外敵本年度
川鵜
鵜には海鵜、川鵜、姫鵜といますが問題になっているのは川鵜で近年はどの河川も急増し
手を焼いている。シラサギのように川面でジッと待ち1匹、2匹と捕食するだけならまだしも
川鵜は群れで飛来し数bほど潜り一羽が日に300g〜500gの魚を捕食する大食漢だからたまっ
たものではない。大河になるほど数が多いようで駆除許可を取るも敵もさることながら人間
をあざ笑うかのように弾が届かない距離で営巣しており脅す事により、せいぜい営巣場所を
変更させるだけにとどまっていたが鏡川漁協で2005年に鏡川ダム湖に営巣していた川鵜を猟銃の飛距離を現行より飛
よぶうに工夫して駆除し被害が激減し魚影も終盤まで濃かった。鵜飼いに使っているのは海鵜で川鵜は使えず対策は
猟銃による駆除しかないのが現実ですが、魚の減少は元を正せば人間の自然破壊から始まっており放流に頼っている
釣りでは抜本的な解決はありえず時間がかかるだろうが魚が海から遡上できる川にするなどの河川環境の構造的な見
直しや復元をして魚種が豊富になり魚影が濃くなる事により川鵜と共存できるものと思います。
オオクチバス(ブラックバス)
ルアーフィッシングの対象魚種の一番手であり1925年北アメリカから箱根の
芦ノ湖に初めて放流されその後芦ノ湖から全国に拡散したらしく生息数、生息
域とも非常に多く止水域を好み湖沼、大きな止水域を有する河川の中流〜下流
域に数多く見られ水温が20度以下になると殆ど活動しなくなりますが強い魚食
性があり在来魚種にとっては脅威で絶滅の危機をはらんでいます。全国への拡
散の凶源は”全国の心ない釣人”ではなく金銭的利の増加をもくろんだ釣具メーカー、全国の漁協、観光業者ではな
いかという考え方がより信憑性があります。漁協が網で積極的に駆除していますが、その繁殖力には追いつかないの
が現状でまずは釣ったら再放流せず持ち帰り生ゴミとして処分して下さるようお願いします。現状では効果的な対策
は見つかっていませんがフライにしたら美味しいという話も聞きます。
ブルーギル
比較的小さな池沼や小さな止水域を有する河川の中流〜下流域及びそれに繋がる用
水路でも繁殖し雑食性でエビ類や水草、魚の卵や稚魚も食べてしまいますが一定の条
件が整えば共存(水性生態系の破壊の有無)できているところもありますが絶滅の危機
は背中合わせです。※朗報で琵琶湖に生息するカワニナ類やヒメタニシなどきの巻貝
がブルーギルの産卵場に集まり卵やふ化したばかりの稚魚を餌にしている事を滋賀県
立大学(生態学)で突き止め食べる様子を撮影。カワニナ類は1日約平均7.5個、ヒメタニシは同約6.3個食べていた(
高知新聞H18年1月11日朝刊)。効果的な対策とは言えませんがブルーギルの一定の繁殖阻止ができそうで河川の生態
系の深刻な影響が避けられ在来魚種にとっても朗報だ。現状はオオクチバス同様、漁協が網で積極的に駆除していま
すが、その繁殖力には追いつかないのが現状で釣ったら再放流せず持ち帰り生ゴミとして処分して下さるようお願い
します。
※オオクチバスやブルーギルが在来種絶滅の危機に大きな影響を与えているのは確かで在来種との共存は不可能だと
いう事も科学的にも立証されていますが一番の凶源は無秩序に外来魚を放流し環境破壊した人間なのです。現状で
は在来種が絶滅の危機に直面しておりバスを釣られる方にもこの現実を視直していただき長い歴史を経てできあが
った日本固有の生物相という何にも代える事のできない財産を何とか次世代に残す為にもキャッチアンドリリース
せずに持ち帰り生ゴミとして処分するようお願いします。
草魚(ニゴイ)
食用として移植されたものが琵琶湖で繁殖し琵琶湖産稚鮎に混じり各河川に放流
され繁殖し、特に大河では大繁殖(四万十川、仁淀川、吉野川、物部川、奈半利川)
河川の上下流問わず、どのポイントにも生息し目視できる。魚自体は白身のあっさ
りしていて食べられない事はないが小骨が多く食するにはむいていない。他の魚種
を追っ払う習性があるのか分からないが水深のあるよどみで、おとり鮎を浮かそう
ものならすぐに掛かってきて仕掛けごと切っていく嫌な奴だ。現状はオオクチバス、ブルーギル同様、漁協が網で積
極的に駆除していますが、その繁殖力には追いつかないのが現状で釣ったら再放流せず持ち帰り生ゴミとして処分し
て下さるようお願いします。網以外の効果的な対策は見つかっていませんが一匹につき50円の懸賞を付けている漁協
もあります。
ブラウントラウト(ヨーロッパ原産)
東北地方より以北の冷水域の河川で増殖しおり、特に北海道では激増してい
てヤマメやイワナより茶褐色をした綺麗な魚でどう猛で魚食性が強く虫や魚を
食べ8〜10年ほど生き80pを越す大物もおり繁殖力も強く1匹が4〜5回産卵する
ようです。北海道の戸切地川(へきりちかわ)では生息する魚種の6割を占める
ほど激増しています。冷水域を好む為に北海道が繁殖しやすかったようですが
、やっかいな事に一部は一度海に出て成長し子孫を残す為に生まれ育った川だけではなく他の川へも遡上するので生息
地が自然拡散される事が危惧されています。2004年に駆除したブラウントラウトの胃袋から174匹という数の鮭の稚魚
が確認されています。明治時代に中禅寺湖や芦ノ湖に放流され親しまれ1980年に初めて北海道で確認されましたがスポ
ーツフィッシングの流行と共に釣り人により移植放流されたようです。関西から以西では水温の関係か生息はまだ確認
されていません。