アンテナ銀河 NGC4038/4039に寄せて
からす座の方向6300万光年の距離のところで
その壮大なドラマは繰り広げられている
これまでの闘いの跡を引きずるかのように
昆虫の触角(アンテナ)のような長い2本のループを残しながら
2つの銀河が壮絶な死闘を繰り広げているのだ
喰うか喰われるか・・・
どちらかがどちらかをのみこもうと激しく絡み合う2匹の巨大な龍のように
数10億年もの間その壮絶な戦いは続けられ
やがてより大きな銀河として生まれ変わるのだという
こんな世界にも
人類の歴史の宿業にも似た闘争と統合の嵐が渦巻いていたとは・・・
この衝突によって
新しい星が次々と生まれているのだというようなことを知るにつけ
これはまるで「三国志」の世界ではないかと感嘆した
いったい宇宙が人類の歴史をまねて見せているのか?
人類が宇宙に突き動かされているのか?
偶然と言うにはあまりにも因縁深い相似形を突きつけられているような気がする