枯木立
               nonya




 
赤らんだ光の手前に

置き去りにされた枯木立

逆光線に黒ずんだ枝を

闇の先触れが忍び寄る

空へ高々と突き出し

山の端に駆け込もうとする

今日に追いすがる
 


燃え残った想いを手放せず

闇に混ざることもできずに

盛りを越えてしまった

しなやかでない幹は

吹き降ろす大陸からの風に

闇よりもさらに濃い影を

ただ晒すだけなのか
 


軽んじられるもの

蔑まれるもの

疎んじられるもの

忘れ去られるもの
 


光の反対側にあるもの達と

向き合う時間が

もうすぐ始まる







 




2000.11.8

作者のHP  http://www.interq.or.jp/rock/nonya/
     Mail      nonya@rock.interq.or.jp


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