秋 晴 れ nonya 胸のいちばん奥に 隠し持った優しさと 同じ色をしている空 描きかけた風の行方を そのまま空に残して 居眠りをしている雲 澄みきった葉擦れの囁きに 柿の実は頬を染めて うっとりと枝にもたれかかる 古い日記の一頁で折った 紙飛行機が金木犀の香りにのって 心のきざはしに不時着する 新しい靴紐を不器用に 浮かれ気分に通しながら あてどなく問いかける 今日はどこへ行こうか 光を頬張り過ぎた空は 何も答えずに 満面の笑みを 地上にふりまくだけ |
2000.10.12
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