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パスポート紛失事件、の巻。
2003年の旅は、出発前がたいへんだった。
出発のちょうど4日前の晩、「そろそろ、パスポートを用意してかばんに入れとかなきゃなぁ・・」と思い立った。が、探してみたがみつからない。つい3週間ぐらい前に、旅行社にパスポートのコピーを送るため、会社に持っていきコピーをとりFAXしたばかりだった。あのとき、もうすぐ使うから・・と、いつもの保管場所にはしまわず、持って行くつもりのウエストポーチに入れて、ソファーの上にポン!、と置いたつもりだったのだが、そのウエストポーチの中にパスポートはなかった。
とりあえず、いつもの保管場所を探してみたが、やはりない。はてさて。。。
ウエストポーチは開いたままだったので、もしかして、飛び出したのかもしれないと思い、散らかり放題のソファーの上の物を1つひとつチェックして探してみたがやはりない。もしやソファーから転がり落ちて、床に落ちたのかも・・と思い、ソファーをどけてその下を探してみたり、カーペットをひっくり返してみたが、そこにもなかった。今度は、雑誌の間や新聞の間に紛れ込んでいるかも・・と思って探してみたがやはりみつからない。とほほ・・・。
が、あれだけ厚みのあるものを気づかず捨てるはずはない。もう一度、落ち着いて探してみよう、と、気分をリフレッシュするためにお風呂に入ってから、また、同じ場所を念入りに2,3度探してみた。が、みつからなかった。気づけばもう夜中の2時を回っている。
よくよく考えてみると、会社から本当に持ち帰ったか、持ち帰ってパスポートをかばんから取り出したか、という記憶も不確かだった。もしかすると、会社から持ち帰ったつもりだったけど、引き出しにしまったとき、かばんからこぼれ落ちてそのままになっているのかもしれない、と思い直し、ひとまず寝て、翌日、会社で探してみることにした。
悶々と夜が過ぎ、うとうとしかけて朝が来た。4時ごろ、どうせよく眠れないのだから、と起き上がり、支度をして家を出た。6:40出社!(笑)
が、心当たりの引き出しを探してみたが、やはりここにもなかった。
こうなったら、お金は惜しいが、再発行してもらったほうが早いかも。。。上司に午前休暇を願い出、パスポート発行所へと向かった。が、何てこと! JR京浜東北線は事故で品川で止まってしまい、当分、動きそうにない。仕方なく、ぎゅうぎゅう詰めの京浜急行線に乗り換える羽目になった。「普段乗らない電車なのに、何で乗った日にかぎって。とほほ・・」。気持ちは焦るのに、思うように事が運ばない。
やっとの思いで、パスポート発行所にたどり着き、窓口に行ってみると、仕事で行くのでないかぎり、紛失の場合、審査過程が複雑になるため、通常よりも発行までに日数がかかるとのことだった。「今、申請すると、発行が16日になります」「でも、外国でなくした場合、すぐに発行してもらえるんですよねぇ?」「それは、あくまでも、帰るための一時的なパスポートですから、なくしたあとは、観光なんかできませんよ」「でも私、3日出発で13日帰国なんですけど・・」。「がんばって探してみてください。けっこう出てくるものですよ」。ははは。。冗談でしょぉーー。気分はすっかりどん底だった。
というわけで、上司に電話を入れ、申し訳ないが、家でパスポートを探したいので今日は休ませてほしい、と伝え、帰宅。再度、落ち着いて探してみることにした。えてして、一度探した所から探し物はみつかるものだ。とは思ってみるものの、あれだけ何度も探したのになぁ・・といった感じ。ことによると、2、3日前に雑誌や手紙類を整理して捨てたときに紛れ込んでいたのかも・・、と不吉な考えが頭をよぎった。
まずは落ち着くために、その日の朝、つくったお弁当を口に入れ、また探し始めた。が、やはりみつからない。もう、ギブアップさぁー。誰か力を貸しておくれー、そんな気持ちで母に電話を入れた。「パスポートがみつからなくなっちゃったー」。
隣駅に住む母は、面倒くさそうながらも駆けつけてくれ、一緒に探してくれた。が、みつからなかった。「お友だちには連絡したの?」、と母が言う。当初は、何とかなるだろう、と思っていたし、彼女はひとりでも行くだろうなー、と思っていたこともあり、すっかり連絡を入れるのを忘れていた。「そうだよねぇ・・(ため息)」。
そして、友に電話を入れ、パスポートがみつからないこと、再発行も無理そうだということを伝えた。「でもさ、どっかにあると思うから、もう一回探してみるよ」。この日中にキャンセルすればキャンセル料は30%だったが、前日なら半額。が、腹をくくって、前日まで悪あがきしてみることにした。
