桜
ついに桜が咲いた
やはり桜の花は別格だと思う
何故別格なのかを考えてみた
桜は華やかだ
華やかという言葉は桜のためにあると思うほど華やかだ
そして それが 短期間で はかなく散ってしまう
私たちが待ちこがれつつ桜を見るとき
その時すでに心のどこかでそれが散りゆく様を思い描いている
そして 桜の花は どこか虚空に花開いて
虚空に消えて行く・・・
虚空の背景には たいてい 青い空などがある
このことが「色即是空」などを想起させる
非常に華やかであると同時に
非常にはかなくもあるということ
このコントラストが ことのほか 私たちの心にしみてくる
私たちはスターに憧れるように桜に憧れ
そして憧れたことすらも もののみごとにたちまち忘れる
が 決して忘れてはならないこと・・・
それは 桜も実をつけるために咲いているということだ