ふう
              くた




レンガ通りの喫茶店は

小さい頃もお爺に連れられてよくきた

店の中の古いインクのような匂いと

通りに出された置き看板

「新世紀」は

その頃から変わっていない

コーヒー啜りながら




ときどきは

ふりかえろか

みらい

ということばのひびきに

いみもしらずにむねおどらせたころ

ろびー

あとむ

うちゅうのたび

あといっぽふみだせば

そこはもう

あのころのみらい

まだ

はれてる

のかな

まだ

みえてる

のかな




コーヒー啜りながら

師走の様子を眺めてる

今年も相変わらずで

肩をすぼめる人と

角の欠けた置き看板に

木枯らしの当たる音






2000.12.23





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