春の夕暮れ
 



春嵐が過ぎた

昨夜から今朝まで暴虐のような風雨だったのに

今夕はまた何事もなかったかのように澄み切った夕映えだ



大きな薔薇色の雲がゆったりと浮かんで動かない

この色合いは確かに春の色合いだ



けれども今は「年度末」

私の心は疲れているので

この純真な明るさには

かえってどこか違和感を覚える



そんな私の思惑をよそに

空の色合いは益々華やかになるばかり

やがて

西空の雲の稜線は金色に輝き初めて

ふっと現実が遠くなるような気がした