ベーカーストリートを行く〜マダム・タッソー蝋人形館

 & シャーロックホームズ博物館

Madame Tussaud's & Sherlock Homes Museum

うわっ!
って、タッソーの蝋人形館でヒョウキンなポーズをとってるのは、かのヒッチコック。

 地下鉄に乗ってベーカーストリートで降りるとすぐ、淡い緑色をしたドームが見える。マダム・タッソーの蝋人形館に隣接するプラネタリウムである。この建物の前には、必ずと言っていいほど、蝋人形館への入場を待つ長蛇の人の列があるので、どう考えたって見逃すことはないだろう。
 そもそもは、Marie Grosholtzというフランス娘、つまり、のちのマダム・タッソーが、母親の雇い主であるドイツ生まれの医師から、蝋人形の技術を教えてもらったことが事の始まりらしい。彼女はルイ16世の妹(姉かも?)の家庭教師となり、フランス革命当時は、王や貴族のデスマスクを作成したこともあるという。のちにタッソーさんと結婚し、マダム・タッソーとなった彼女は、1802年、41歳のとき、息子たちとイギリスに渡り、74歳のときに、ベーカーストリートに蝋人形館の前身をつくったとか。蝋人形館が今の場所に移ったのは、1884年、彼女の孫の代のこと。実に歴史のある蝋人形館なのである。
 私も、はじめての渡英以来、4度ほど、この館に足を運んだ。そして、そのたびに、本物そっくりの等身大の人形たちに驚かされ、我を忘れて興奮してしまった・・。昔むかしの王族方や今のロイヤルファミリーが勢ぞろい。歴史上の人物から、その昔の処刑風景や絵画を再現した蝋人形たち、そして昨今のスターたちまでが、所狭しとひしめき合っている。200箇所あまりを正確に計測して、一体の蝋人形をつくり上げるというが、本当に、瓜二つ。多くのスターたちが、本物の自分の衣装を喜んで寄贈しているともいうから、あなたの好きなそこにいるスターのコピーさんは、かつては彼らが実際に着た服を身にまとっているのかもしれません。いんやぁ、本当に楽しめるアトラクションですよ!!
 3度目のときは、ぼーっと待つのが嫌いな人にお勧めという、「地球の歩き方」のアドバイスに従って、プラネタリウムからも入ってみた。うん、なるほど、そんなに待たなくても中に入れましたよ。でも、うわぁ、きれいねー、とみほれるほどの、満天の星を期待していたら、なにやら、地球の温暖化がどうの、という教育的なプログラムで構成されていて、星の美しさにうっとり、というわけにはいかなかったかも・・。
 入場料の高さもさることながら、本当にいつも長蛇の列なので、入るのやーめた!って思ったこともたびたび。ここ10年ぐらい、中に入った記憶がなかったので、2003年の旅行では、久々に足を運んでみることにした(4度目!!)。午前中、早め行ってみたところ、外には待っている人の列がない。ラッキーっ! が、そうは問屋が卸さなかった。建物の中に入ってみると、整然とした列がすでに出来ていた。そして、数年前の「地球の歩き方」の情報から、13ポンドぐらいとふんでいたら、なんと、約20ポンドもした。料金は、ウィークデーの場合、5:00以降だと12ポンドになるらしいけど、5:30にクローズしてしまうんじゃぁ、5:00時前に入るっきゃないでしょって思うでしょ? ちょっと高すぎる気もしたけれど、せっかくここまで来たのだから・・と、入ってみた。
 いんやぁー、10年のご無沙汰ってーのは、やはりかなりのものでした。当然、人気者の顔ぶれも変わっている。まず入ったところで登場したのはマドンナ。が、これはほとんど似ていなかった(笑)。「これ、ダレ?」と友とふたりで首をかしげてしまい、ナゾが解けたのは、出口近くの売店で、この蝋人形の絵葉書を見たときだった。はっはっは。
 そして、ブラピにジュリア・ロバーツ。おぉ、約10年前にはお目にかかれなかった人々である。ボンド役も当然変わっている。実をいうと、私、このピアース・ブロスナン様にお会いするのが楽しみだったのよ、と、ツーショットでパシャリ。顔ぶれがかなり変わった蝋人形たちを前に、かなり大はしゃぎの私なのであった。

