A SPECIAL REPORT ON CLONING

A SPECIAL REPORT ON CLONING(3.10.P28.1997)

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今回は SPECIAL REPORT から  カバーストーリーはクローンですね。このニュースが発表されたときは、 誰もが唖然としたことでしょう。これがもたらす影響というのは計り知れません。 一般人が事の重大さを本当に認識するのには、まだまだ時間がかかりそうです。


              語彙は主にFENG5辞書から抜粋

 

大意

語彙

p28 全く普通の身なりで、銀行の行員のような顔をしたフランケンシュタイン が現れるとは誰も予想していなかった。しかし、実際そうなのだ。イアン・ ウィルマットは、マリーシェレーのマッド・サイエンティスト以来初めて、 成体の一部から完全な生命を作った男だ。 show up :〜姿を見せる、 baggy: だぶだぶの、 parka: 毛皮ジャケット、 banal: 平凡な、 benignity: 親切な行為,慈悲、 Mary Wollstonecraft Shelley :(1797-1851) Frankensteinの作者
2 創造主はチノーを着ていた。ウィルマットは似つかわしくないかもしれないが、 彼がやったのだ。6歳の雌羊から細胞核を取り出し、完璧な双生児を 創りドリーと名づけた。 chino :チノー 《軍服・労働服用カーキ色の木綿》、 nucleus: 核,細胞核、 ewe: 雌ヒツジ、 fashion :創り出す(make)、 composite: 合成の,混成の、 dolly: お人形ちゃん
3 ドリーは画期的な生き物だ。細胞核の移転は何回も行われてきており、 技術が画期的というわけではない。科学の発展において画期的なのである。 ドリーは、成体細胞が胚形成期に戻り、新しい完全な生命体になるという 生きた証拠である。こんなことは考えられなかった。 clone: クローン(無性生殖)人間、 epochal :epochの,画期的な、 cataclysmic: 地殻が激変する位の、 transfer :移転,移動、 nuclei: nucleusの複数形,細胞の核、 revert: 戻る,前の状態、 embryonic stage :胚期,胚形成期
4 手足やしっぽを再生できるという、驚異的な再生力のある両生類でさえ こんなことは起こらない。かえるの細胞から生命体を創ろうとしたら どうなるか?「オタマジャクシの段階で死んでしまう胎芽」を得る だろう。 amphibian:両生類、 wondrously: 驚くほど、 regenerative :再生させる、 limb :肢,手足、 organism: 生物,有機体、 quote :引用する、 embryo: 胎芽,胎児,幼虫、 ignominious: 屈辱的な,恥ずべき、 croak: しわがれ声,不吉な予言をする、 tadpole: オタマジャクシ
5 ウィルマットがやったことは?成体のたった一つの細胞から、完璧な 哺乳動物を創ったのだ。神がアダムの肋骨からイブを創って以来、 これほど空想的なことは起こらなかった。 hath :《古・詩・方》 HAVE の直説法三人称単数現在形、 wrought :《古・文》WORK の過去・過去分詞、 mammal: 哺乳動物、 rib: あばら骨,肋骨、 helpmate :協力者,妻
6 それでは、聖書に匹敵するこの進歩にどのような反応があったのだろう? breakthrough: 科学技術の進歩、 biblical :聖書の
7 タイタニック号が沈んだ時には、グラスゴー人が海のもくずとなった、という 見出しが出た。今回の話しは、人類生命を創造という見出しがふさわしいのだが どうなるだろう。ウォールストリート誌の見出しは、クローンで誰がもうけるか(答え:小さな 会社が勝者になるかも)と扇情的に書いてある。アメリカ大統領は 専門家委員会を設けて議論するように要請。 mischievous:いたずら好きの,有害な、 Titanic :タイタニック号 《1912 年処女航海の途中 北大西洋で氷山と衝突して沈んだ英国の豪華客船》、 cash in :もうける
8 ニューヨークタイムズは、クローンの善悪という社説の最後で、 「許容できるものと、それを超えた悪夢とを、我々は区別する必要が ある」と忠告している。 coda: コーダ,(楽曲・楽章)終結部、 editorial :社説,論説、 sort through :分類する,区分けする
9 確かにそうだ。原爆以来の画期的な科学的偉業は賛否をじっくりと考慮しなくて ならない。冗談ごとではないのだ。 portentous: 縁起の悪い,前兆の、 Alamogordo :アラモゴード 《New Mexico 州南部の都市, 2.4 万; 1945 年 7 月世界初の原爆実験が付近の砂漠で行なわれた》、 pro: 賛成、 con: 反対論,反対者
