8月1日に横浜港から小笠原向けて航行していたヨット.KIWI号が、12日午前7時46分、台風9号の影響で遭難信号を出し横浜海上保安本部に救助を求めた。同本部はだだちにジェット機で捜索したところ11時すぎに船体を発見。ヨットの中から乗員1名が手を振るのが確認された。また、12日午後11時頃、付近航行の貨物船が現場に到着し同船を監視している。巡視船「やしま」も三宅島から出動し現場に急行した。
小笠原海上保安署によると、「ヨットと交信できないため遭難信号発信の理由は解っていない模様だが、ヨットは一人乗りで、船上から手を振る人が確認されていることから無事のようだ」と話している。
また、夏休みでほぼ満席の乗客を乗せた「おがさわら丸」も台風の余波で海上もかなり時化ていたことから、父島二見港への入港も6時間30分遅れ、到着は13日午後6時と大幅の遅れとなった。
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12日遭難信号を発射し救助要請を行ったヨット「KIWI」号の乗組員は、13日、午前10時58分、第三管区保安本部所属の巡視船「やしま」搭載ヘリコプター(MH684)により、無事吊り上げ救助された。
小笠原海上保安署によると、巡視船「やしま」の係官により、事情聴取を実施した結果、該船は8月2日午前8時頃横浜を出港し、小笠原父島へ向かい、12日頃入港する予定だったが、航行途中、ラジオで台風9号の動静を確認。同台風の進路が北西方向であったため、航行に支障がないと判断し続航したが、8日頃、鳥島付近で機関が故障し帆走のみで航行していた。
また、11日、ケータ島付近において急激に天候が悪化、午後6時50分頃1回目の転覆をし、メインマストが折損するとともに無線機等が使用不能となり、12日2回目の転覆により船内が浸水したため、危険を感じ遭難信号を発射したことが判明。現在、船体の救助については調整中のようだ。
同署は、「今後小笠原に寄港するヨットに、このような海難が起きないように注意をしてほしい」と呼びかけている