リトルヴェニス

Little Venice

 パラパラ・・と、「地球の歩き方〜ロンドン」をめくっていたら、Bayswater付近にリトルヴェニスというスポットがあるのがわかった。イタリアのヴェニスにならってその名がついたらしいが、ため息橋を連想させる橋の風景がうっとりするほどきれいだった。
 10回以上もロンドンを訪れているのに、こんな素敵な場所に行ってなかったなんて・・。できたら行ってみたいなぁ。私のイギリスでの野望がまた1つ増えた。
 13回目のイギリス旅行では、ロンドン滞在中、同行の友であるTsukasaさんが以前ホームステイしてたMevesご夫妻のお宅にお世話になった。ただ、最後の夜だけは、このサイトのお客様だったオスオさんや英会話の先生の勧めもあり、Bayswater近くのホテルに泊まることになったので、せっかく近くに泊まるんだからこの機会を逃してはならじ!、と、リトルヴェニスまで足をのばしてみることにした次第。


 運悪く、この日、ホテルから近いQueensway駅が閉まっていたので、ホテルまでの移動は、隣駅のランカスターゲートからのちょっと長い道のりを、両手に重たい荷物を抱えながら歩くことになってしまった。というわけで、ホテルにたどり着いたことにはもうへとへと。既にお昼を:30分ぐらい過ぎていた。チェックインを済ませて、Tsukasaさんと近くのカフェでランチを食べ、リトルベニスへと向かった時には、早1時半を回っていたように思う。
 「地球の歩き方」をちらと見たかぎりでは、いかにもBayswater付近にありそうな感じだったのだけれど、これが案外遠かった。まずはBayswaterからパディントンの方角まで。そこから、車の通りがちょっと激しい道に出た。この道は、主に車道として使われているのだろう。歩道は設けられてはいるものの、昼間でもほとんど人通りがなく、正直言って、ひとりではあまり歩きたくないような道だったので、Tsukasaさんと一緒でよかったぁー・・、と、内心ほっとした。
 車の流れを気にしながら、向こう側に渡って、しばらく歩くと、ようやく川のようなものに差し掛かった。グランド・ユニオン運河だった。
 ここまでくれば、あともうちょっと・・。
 橋をめざして、歩く速度もだんだんと速くなった。

* リトルヴェニスへの最寄り駅は、BakerlooラインのWarwick Avenue。歩くのが好きな私は、これぐらいの距離なら十分歩けるさ、とふんで、Bayswaterから歩くことにしたのだけれど、人通りがあまりない道だったので、やはり最寄り駅まで電車で行くことをお勧めしたい。

 運河には、水上生活を送っている人たちの舟が点々としていた。と、1匹の犬が、1艘の舟から飛び降りて、私にまとわり着いてきた。なんだか愛嬌のある犬でかわいい。思わず、上から見下ろすような角度でシャッターを切ろうとした瞬間、「戻っておいでー」と呼ぶ飼い主の声に反応して、舟へと戻っていってしまった。あーぁ、もうちょっとで写真、撮れたのになぁ・・。
 その日は、イギリスとは思えないぐらいに快晴の1日。お日さまの光を浴びながら、運河沿いに歩くのは本当に気持ちがよかった。
 ところで、肝心のリトルヴェニスの感想は・・というと、近くで見ると、けっこう水が汚れていて、へぇ、これがリトルヴェニスなんだーって、ちょっと拍子抜けした感じ。出来上がった写真には、ため息をつきたくなるような青い運河の風景が写っているんですけどねぇ・・。
 そして、日本に戻ってから、しばらくして、橋の近くからシャッターを切り忘れていたのに気づいた私たちである。


運河近くにある小さな公園。
友と写真を撮り合っていたら、「一緒に撮ってあげましょうか?」、と、親切な男性が声をかけてくださった。
うーん。やはりイギリス人には紳士が多い。

(2004.2.21)
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