10 間違いなく、賛否の議論は活発になり、ああだこうだと議論をすることだろう。 ウィルマットは、クローンの羊以上に倫理を議論する会議を生み出すだろう。 例え人間の場合であれ、クローンを止めるものはない。 pontificate :もったいぶって話す、 high gear :トップギア,急ピッチ、 spawn: 卵を産む、 ethics :倫理学、 conclave: 秘密会議
11 政治家にわかってないのは、ウィルマットが発見したのは、技術的なことでは なく、新しい自然法則だということ。哺乳類の1個の成体細胞が、 分裂し、特殊化し、年を取るにつれて停止させていた遺伝情報を 全て活性化し、その細胞が新たな生命となりうる、ということ。 not so much A as B :AというよりむしろB、 fire up :始動させる、 dormant: 休止状態の、 instruction: 指令
12 技術を禁止できても、生物学は禁止できない。技術の禁止すら失敗するだろう。 余りに簡単で、同様の実験が可能だからだ。どのような規制も、その実験を 止めさせることはできないだろう。 outlaw: 禁止する、 repeal:取り消し,廃止する、 forbid :を禁じる、 replicable :反復可能な、 FDA :Food and Drug Administration,《米》食品医薬品庁、 NIH :《米》国立衛生研究所,National Institute of Health,国立予防衛生研究所、 FBI :Federal Bureau of Investigation,連邦捜査局
13 なぜって?簡単だからというだけではなく、その利益が計り知れないから。 クローンの研究により、脊髄や心筋や脳細胞がなぜ再生しないのか、 また、癌細胞が胚芽の状態に戻って異様に増殖するのか、という謎への 洞察を与えるかもしれないから。ウィルマットの実験を追試すれば、 こうした病気で、彼が如何にうまくやったか、また、自然のままだと なぜ病気になってしまうのかが解明されるだろう。 potential :可能性のある,潜在的な、 insight: 見識,洞察力、 spinal cord :脊髄、 regenerate :再生する、 revert :前の状態に戻る、 multiply: 増える、 elucidate: 解明する,説明する、 along the way :この先,その途中で、 do right :正しいことをする、 pathology: 病理学、 do wrong :罪を犯す,処置を誤る
14 無論、害悪の可能性も計り知れない。しかし、それも止めることは できないのだ。アメリカで人間へのクローンを禁止したとしても、 モーロー博士の島で発展するだけだから。人間の雑種、クローン軍隊、 奴隷栽培、ハックスレーの小説に出てくるような亜人間、と可能性は 限りがない。 infinitely: 無限に、 Dr. Moreau:H.G.Wellsの作、the Island of Dr. Moreauから、 ghastly: 恐ろしい,青ざめた、 hybrid: 合いの子,混成物,雑種、 hatchery: 孵化場、 sub- :下位,亜の意、 Aldous Huxley :ハックスレー (1894-1963) 《英国の小説家・評論家》
15 だが、クローンが欲しくて待ちきれない、なんてならないように。 人間はこれで十分なのだから。ドリーが保証しているものは、2度目の 人生なんかじゃないのだ。違う心を持ったあなたが人生を送るのである。 どんな親も子供に自分の人生の経験を与えようとする。つまり、 新しいあなたに、自分の全経験を注ぎ込み、育て、第二の存在 であるあなたの肉体を導くのである。 tantalize: じらす、 insensible: 無感覚の、 reproduce: を複製する,を再生する、 endow: 〜に与える,〜を授ける、 accumulate :蓄積する,集める、 flesh: 肉,身,人類,生物
16 どうなるのだろう。全ての時代にアインシュタインを生み出すのか。 それとも、ジェラシックパークとウィリアムズバーグの境界の開拓地 にジェファーソンを生み出すのか。創り出し、育て、そして待つ。 成長した彼を世に送り長年の疑問を尋ねる:今なら、ジェファーソンは どうするだろう? temptation :誘惑,誘惑物、 clearing :開拓地、 Williamsburg :ウィリアムズバーグ 《Virginia 州南東部の都市, 1 万; Virginia 植民地の首都 (1699-1779)》、 nurture: 育てる


 ほんの10年ほど前には絶対不可能とされていたクローン。ウィルマットに よれば、もしその気になれば1、2年で人間のクローンが可能とのこと。 この事件は、科学史上のみならず、人間の歴史にとって、画期的な出来事 であることには間違いないでしょう。果たして、人間とはなにか?という 古来からの疑問を改めて考えさせられます。
13段落の最後の文章は、文の構造がわからなかったのですが、大木さんから メールをいただき、すっきりとしました。感謝します(^o^; 「what=how(古)、that=what=how (古) 」とのことです。 これは思い付きませんでした。
間違ってるところがあるかもしれません。見つけたらメール下さい!

感想などがありましたら、メールを下さいね!!