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| P46 | 雇用主は、精神疾患を持つ従業員が働けるように、どこまで援助すべきか? | adjustment :調整、 psychiatric: 精神医学の |
| 1 | イレーヌ・ウォズニィ40歳は弁護士である。彼女はしばしば心の病で 苦しむ。その病とは、自尊心の喪失、集中力の欠如、人生に対する悲観的 な見方を生むもの。物心がついた時には彼女はもうこの病気にかかっていた。 去年、うつ病に対する実験的プログラムがあることを知ったが、参加しようと 思えば、一ヶ月の間毎日1、2時間会社に遅れることになる。彼女は上司と 相談し、残業でそれを補うことで合意した。「この事に理解のある上司 を持ったのは始めてよ」とウォズニィは語る。 | attorney :弁護士、 taxation: 課税,徴税、 every so often :時々、 derail: 脱線する,道から反れる、 chronic: 慢性的な、 depression :うつ病,うつ状態、 self-esteem :自尊心,自負心、 outlook :見通し、 supervisor: 監督者、 strike a deal :取引をまとめる、 make up :埋め合わせをする |
| 2 | そのような理解は決して簡単なことではない。ほとんどの雇用主は なんらかの指標を必要としているのだ。法律では従業員15人以上の 会社は精神的または肉体的障害者を差別することを禁止しているのだが、 多くは車椅子用のスロープを取り付けはするものの、ウォズニィの上司の ような理解は示さない。3月にEEOCが職場における精神障害という、 曖昧模糊とした領域に指針を与えたのはこれが理由である。 指針では、職場の適正に合致しない精神障害者をいかに受け入れるか を説明している。 | enlightenment: 悟り,啓発、 marker: 目印、 disability: 身体障害、 discriminate against :差別する、 impairment: 欠陥、 install: 取り付ける、 wheelchair: 車椅子、 ramp: タラップ、 flexibility :柔軟性,余裕、 guideline: 指針、 navigate: を航行する、 fuzzy: ぼやけた,、 unquantifiable :計量し難い、 arena: 活躍の舞台,土俵、 workplace: 職場、 address :に注意を向ける,を言う、 case law :判例法、 accommodate: 順応する,受け入れる、 qualifications: 適性,能力 |
| 3 | アメリカでは年間10人に1人が精神疾患で苦しんでいることを考えれば、 会社側の利益も膨大だ。指針には法的拘束力はないが、従わなければ リスクを背負うことになるかも。判事は訴訟の際EEOCの分析を 参考にすることがあるから。EEOCへの訴えの13%は精神疾患である。 世論調査では、会社は精神障害者を受け入れるべきだと62%の人が 考えているという。 | diagnosable :の原因を突きとめられた、 stake: 利害、 risky: 危険な、 EEOC :Equal Employment Opportunity Commission,公正雇用機会委員会、 lawsuit: 訴訟,告訴、 so far :これまでは、 level off :横ばい状態になる、 poll :世論調査 |
| 4 | だが、会社側が悩んでいるのは、単なる怠けぐせと精神病の違いが 分からないこと。EEOCの元弁護士が言うには、「これには 落とし穴がたくさんある。性格と病気を見分けるのは会社の仕事となる。 これは心の専門家にとっても難しい仕事なのに、今では工場長の 仕事だ。」雇用争議関連の弁護士ヘンリィ・サベスは、常習的な遅刻 とか、判断力の低さとかは精神疾患に関係すると考えている。 「会社は、こうした勤務能力の低い者に、どれほどの治療を 与えなければならないのか?果てしない訴訟が待っている」とサベス は述べる。 | run-of-the-mill :普通の,並みの、 debilitating: 衰弱させるような、 schizophrenia: 精神分裂症、 fraught: 伴った、 pitfall: 落とし穴、 general counsel :各部門全体を担当する弁護士、 call on :要求する、 make distinctions :わけ隔てする、 enigmatic: 不可解な,謎の、 trait: 習性,特性、 litigation: 起訴,訴訟 |
