落 葉
                  nonya




夢を見終えた順に

枝から手を放し

次々と風に身を任せる

何の重さも持たない枯葉



狂おしく身悶えしながら

落ちていこうと

陽気に旋回しながら

落ちていこうと



たかが

舗道を彩る絵の具の一滴

たかが

舗道を掠めるパフォーマンスの一瞬



ブーツの底で踏み躙られて

吐き捨てられたガムを

抱え込んだなら



土に還ろうなんて思わずに

排水溝の暗闇に

転がり落ちればいい



冷たい泥水の底にへばりついて

想い出と一緒に

朽ち果てていけばいい



それが

この街の

季節の見送り方だから






2000.11.3

作者のHP  http://www.interq.or.jp/rock/nonya/
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