みのりゆく秋
                       


 
 
秋は みのる みのりゆくもの

栗のイガも 水田の稲も
 


みどりから きいろへ

きいろから ちゃいろへ
 


秋は みのる みのりゆくもの

ひまわりの花の中でも

花のあとに生まれた さまざまな果実たちも

ひっそりとしらずしらず

みのる みのる 秋はみのる
 


翳りゆく夏に代わって

するすると音もなく

みのる みのる 秋は みのる
                   


力むことなく

あせることもなく

ただただ時の流れのままに

そう成る可くして成るという感じで

みのる みのる 秋は みのる
 



野火焚きの煙を嗅ぎ

夕映えに染まりながら

諸々のみのりとともに

秋も静かに 熟して深まる
 


秋は みのる みのりゆくもの