| 5 | そうした心配は誇張されたものかもしれない。だが、指針に見られる 病気の公開という流れは、訴訟の機会を人々に与えた。例えば、2年前、 うつ病に罹ったある弁護士は、労働時間の短縮と、理解ある上司の下へ の転属を希望。会社が拒否すると訴訟を起こした。裁判所の調停人は、 原告に110万ドル払うよう会社に命令。「ばかげた判決だった」と 会社側の弁護士は言うが、それでもその法律で、会社が「ひどい窮状」 には追い込まれてないと言う。 |
overblown: 誇張された、
tactics :戦術、
seminar: セミナー、
publicity: 周知,評判,公開、
sue: 告訴する、
work week :週労働時間,労働時間、
file suit :訴訟を起こす、
plaintiff: 原告、
arbitrator: 調停者、
federal law :連邦法、
wacky: 気違いじみた,ばかげた、
undue: 過度の 「ひどい窮状」にはなっていらいとは、どうやら法律に強制力がないので、会社は お金を払ってない、ということかもしれません。 |
| 6 | 「指針にまつわる大騒ぎは、法律ができたときの騒ぎを思い出させる。」 「どっと障害者が職を求めるのではと心配されたが、実際には、 従業員が改善を求めただけ」と差別撤廃運動の長であるリア・シゲムラ は言う。これが重要な点である、つまり、職場には既に多くの精神障害者 がいるのである。この法律の趣旨は、問題をオープンにし、取り上げ易く することだ。「指針に沿って問題を解決するなら、訴訟にあわずに 済むだろう」とりー・フェランは語る。 | hype: 誇大宣伝、 affirmative action :差別撤廃措置[運動]、 disabled: 身体障害者になった、 accommodations: 設備,好意、 ADA (Americans with Disabilities Act) :アメリカ障害者法、 stigma: 汚点,不名誉 |
| 7 | スロープを取り付けたり、飲料水の位置を低くするなどのお金をかける のと違って、精神障害者への配慮は、彼らへの見方を改めることも必要だ。 シアーズに報告によれば、1993−1995年にかけて、そのような 事柄に会社は経費を掛けていなかった。学習障害のある者はゆっくりと 仕事をすることができたし、短時間の交代勤務などの便宜がはかられた。 そうした適応費用は障害者一人当たり500ドルもかからず、新たに雇うより はるかに安上りなのである。 | capital intensive :資本集約的、 alteration: 変更、 drinking fountain :水飲み場、 duties: 職務、 affected :《病気などに》冒された |
| 8 | 新薬のお陰で、「予想以上に多くの人々が通常の意味での職場に復帰 できる」とロバート・ドレイクは述べている。彼はダートマス大学の 精神科医で重度の障害者を雇ってきている。ドレイクの面接主任は この職に就く前に20回以上も躁鬱病で入院したことがあった。 クリーニング業のキャサリーン・デュレットも地元の精神病センター 照会で、精神分裂症から強迫神経症にいたるまでの人々を雇っている。 「誰かがちょっとおかしいと思ったら、センターに電話するの。 別にたいしたことじゃないわ。私たちもそんな時があるもの」と彼女は 言っている。 | medication: 投薬,投薬法、 substantially: 十分に、 competitive: 競争力のある、 integrated: 完全な、 wage: 給料,賃金、 psychiatrist: 精神科医、 hospitalized: 入院する、 manic depression :躁鬱病、 ailment: 病気、 schizophrenia :精神分裂症、 obsessive-compulsive disorder :強迫神経症、 med: = medical,医学の,医療の、 off day :調子の悪い日、 out of character :人が変わって,普段の振る舞いと違って |
| 9 | だけど、一般には、「雇用者は精神障害者を扱いたくはないのが 本当のところね。子供の面倒をみたくないのと同じよ」とローラ・ マンクーソは言う。自らの躁鬱病についての本を書いたケイ・ レッドフィールドは、「差別による総体的な影響は何かと言うと、 こうした病気を持つ人達が闇に潜んでしまい、治療を受けないこと。」 雇用者は、結果的にはもっと多くの費用を払うことになるかも しれない。 | mediate: 仲介する,調停する、 psychiatry: 精神医学、 end up :結局〜する羽目になる |
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