幼 き 日

                     星嵐 渚




蒼い風が吹いていた

緑の葉をさわさわと揺らして


 
大きな樹が影を作り

まぶしい光を優しく変える



変わらないね ここだけは

幼かった自分が見えるよ



何も疑うものはなく

何も知らなかった



あの頃の自分に戻りたい



そう何度流れ星に祈っても

きっと叶うはずはない



だって 砂時計からこぼれ落ちた時刻(とき)だけは

戻す事なんてできないから



分かってる

でも  また明日もきっとここに来る



過ぎ行く日々の中で

 心から大切にしたい物の為に

今 こうして生きている事が

きっと明日の『宝物』になると信じてるよ



優しく流れてく雲を追って

こぎ出したペダルは何故かすごく軽かった。











2000.10.31

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