はまかんざし
たすく
灰色に閉ざされてる空。
薄い雲層から太陽が
今在る位置をぼんやり教えようとしていた。
牛はどこまでだか広がる緑の中で
ゆっくりと食み続けていた。
それは永遠を予感させるほど
緩やかな営みであった。
季節名残のはまかんざしは
これから来る長い冬を
閑寂の中で待っていた。
ただ待っていた。
2000.10.21
戻る