里 加藤 かならず帰れと言う人を背に 言葉少なく去った土地を 酷かった交通情勢に悪態を吐きながら やはり目指して来た もちろん村の付き合いにはうんざりしたさ だけど遠くの白い山を見に来たんだ 刈り入れの手伝いはこずかいの為だったけど この寒々とした土地に立つだけのために来たんだ 懐かしいとは疲れ癖のついた奴の言葉だ だがそれは弱い奴が避けたがる言葉でもある 生傷を作って反吐に塗れる程に戦ってみろよ 今更になって帰る場所はなくとも 脳裏を過ぎる場所があるものなのさ |
2001.1.3
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