右上:私の好きなオスカー・ワイルド。友から、彼と私の雰囲気が似てるって言われて、かなりうれしかった。
上段:映画に登場するスターたち。ヒューさまとブロスナンさまとは、ツーショットでお写真を撮らせていただきました(笑)。
下段:王家にまつわる人々。左:ビクトリア女王様。相変わらず、堂々としていらっしゃいます。たまに衣替えもなさっているご様子;中央:ダイアナ妃;右:ヘンリー8世とその妻たち。




 以前、訪れたときに写真におさめたデビッド・ボウイにビートルズ、そしてマイケル・ジャクソン。2003年でもビートルズは健在だったが、ボウイはいなかったような・・。
 今となっては、4人揃ってのビートルズはここでしか、お目にかかれません。
 ところで、マイケルですけど、左が若かりしころ、右がそのあと行ったときのマイケルです。存命の人は、こんな風に、before(左) & after(右)が作成されるみたいですね。





 Chamber Liveという催しが加わった模様だったが、それってどこにあったの?って感じ。どうやら見逃してしまったらしい。友は、そういう類の出し物が苦手らしかったので、ま、いいかーって思ったけれど、あとでチェックしてみたら、Chamber Liveを見なければ料金が2ポンドも安かったようなので、損をしてしまったみたいですねー。
 蝋人形を見終わったあとは、「the sprit of London」で、いざ、Londonの街へ!!
 そんなに浮かれていたつもりはなかったのだが、出口付近で売られている自分の写真を見て驚いた。「the spirit of London」に乗っているとき、自動的に写真が撮られる仕組みになっていたのだが、その写真に写っている私の、なんと楽しそうに笑っていることよ。まーるで、子供みたいな顔なのであった。はっはっは。
 2003年に訪れてみて思ったのは、気のせいか、前よりも全体的に蝋人形が減って、子供向けのアトラクションが増えたようだ、ということ。日本人で蝋人形になったのは、はるか昔の吉田首相と全盛期の千代の富士ぐらいだから無理もないが、日本人の蝋人形は1体もなかった。期待していたフレディー・マーキュリーの蝋人形はなく、いとしのブルース・ウィリス様もジョージ・クルーニーもいなかった。私的には、もっと蝋人形に会いたかったなーっ、と、ちょっと残念に思ったタッソーの館であった。

 タッソーのあるMarylebone Roadをまっすぐ進んでいくと、ベーカーストリートに突き当たる。右に曲がって、ベーカーストリートを進んでしばらくいくと、左に「221b Baker Street」という標識をみつけることができる。ホームズが住んでいたといわれる場所だ。そしてそこから、ほんのちょっと行ったところに、「シャーロックホームズ博物館」がある。ホームズというより、クリスティ(マープルやポアロ)好きの私としては、入場料6ポンドはちょっと高いかなー、という気もするのだが、ホームズの書斎や居間が再現(?)されているので、小説の中の一場面一場面が想い出されて、ホームズファンにはたまらない博物館かも。
 そのほか、道路をはさんだ向かいには、Sherlock Homes Memorabilia Companyがあって、TVシリーズのホームズグッズを売っていたり、シャーロック・ホームズ・ホテルなーんて名前のホテルがあったり・・。ベーカーストリートをぶらついて、ホームズゆかりの場所を探してみるのも楽しいもんです。

左:ホームズ博物館の入り口;中央、右:博物館の中。ホームズの部屋へは階段を上がって入る。
1階から3階、そして屋根裏部屋が再現されている。入ってすぐのフロアにはおみやげグッズがいっぱい。

ロックサーカス

 マダムタッソーの姉妹館、ロックサーカスはピカデリーサーカスにある。かつては、2階のバルコニーから、プレスリーやらマイケルが、手を振っている光景がみられたのだが、ここ最近は、取り払われ、ちょっとさびしーって感じ。ここには、ビートルスやセックスピストルズなど、ロック関係の蝋人形しかいないので、タッソーと違って、がらがら(?!)。でも、かなり昔のことで記憶が定かではないのだけれど、確か、ステージで歌うビートルス人形は、顔の表情・動きなどが細かく再現されていて、きゃー、ロックファンにはたまんない!!って思ったような・・。
 そういえば、東京タワーには、かのジミー・ヘンドリクスの蝋人形がいるって聞いて、一度、見に行きたいなーって思ってから、もう数年が経過してますが、まだジミヘンは、あそこにいるんでしょうか?

かつては、ロックサーカスのある建物も、今よりもっと華やかだった。


(2002.3.29作成、2004.6.5修正)
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