この道を君と
                 くた



風が強く吹き付ける日には
君の肩を抱いていたい
抱いた腕と手に力を込めて
君を確かめたい

 この道を真直ぐ歩いてゆこう
 どんな強い風が吹きつけても
 きっと二人でなら防げるさ
 この道を君と


雨が重く降りしきる日には
君と傘をひとつにして
雨の音に消えそうな息づかい
そばで聞いていたい

 この道を真直ぐ歩いてゆこう
 悲しい雨に肩が濡れても
 きっと二人でならぬぐえるさ
 この道を君と


こごえるような寒い夜には
君を強く抱いていたい
抱いた腕と手に力を込めて
君を確かめたい

 この道を真直ぐ歩いてゆこう
 どんな寒く長い夜がきても
 きっと二人でなら暖めあえる
 この道を君と





2001.1.23

作者のHP   http://laguz.gaiax.com/home/kuta
    Mail     kutaoff@hotmail.com  







 
              nonya



目を上げれば
いつもそこに
うんざりするほど果てしなく
道は続いていた

打ちひしがれて
へたり込みそうになっても
意気揚々と
外股で石を蹴散らしても
道は同じ固さで
気紛れな歩幅を支えてくれた

止まろうとする背中を押して
走り出そうとするおでこを押さえて
優しくもなく
冷たくもなく
道はそこにあった

道に降り積もった
たかがしれた記憶や
こころもとない足跡は
やがて風がさらっていくのだろう

ゆっくり歩こう
道の表情を足裏に覚え込ませるように
想いを宿らせよう
道を彩る木々と空と鳥たちに

鼻先を離れない視点を
高く遠くへ蹴飛ばそう
ちっぽけな自分を
笑って許せるように

次の曲がり角を折れたところで
なんの前触れもなく
道は
途切れているかもしれないから





2001.1.24

作者のHP http://www.interq.or.jp/rock/nonya/
Mail     nonya@rock.interq.or.jp







 
未 来
                  
ハル



こんな状態でなぜ笑っていられるのか

それは未来があるから

明るい未来を見ているから笑っていられるんだよね

明日はきっと今日よりも・・・・

夜は必ず朝になる

明けない夜はない

信じて 笑う





2001.1.27

作者へのMail  ebi002@ains.tomakomai.or.jp







 冬の遊歩道
                 
織部夕紀



いつもと違う帰り道
いつもと違う
水色の冬空

この道のむこうは
空と大地がつながっているようで
いつまでも
歩いていたくて

でも今は ひとり
冬空は低く
低く私の上にのしかかってくるようで

次の曲がり角で
いつもの道に戻ろう

冷たい夜に
さらわれないうちに






2001.1.29

         作者のHP    http://www.asahi-net.or.jp/~nk3y-tnb/
            Mail     yukit@n.email.ne.jp







 誰かに逢えそうな道
                        
星粒



ここは ひとつの
嫁いだ街の 道に過ぎない。

頑なな私の
歩いてきた
無数の道の
一本の道に 過ぎない

しかし
ひなびた街ではあっても
其処かしこに
陽だまりが生まれて
ずっと歩きつづければ
わたしのような
よそものが
誰かに逢えそうな予感を
抱いて
こちらとすれ違うかもしれない。

とうのむかしに
雲のように胸に浮かんでいた
明るい兆しなど忘れてしまったかのようだが

こうして
ほんの少し背中があたたまると
誰かに
逢えそうな道だと
想う

其れがこどもでも
其れがおとなでも
其れが野良犬でも
むこうからちいさな 
点だったものが
こちらへ近づいてくる

ひなびた街の
ひなびた

陽だまりの道がある。






2001.1.29

  
           作者のHP  http://www.avis.ne.jp/~peanuts/watasinosi.htm
                 Mail      peanuts@avis.ne.jp





 


 お天気
              ひろゆき



あんまり天気が良いので
太陽が僕と君と犬を引っ張って
公園に連れてきた
ああ こうしていると
本当に気持ち良いね
うちでテレビを見てるよりずっと
幸せだね
尻尾だって ほら
こんなに振れている
今度は植物園に行こうよ
お日様の分まで
お弁当を作ってさ






2001.1.30

               作者のHP  http://www26.tok2.com/home/yashiropoem/
                 Mail     hiroxxx@maple.ocn.ne.jp




 


 笑 顔

               ハル



笑っていたね
まだ、先にある暗闇を知らなかったあの頃
ただ幸せで

幸せを手に入れたことが嬉しくて
何がなくても
君の側にいる
それが精一杯の幸せだった

あの場所へ
もう一度
幸せをもって 行けるだろうか
君と2人であの道で
もう一度
たたずんで笑えるだろうか






2001.1.30

作者へのMail  ebi002@ains.tomakomai.or.jp




 


 散歩道

             加藤



しっとりとした土を踏む音
耳もとに融けた雪の滴
見つけに来たもの
あちらから冷たい風
こちらへ千切れた雲
体の中から日の光
期待しなかったもの
感謝しているみたいな
さりげない挨拶
微笑み返しただけ
体の中から日の光
鈴の音のような冬の匂い
姿の見えない雀の声
探しにきたもの
歩いて来た道
ここから見える景色
少し先の屋根だけ見える東屋
振り返れば光の道
体の中から日の光
この先は光の萌える道
歩き慣れてしまった道
だけどいつもと違う道
再び出会う道
新しく出会う道
愛しい何かが
一秒先から包む道







2001.1.30

               作者のHP   http://www.f4.dion.ne.jp/~hermit/
                  Mail     katou106@f4.dion.ne.jp

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