
『翼』
むかし、むかし人はね、鳥のように翼をもっていたよ。
背中にまっしろな大きな翼・・・
今でも、そのなごりがあるでしょう?
忘れちゃったの?
空たかくに飛んでみたいって思うこと?
違うよ。そんなんじゃないの。
翼は空を飛ぶために進化した訳じゃないのよ?
飛べない翼は、翼じゃないよ。
もってる意味がないもの。
どうして?
こんなに大事なことを人は忘れちゃったのかしら・・・
空たかく飛ぶ事なんて、何の意味ももたないのに。
じゃあ、どうして?
わけわかんないよ・・・
そんな悲しい事をいわないで・・
翼はね、自分のものであって、自分のものじゃないのよ?
変だよ。そんなの・・矛盾してる。
きっと、いつか その日がきたら あなたにも気付くはずよね。
あなただけのたった一人の人と出逢え時に・・・
むかし、むかし人は 背中に大きな翼をもっていました。
背中に身の丈ほどの まっしろな大きな翼・・・
人はむかし『天使』と呼ばれていた時代があったのかもしれません・・・
『父と子と精霊の御名に於いて・・・
全能なる我が父よ、わたしはあなたに誓いましょう。
わたしの愛する者を守るため、例えこの羽のすべてを引きちぎられようと
この翼のある限り、かの人の盾とならんことを・・・』

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