イギリスはおいしい。

Afternoon Tea編
トーキー:インペリアルホテル


インペリアルホテル。おそらくトーキーでいちばん大きいホテルである。
アガサ・クリスティーはこのホテルでいくつか作品を執筆したという。


 2年前にトーキーを訪れたときはたった1泊の旅。着いたその日に、アガサ・クリスティーが新婚旅行で泊まったというグランドホテルで、ちょっと遅めのランチを食べたら、クリスティーがいくつかの作品を執筆したというインペリアルホテルの中に入る言い訳がなくなってしまった。
 インペリアルホテルは、おそらくトーキーではいちばん最高級のホテル。宿泊客でもない私が堂々と中に入るには、ランチとか、アフタヌーンティーといった言い訳が必要だ。
 ディナーは高いだろうなー。明日は午前中にコッキントンビレッジに行って、午後にはロンドンに戻るから、インペリアルホテルでランチを食べるのはちょっとあわただしいだろうなー。そんなこんな考えて、その年は、インペリアルホテルの前には行ったものの、結局、気後れがして、中に入ることはできなかった。
 今度トーキーを訪れたなら、インペリアルホテルでランチかアフタヌーンティーをしよう。そう決めて、トーキーを後にした私であった。

 そして2007年の夏。再びトーキーを訪れた。
 今度は4泊の旅。4泊もすれば、ちょっと退屈するんじゃないかと思っていたが、トーキーの周りには魅力的な場所がいっぱいだった。ここにも行きたい、あそこにも行きたいと計画を立てていたら、のんびりトーキーを観光する暇がない感じだった。ランチかアフタヌーンティーをインペリアルホテルで食べるには、その時間にトーキーにいなくてはならない。うーん、今年もインペリアルホテルはお預けかなぁ。なんて思いが頭をよぎり始めていたのだが、なんとトーキーに着いた翌日の朝、あろうことか持病の腰痛が起こってしまった。立っていても座っていても、横たわっても腰が痛い。ゆっくりしか歩けない。こりゃぁ、遠出は無理だなーとあきらめ、この日は、トーキーの町を観光して回ることにした。
 「こうなったのも、神様が、インペリアルホテルでアフタヌーンティーをしなさいっておっしゃっているのかも・・・」。
 2時半ごろB&Bを出て、インペリアルホテルへと向かった。
 ちょっと緊張したが、ドアマンに、レストランはどこですか?、と尋ねると優しく教えてくれた。レストランでは、係りの人が笑顔で近寄ってきてくれ、アフタヌーンティーをしたいんだけど、と伝えると、どの席がいいかという。海が見えるテラスの席を希望し、腰をおろした。
 レストランにはあまりお客さんはいない。天気がよいから、みんな海に出払っているのかもしれない。
 やがて席に案内してくれたさきほどの女性が来て、どのアフタヌーンティーにするかと私に聞いた。スコーンと紅茶だけのものもあるようだったが、せっかくなので、インペリアルホテル特製のアフタヌーンティーセットをオーダー。やがて、紅茶と3段重ねのアフタヌーンティーセットが運ばれてきた。1段下の段にはサンドイッチ、2段目にはスコーン、そしていちばん上のお皿にはケーキが盛り付けられている。

アフタヌーンティーセットは£12.50+チップ。
ケーキはかなり甘かったが、海をながめながらのアフタヌーンティーは格別であった。

 天気のよい日で、太陽が肌にじりじり照りつける。テラスの席からはトーキーの海が間近に見えて、腰が痛いのも忘れて、のんびりとアフタヌーンティーを楽しむことができたのだった。

※その他のアフタヌーンティーについてはこちらへ。

(2008.1.1)


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