Hooray for Bill Gates...I Guess

Hooray for Bill Gates...I Guess
(解説 YUKI)

(1.13.1997.P56)

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TITLEは、HOORAY FOR BILL GATES ...I GUESSです。「ビルゲーツ万歳・・・ と、思うけれど」くらいの意味でしょうか。必ずしもBill Gate論と言うわけ ではないようですが、現在の状況を全面的によしとしない作者のスタンスが現 れています。 副題はIn which Mr. Badger advises Mr. Toad to light the candles and read booksです。「アナグマ氏、ひきがえる氏にろうそくを灯して、本を読む ことを勧める」となっています。In whichという表現が文頭に出てくるのはあ まり見たことありません。関係代名詞がいきなりこんな最初に出てくることは あるのでしょうか。この記事では、関係代名詞ではありませんが似たような表 現がもう1箇所あります。 ひきがえるがBill Gatesを(代表とする人々を)、アナグマが作者を表している のはわかります。作者はひきがえるに意味を持たせているようですし、いろい ろニュアンスもあるようですが、私はグリムのひきがえるとお姫さま?」を、 思い出しました。いやなやつ、という意味で使われているのかもしれません が、単に後で出てくる作品の登場人物の性格から来ているのかもしれません。

ALGER AND O.J.


              語彙は主にFENG5辞書から抜粋

 

