かべ、突然、行きたい!病に襲われた私は、同行の友に言ってみた。「あのさぁ、大晦日の夜に、トラファルガー・スクエアに行ってみない?」。「いいよー、行っても」。こんな感じで簡単に、大晦日のトラファルガー行きは決定した。
5,4,3,2,1! ハッピー・ニュー・イヤー!! ごったがえす人々が口々にハイテンションで挨拶を交わす。知らない者同士が新年のお祝いのキスをする。私も、どっかの知らないお兄さんに、ほっぺたにチュッてされちゃったよー。私もその場の雰囲気におされて、「ハッピー・ニュー・イヤー!」と挨拶をする。いやぁ、本当にわくわくしちゃう経験でした。
ネルソン提督の像の下には、From Trafalgar To ○○・・、終電○○時」という表示が電光掲示板に映し出されている。
「そろそろ帰ろうか・・」。レスター・スクエア駅で切符を買おうとしてぴっくり。みんな切符を買わないで改札をくぐっていく。駅員さんも、入って、入って・・、と合図する。えー、本当にいいのー?、と、ここでも、イギリス人の太っ腹に感心した私であった。
あとで、聞いたら、大晦日のトラファルガーなんて、乱痴気騒ぎで物騒だから、普通、とても女2人じゃ行かないらしい。考えるよりまず行動! これって、怖いもの知らずの旅行者の特権かなぁ・・?
ところで、地下鉄に、ピカデリー・サーカス駅やウエストミンスター駅ってーのはあるのに、トラファルガー・スクエア駅っていうのがないのは不思議じゃない? トラファルガー・スクエアの最寄駅はレスター・スクエア。目と鼻の先にある、横浜の元町と中華街が、どっちを駅名に使うかでちょっともめてるって話を聞いたことがあるけど、ここも、トラファルガー・スクエアにするか、ナショナル・ギャラリーにするか、で揉めたんでしょうかねぇ? うーん、とっても不思議・・。
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