また、悶々した夜が過ぎた。今度の旅は、盛りだくさんだったのになぁ・・。まず、最初の晩は、友と私の共通のクラスメートであるK氏に会うことになっていた。メール交換をしているジョン.M.さんにもお会いすることになっていた。オスカー・ワイルドのお芝居とクィーンの歌をベースにしたミュージカルのチケットもネットでとってあった。はじめてリバプールにも行くつもりでいたのに・・。いろいろなことが頭をよぎった。が、すべては自分の蒔いた種であった。今回は行けないかもしれないなぁ・・。
ちょっとうとうとして、朝が来た。と、突然、2週間ぐらい前に、帰宅したとき、消したつもりの玄関の電気がついたままだったことを思い出した。あのときは、変だなー、と思いつつ、自分の消し忘れかと思ったけれど、もしかして、泥棒が入ったのかも。。最近は、お目当てのものだけこっそり盗んで、形跡を残さない泥棒がいるって話じゃない。可能性は低いとは思ったが、警察に電話を入れてみた。かくかくしかじか、こうなんですけど、こうやってパスポートが盗まれたんだとしたら、警察から再発行の口添えをしてもらうことはできますかねぇ・・。応対してくれた方は、早朝の電話だというのに親身に対応してくれたが、やはり答えはノーだった。やっぱねー。(笑)
そうそう会社を休んでもいられないので、この日は出社し仕事。
と、友から会社に電話が入った。「今ねぇ・・。知り合いの神社の人に電話で頼んで、ご祈祷してもらったから」「えっ?」「パスポートが出てきますようにってね。で、神主さん、自分がご祈祷したんだから、絶対出てきますよーって言ってたから。今までもこういうこと、あったらしいのよ。それとさー、友だちに言ったら、あなたが行って、探して来なさいって。だから、明日行って一緒に探してあげるわ」。心強い言葉であった。かなり元気が出た。
休み時間、外務省にも電話をかけた。「仮に盗まれたんだとしたら、こちらは被害者なわけですから、即時発行とかしてもらえないんですかねぇ?」。答えはノーだった。税関にも電話をかけてみた。「私のパスポートを誰か使った形跡がないか、調べてもらうわけにはいかないでしょうか?」。もしも誰かがつかっていたとしたら、それは盗まれた、ということだから、いくら探しても出てくるはずはなかった。が、これも答えはノーだった。
そして、その晩。家に帰ってから、何度も探したはずの場所と、可能性が低いがまだちゃんと探していなかった場所を探してみたが、やはりみつからなかった。うーん、やっぱダメか。。。
翌朝。「今日はTsukasaさんが来て、一緒に探してくれることになってるから、案外、ひょいっと出てくるかもしれないよなー。もし、それでも出てこなかったら、きっと行くなってーことだからすっぱりあきらめよう」、と気持ちを切り替え、とてもあるとは思えないので全く探していなかった場所から始めてみることにした。何気にたんすの1番上の引き出しをあけた。マフラーが入っている引き出しだった。と、目の端に、見覚えのある赤いカバーが映った。え? きゃぁぁぁーー!!! マジぃーー?!
この3日間、ずーっと探し続けて、出てこなかったパスポートが、なぜか、その引き出しのマフラーの間から顔を出していた。出発前日の朝、8:30。
こうして私は、悪夢のような3日3晩間のあと、絶体絶命の最後の瞬間に救われたのであった。ふぅー。Tsukasaさんが頼んでくれた、神社のご利益にちがいない、と思った。ありがたや、ありがたや・・。
が、恐ろしいことに、自分がその引き出しにパスポートを入れた、というクリアな記憶はなかった。さすがにソファーの上にポン!じゃ、物騒だから、マフラーの間に隠しておこう、と思ったような気はするが、そういう気がするだけで、そうしたんだった、というクリアな記憶はなかった。
というわけで、この騒動から学んだこと。1) 大事なものは、たとえ、すぐ使うとしても、必ずいつもの保管場所にしまっておくべし! 2)
何かを大事な事をするときは、いつも意識して行うべし! 3) パスポートは、いくら騒いでも(?)泣きついてもすぐには再発行されない。大事に大事に扱うべし!
それにしても、パスポートがみつからないからといって、警察に電話したり、外務省に電話したり、税関にまで電話する人って私ぐらいかも・・・。恥ずかしー。(笑)
そして、この話には、ちょっとした後日談がある。この年の暮れ、Tsukasaさんの数人の友人の方にお目にかかる機会があった。私が自己紹介のために名前を名乗ると、決まって、「あー、パスポートの・・・」というリアクション! おいおい。。。Tsukasaさんったら、いったい何人の人に、私のパスポート事件を吹聴したのかしら?
(2004.10.16)
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