大意

語彙

P56
 アナグマ氏、ひきがえる氏にろうそくを灯して、本を読むことを勧める hooray: hurrah、万歳、 badger:(動物)アナグマ,しつこく苦しめる、 toad: (動物)ひきがえる,いやなやつ
1  北部ニューヨーク地方に2フィートの雪が降った。しめって、ねばねばしてい て、とても重く、木々が電線の上に倒れ、わが家は3日3晩暗く寒いときを過ご した。私たちは、5枚の毛布と、40ポンドの犬の下に潜り込んで、ランプの明 かりの下で読書した。 犬は暖かいのでしょうか。それともここは単に犬のそばにが、いいかもしれま せん。
upstate:(州内の)田舎 、(特に0New York 州の北部地方、 gluey:粘りつく(sticky)、 weighty: 重い、 farmhouse: 農家、 huddle: 集まる,密集する
2  コンピューターは、もちろん動かなかった。インターネットには、入ることは 出来なかった。私たちは、暗闇の中でろうそくとマッチを手探りし、壁にうつ る自分たちの影を見ていた。 Internetを宇宙に例えて、いろいろ表現していますが、訳しませんでした。
leap: 跳ぶ、 comet: (天体)すい星、 evanescent: (次第に)束の間の、 meteor: いん石,流星、 fumble: 手探りする
3  何週間か前のことだ。わが家が停電になる前、TIMEで仲間の記事を読んでい た。 ("Can Thor Make a Comeback?" Dec. 16、Internetにおける宗教が載 った号ですが、Asia晩には載っていないようです) その中で古代の宗教が Internet上で、活路を見いだしたことが書いてあった。永遠性を求める宗教 が、世間の進歩に遅れまいと努力するということ、つまり神々がいろいろな現 代的装置を使いこなそうとすることは、何か滑稽でアメリカ的だという感じが する。これはStout Cortez症候群とも言うべきであり、車と同じように、次か ら次に最新のものを追い求めるのは、新大陸的習慣である。 Stout Cortezは、メキシコのAztec 王国を征服したスペイン人、Hernado Cortez(Cortes)のことを指しているのでしょう。常に新しいものを求めて、現 状に満足しない人々、自分の価値判断に添わない人々を見下すような人々でし ょうか。Mr. Toadもその仲間なのでしょう。
Thor:(北欧神話)トール(雷・戦争・農業・をつかさどる雷神)、 colleague: 同僚,仲間、 comeback: 復帰,再起、 eternity: 永遠、 scramble: はい登る,奪い合う、 gadget: 機械装置、 stout: 頑丈な,太った、 syndrome: シンドローム,(医学)症候群、 procession: 進行,行列,行進、 revelation: 明らかになること、(キリスト教)啓示,黙示
4  進歩の力学。John Keatの作中で太ったCortes(実際のは太ったBalboaと言う 名前だったが)が見た太平洋は、今や環太平洋(the Pacific Rim)である。かつ てのサンドイッチ諸島はアメリカの州ハワイとなり、男同士の結婚が認められ るところとなった。アメリカのファーストフードは、中国を食いつくすだろ う。地球はグレープの大きさにまで縮んだ。 dynamics: 力学、 beheld: beholdの過去・過去分詞形,見た、 rim: リム,へり,枠,ふち,わく、 gobble: がつがつ食う
5  The Wind in the Willowsの中で、Mr.Toadはジプシーの荷馬車に魅せられた が、すばらしい技術革新の光景、すなわち自動車を見て、変身させられてしま う。ジプシーの馬車は忘れられ、今やがらくたと化す。私たちはみんなMr. Toadじゃないのか。私たちの熱を冷ますために、ここでMr. Badgerの冷静な意 見を聞いてみよう。 The Wind in the Willowsは、Kenneth Grahameの作。イギリスの児童文学の古 典。1908年刊。Mole,Rat,Toad(of Toad Hall),Badgerの4匹の動物が、本来の 動物の習慣は残したまま、人間らしい行動をするお話みたいです。(Merriam webster Encyclopedia of Literature)
willow:ヤナギ,柳、 gypsy: ジプシー、 transform: 変形させる,変える、 innovation: (技術)革新、 motorcar: 自動車、 junk: がらくた、 sobering: 冷めている,冷静な、 mania: マニア,異常な熱意
6  Bill Gates万歳、とは思う。(ずつと昔の)マルコーニのジプシーの馬車であ る電信万歳。大陸横断鉄道は、すばらしく新しい馬車だったが、今では生き残 った野牛や、スー族の話題が出れば思い出すだけだ。アイゼンハワー時代の輝 かしい成果、全国高速道路網?(interstate highway system)は、すばらしかっ た。電動彫刻ナイフも、ファックス機も、70年代のネクタイもヘアカットも、 同様にかつてはすばらしかった。 transcontinental: 大陸横断の、 remnant: 生存者,残り、 buffalo: 野牛,水牛、 interstate: 各州間の、 carving: 彫刻物,彫刻、 haircut: ヘアスタイル
7  過度の刺激、超どん欲、ある種の白痴状態、これら3つのものこそ技術進歩に とりつかれた人々につきまとうものだ。彼らは技術の進歩を、尊敬し神のよう に崇めている。Mr.Toadの冷静な友人、Mr.Badgerは次のように忠告する。
1. すべてのすばらしい技術は遅かれ速かれ時代遅れになる。
2. 技術革新は必ずしもすばらしいとは限らない。
3. 世界は丸く、時間は循環的である。
4. 人間性は変わらないとしても、新奇なものによって傷つけられ、更に悪い ことには屈辱を受けるかもしれない。70年代のネクタイやテレビのように、新 しいものに対して人々が取る愚劣な行動は、いつの時代にも起こりうる。
5. その結果として、退化的進歩という逆説が生じる。テレビは眩惑的な技術 であるが、それによって人々は退屈し、考える力をなくし愚かになってしま う。一種のファースト契約である。そしてInternetにも、同じような不気味な 傾向がある。技術革新の持つ雑多な俗悪さ、その逆説的な死の本能、を信用し ないのもいいかもしれない。新奇なものは、その独創性の中に、自分を滅ぼす 要因を持っているのだ。
難しい段落です。特に5以降のところが。言わんとしているところは、なんと なく分かるのですが。フアースト伝説は有名です。ゲーテとか、マンが作品に していますが、知識とか快楽とかと引きかえに魂を悪魔に売り渡します。
idiocy: 白痴、 stooge: (喜劇役者の)引き立て役,相手の言いなりになる人、 tumble: 転倒する,宙返りする、 technological: 技術の、 theological: 神学の、 killjoy: 興をさます人、 marvel: 不思議に思う、 disposable: 使い捨ての,自由に使える、 circular: 循環する、 humiliate: 恥をかかせる,屈辱を与える、 aura: 雰囲気,オーラ、 imbecility: 低能,愚かさ,ばか[愚か]な言動、 retrograde: 後もどりの,退化する、 dazzling: まぶしい,眩惑的な、 induce: 生じさせる,を引き起こす、 moron: まぬけ,馬鹿,アホ、 ominous: 不吉な,不気味な、 mistrust: 信用しない、 omnivorous: 雑食の、 instinct: 本能、 ingenuity: 独創性、 slay: 殺害する
8  だからといってMr. Badgerはラッダイトではない。彼はただ技術には2面性が あるということを言っているのだ。かつてMr.ToadはCBラジオに夢中になった ものだ。(それが今ではどうだ。誰もが忘れてしまっている) 技術というの は、時として、おろかな結果に終わることがある。過去にすばらしい技術だっ たものが、一瞬のうちに古くなってしまう。グーテンベルクの世界(紙の本の こと)を、見捨てられた墓地のようにしてはならない。それは第2時大戦後、衰 えて消滅するかと思われたアメリカの都市がそんなふうにならなかったのと同 じくらい、確かなことだ。あのとき新しい郊外の楽園を持っていたのに、何故 都市が必要だったのか。誰がそれ以上のものを求めたのか。 ここの最初もNot that...という文で始まっています。普通だったら、使わな い表現のような気がします。
surpass: を超える,しのぐ、 overnight:一夜のうちに、 dynamic: 動的な,力学の、 obsolescence: すたれかけていること、 raveyard: 墓地、 generation: 一世代、 extinction: 消滅,絶滅
9  他の人が行かないところに行くというのが、健全な旅の原則であり、これは 知的歓びにも当てはまる。だから、読書をしよう。コンピュータースクリーン 上で読むテキストではなく、自分の手に持ってその内容の甘美な重さを感じる ような読書をしよう。他の人が読まないような本を、例えば今では誰も読まな いセネカやプルタークの古典を読もう。私は停電中彼らを読んだ。彼らには私 たちが忘れた、ある種の本質的なことがわかっていた。 plunge: 没頭する、 pixel: (コンピュータ)ピクセル、 unread: (書物が)読まれない、 blackout: 停電、 misplace:なくす
10  3日後、私のコンピューターは生き返り、何事もなかったように、元気であ る。シアトルに大雪が降ってくれるように、私は考えていた。Bill Gatesとそ の仲間達(his geek brigades)も、しばらくの間暗闇で過ごし、ランプの火を 灯し、読書に励んでくれればいいと思ったわけだ。 chipper: 元気のよい、 geek: (俗語)変態 、 brigade: 旅団
11  私はそのように思ったわけだが、自然は聖書的過剰反応をしてくれた。太平 洋岸の北西部に、70年ぶりに数日にわたって、大雪が降り、氷、雪解け、洪 水、停電と言う事態になってしまった。私は後悔し始めているところである。 biblical: 聖書の、 northwest: 北西部の,北西地方、 thaw: 雪解け、 rainstorm: (気象)暴風雨、 flood: 洪水,氾濫する
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