2000年9月の投稿作品

(投稿ありがとうございました)

☆詩の著作権は当然ながら詩の原作者ご本人にあります


2000年の投稿作品
(2000年8月〜12月)







    賛 歌 ( ROCK'N'ROLL の ために )
                                  


 
  ある日 自由の海から 言葉と BEATが 来たのです

 だから それから きっと

 僕は あなたの哀しみの胸に 涙を 落とすのです

 あなたの暖かな胸に 生きる喜びも感じるのです



 ・・もし疲れたら すべてを 忘れて下さい

 ・・意味などを 問わないで欲しい

 ・・まだ僕には 美しい世界を 感じられるから・・

 僕は 君の笑顔が たまらなく好きでした

 まぶしくて 美しかった

 ・・時は流れた・・

 ・・老いと再生を 繰り返す 非情な世界です

 ・・君だけには 美しいままでいて欲しかったのです



 愛には まだ未知の可能性と 力が あるのでしょうか

 愛しても いいのでしょうか

 愛を信じても いいのでしょうか

 愛のために 戦うべきなのでしょうか



 ・・もし疲れたら すべてを 忘れて下さい

 ・・意味などを 問わないで欲しい・・

 ・・まだ僕には 美しい世界を 感じられるから・・









                                              
                                     2000.9.30











 六月の朝
                 this




梅雨が始まるという

夫は踵を掻きつつ

新聞を読む

型の古いテレビは

そろそろ映りが

わるくなっている

それに

子供のはしゃぎぶりは

一体どうだ

これなら新しい傘を

買わないほうが

よかったわ



口に出さずに言ってみる




滞った曇り空の雰囲気が

お腹の辺りにたまっている

のど飴の匂う胃液

夕飯の食器は

手付かずのまま



玄関から出勤と通園を

見送れば

情けなさで不安になる



グラスのミルクには小蝿が浮く

それも

私の責任なのだろう

洗濯物は乾かないのだろう

陽は差さないのだろう



そう

こんな儚さと結ばれたかったのか

誰か聞いてくれたなら

私はこくんとうなずこう

やかましいテレビを消せば

ここも良かったりするのだから



垂れこめた六月は

音もなくほどけた









                    
 2000.9.2












 虚 無
             MIHARU




毎朝 毎朝 毎朝


目の前には


同じ天井があって


夢から醒めたことを知る


何も無い家 学校 街


君ならこんな世界から


連れ出してくれると思ったのに












                       2000.9.25

作者のHP  http://www.geocities.co.jp/HiTeens/5489/
Mailアドレス   t.bamba@dream.ocn.ne.jp







  君への100センチメ−トル
                                   早乙女



「螺旋状の階段を登りきる寸前 頭の上かすめてく白い星の奇跡

 手を伸ばして もう少し このままじゃ掴めない いつもの距離100cm でも目が覚める」



長い廊下はしゃぐ君の声 両手を広げて一つ深呼吸



つま先の錨持ち上げて一歩一歩あゆみ寄って ちょっと待ってて 今すぐ 少しの勇気

終らない夢を重ねてやっと見つめられる距離 そっと綺麗な言葉が空から降るよ



この前から気にしてる ぎこちない二人を気づかうように夕焼けが僕達を溶かして

聞いてもいい?その笑顔 誰のため?僕のため?答えは君だけのもの でもそれでいい



君の背中 きっとこの手で包み込めるような僕になるから



少しだけ近づいたのかな?君と僕との100cm いつか触れ合う手と手を夢見ていよう

何気なく見上げた夕暮れ 浮かぶ小さな白い月

ほらねあそこに見えたよ 星の奇跡が



つま先立ちで僕を待ってる君 思いもよらない潤んだ瞳で



夕闇に立ち尽くす君の肩がかすかに震えてる こんなはがゆい時間を始めて知った

はにかんだ指先で触れた 僕は微笑むしかなくて・・・

こんな静かな時間を始めて知った



この街に蒼い灯がともり 星が二人を結ぶ時 きっと君はこんな風に声をなくして・・・

星屑が降りそうな夜が・・・夜が永遠であったら きっと僕もこんな風に声をなくして・・・






                                    2000.9.22












 夢 見
                    松子



夢が分からなくなった

なりたいものは2つある

でも1つにしなきゃ

欲張ったっていいことなんか何もない

どっちも叶う事なんかありえない



あの人は見つけた

見つけてしまった たった1つ・・・

それは私の夢でもあったの

でも言ったら横取りしたって思われるね



私の夢1つ壊れた

これでいいのかな?






                       2000.9.21











  ココロノメッキ
                 松子



ずっと隠してきたココロがあった

誰にも誰にも知られたくないココロがあった



だって知ったら嫌うでしょ?

こんな私の事きらいになるでしょ?

だからずっと隠すつもりだった

死ぬまで隠すつもりだった



でもダメね

ココロのメッキがボロボロ落ちてく

君の優しさに甘えすぎてボロボロ落ちてく



錆だらけの私を置いて君はどこかへ消えていった・・・








                               2000.9.20













  

                   
瑞樹純一 



夏からの想いが滑り込むように秋桜を咲かせた

葉にすがるバッタの親子は必死に見え

優雅に見える夕方の河原に

影絵の如く訪れる秋







                      2000.9.16

作者のHP http://www.geocities.co.jp/Bookend-Soseki/9471/index.html
Mail chyoko@hikoboshi.net







     青いうさぎ
                   
美月じゅん



           愛が欠けたままで眠れぬ夜は

           月のうさぎよ そばに居て

           零れた涙は雲のベールで隠すから

           青いうさぎよ 話を聴いて

           空と海と風と 遠い日の恋物語

           お礼に子守唄を歌ってあげるから

           月のうさぎよ そばに居て











                            2000.9.12

作者のHP http://www.mine.ne.jp/tani/jun/frame.html
Mail     jun.tanioka@mine.ne.jp






  秋 日 和
                  nonya



滅多にやらない草むしりは

いつも「面倒臭い」から始まる

やっているうちに心が和むのは

土で汚れた指先が

とても喜んでいるから



さっそく現れた小さな生命に

たじろぐ自分が恥ずかしい

潔癖を身にまとったつもりで

街を行く足と爪の長い彼女達とは

やはり一線を画したい



猫の額に生えたうぶげを

きれいに刈り終えて一服

晴れ渡った空から降りてくる

奥歯にひんやりと染みる風の上を

交尾した茜蜻蛉が滑っていく



畳の上に寝転んで

真一文字に身体を伸ばせば

久しぶりの達成感が

身体中を走り回る

心にとって一番の贅沢は

何も考えない秋日和







                 
2000.9.11
作者のHP  http://www.interq.or.jp/rock/nonya/
     Mail      nonya@rock.interq.or.jp









  

       
       ひろゆき



どこを見ても



目を凝らしても



引き下がっても





その単純さ

その明快さ

それなのに

どこまでも曖昧な

雲よ



空を漂う 無限よ







                    
2000.9.10






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