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| p36 | 猿人は生き延びて、人類と共存していたかもしれない | homo erectus :【人】 ホモエレクトス, 直立猿人 |
| 1 | 猿人の生活は魅力的なものではなかっただろう。言葉は身振りやせいぜい うなり声ぐらいだし、食事は果物とか、ちょっと調理しただけの動物の肉 だけで、飲み下すのも楽じゃなかった。道具を作る技術も限られていた。 彼らは180万年前に現れ、全世界に広がった。しかしその猿人も人類とは 比ぶべくもない。約20万年前に現代とほぼ同じ人類が現れたが、その後 まもなく猿人は死に絶えた。 | paleontologist :古生物学者 bet :うまくいきそうな方法, 採るべき策 little more than :〜そこそこ,〜にすぎない grunt :ぶうぶう言う声 forage: 食糧をあさる skull: 頭、頭蓋骨 stout: 頑丈な、強い、丈夫な、 flake :薄片にはがす, はげる expanse: 拡張、広がり be no match :〜とは比べ物にならない,〜の敵でない glamorous: 魅力的な Homo sapiens :ヒト anatomically :解剖学的に,構造的に hominid :人類に似た動物; 原人; 人間 |
| 2 | そう思われていたのだが。先週のサイエンスによれば、猿人はそう簡単に 絶滅したのではなさそうだ。ジャワ島に、人類が既に謳歌していた2万7千年 前に、猿人が多く生存していたらしいのだ。 | hanger-on :いそうろう, 長居の客 thriving: 繁栄する |
| 3 | 化石の発掘場所を分析したこの研究は、古生物学会に旋風を巻き起こした。 今や、なぜこの地にだけ猿人が生き残ったかという謎だけでなく、最も ホットな論争をも再び考えざるをえない。それは、人類発祥の地はどこか? また、人類は、いかにして世界に広まったか?というもの。 | tempest: 大嵐、暴風雨、嵐 amber :こはく(地質時代の植物樹脂が地層に埋もれて化石かしたもの) extinct :絶滅した habitable: 住むのに適した stir up :,(問題を)起こす,〜をかきたてる,〜を引き起こす controversy :議論,論争 geochronologist :地球年代学者,地質年代学者 : |
| 4 | 進化を研究するために化石を発掘するものにとって、ジャワ島は最良の場所 である。すなわち赤道近くの気候と、そこがアジアとオーストラリアをつな ぐ橋に周期的になったためである。そこでは、多数の猿人の化石が見付かっ ているが、そのなかでも目を惹くのは頭蓋骨の一部が見つかったことだ。 その頭蓋骨の脳の容量は大きく、10万年から40万年前のものと推定されてい た。猿人としては、発見された中では最も新しいものである。 | countless :無数の periodic: 周期的な、断続的な migratory: 移住する autobahn: ドイツの高速道路,アウトバーン intrigue: 興味をそそる、好奇心をそそる partial: 一部分の、不完全な braincase: 脳頭蓋、頭蓋 radioactive decay :放射線崩壊 uranium :ウラニウム |
| 5 | スウィシャー達は、その骨を直接調べることはできなかったが、現地に 行き、その骨が発掘されたのと同じ地層から動物の歯を掘り出した。 その歯の年代を測定したところ、27、000年から53、000年前のものと判明。 猿人も同じ時代ということになる。 | custodian: 公共物の管理人 unearth: 発掘する stratum: 地層 remains :なきがら,遺体 stun: 唖然とさせる、肝をつぶさせる |
| 6 | その時代に猿人がいた、ということは、現代にネアンデルタール人がいる ようなものである。その発見が発表されたとき、疑いを持たれたのは当然 だろう。「この年代測定は間違っている。化石を機械にほうり込み、 ポンと日付を出した」と古生物学者のジョンは言う。 | anthropological :人類学的 understatement: 控え目な表現 Neanderthal :ネアンデルタール人 skeptics: 懐疑論者 weigh in :(論争などに)割って入る |
| 7 | たとえ同じ場所から見つかったとしても、最初からそこにあったとは 限らない。洪水によって、猿人の化石が若い地層に流されたかもしれ ないのだ。だが、スウィシャーは、化石は保存状態が良く、洪水で あちこちぶつかったはずがない、と反論している。 | wind up :〜に行き着く flooding :出水, 氾濫 fragile: こわれやすい、もろい intact: 無傷で、原型を保って bump :衝突する |
| 8 | 新しい年代測定の結果から、猿人が長く生き延びていたことになるが、 ジャワ島の特徴を考えれば説明は容易だ。最後にアジア大陸から分離 して以来、ジャワ島に住む動物は外部の侵入者から守られていたので あろう。問題はむしろ、このことが人類の進化論に投げかけるものである。 | hold on :持ちこたえる,持続する,待つ take root :根を下ろす,定着する interloper :侵入者 |
| 9 | 古生物学者が認めている説が2つある。1つは「アフリカ発祥説」。 180万年前に猿人がアフリカから移動し始め、ヨーロッパ、中東、 アジアに移住。その後160万年経って、アフリカに人類が現れ、 先行する猿人に取って代わりながら移住した、というもの。2つめは 「多地域発祥説」。猿人に関しては同じだが、人類は猿人から進化した とし、猿人が定住していた多くの地域で発祥したとするもの。 | subscribe: 〜の援助を与える postulate: 仮定する、前提とする、要求する migration: 移住、人口移動 migrate: 移住する、移動する displace: 取ってかわる prehuman :先行人類 precede :先立つ,〜に先行する subsequent: その後の、それに続く take place :起こる emigration: 移住 |
| 10 | 今回の新しい発見はアフリカ発祥説を支持している。多地域発祥説 だと、多地域発祥の進化の波がなぜジャワ島だけ起こらなかったの かを説明しなくてはならないし、まず第一に、古い種と新しい種が 混在している状況では、進化は起こりそうもないからだ。「多地域発祥 説を唱えるものは説得力が必要だろう。極東での頼みの証拠が崩れて いっているから」と猿人の専門家が言っている。 | boost: 応援、後援 contend: 強く主張する give rise to :生み出す overlap: 一部重なり合う do fast talking :言葉巧みに相手を納得させる look to :頼みにする fall away :(支持・偏見などが)なくなる,(支持者などが)〜を見捨てる |
| 11 | アジアで発見された猿人の脳の容量は、時には3分の1ほども変動がある。 これは、古い種が新しい種に単に取って代わられたのではなく、緩やかに 進化した証拠だ、と多地域発祥説を支持するものは反論する。 アフリカ発祥説支持者は、それは単に個人差にすぎないと鼻で笑っている。 | cranial: 頭蓋の capacity :容量 supplant: 〜に取って代わる proponent: 弁護者、擁護者 pass off :受け流す little more than :にすぎない |
| 12 | アフリカ発祥説はこれまでも有力な理論であったが、この発見で さらに支持者を集めそうだ。しかし、多地域発祥説がなくなる気配は なく、むしろ自分たちの説をますます確信しているようだ。「猿人と 人類は同時に存在したはずがない」とデュ・ボスは言うが、今のところ 化石から判断すると、共存したようだ。 | be likely to do :〜しそうである adherent: 信奉者 if anything :むしろ,かえって for now :さしあたり,今のところ |
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