2003JMRC神奈川ジムカーナシリーズ第7戦レポート

[N1クラス]

 N1クラスは、排気量1000cc以下のN車両が参加できるクラスである。
 この日のエントリーは6台。シリーズ上位陣では、ポイントリーダーの中里マーチ、2位の斉藤マーチ、4位の肥塚ヴィッツ、5位の福留ヴィッツ、らが参加している。ポイント次第ではこの日で中里のチャンプ決定の可能性があるが、ライバル斉藤は安定して成績を残してきており、最終戦までもつれ込むことは必至であろう。最終戦を優位に戦うためにもこの第7戦は重要な一戦となることは間違いない。
 まず第一ヒート。ファーストゼッケンからスタートは、スーパーAシードドライバーの佐川ビートだ。第6戦での敗戦がよほど悔しかったのであろうか、久しぶりのジムカーナに熱い思いが蘇っているのであろうか、再び会場に姿を現してくれた。サイドセクションに苦労が見えながらもベテランらしい安心できる走りで58"2というターゲットタイムを樹立し、N1クラスがスタート。これを上回ってきたのはゼッケン55番福留ヴィッツだ。今年から本格的にジムカーナを始めた福留だが、徐々にジムカーナの戦い方を身につけている様子で、58"2と佐川を100分の4秒かわしてトップに立った。足回りの変更にともなう挙動変化に徐々に慣れてきているシリーズ4位の肥塚ヴィッツだが、もう一つタイムを詰めきれず58"9と僅かに届かない。そして、目下中里と激しいチャンプ争いを繰り広げている斉藤マーチがスタート。アベレージ速度をうまく保つ軽量なマーチの特性を生かした走りで、なんと53"1というぶっちぎりのトップタイムを叩き出してきた。これに焦ったのは中里マーチ。最近足を入れて精悍になった中里マーチだが、某PD誌の取材でタイヤを終わらせてしまったらしい。急きょ探し出してきた何年も前のタイヤがもう一つだったとは本人の良い訳だが、55"0とライバル斉藤に大きく遅れをとっての2番手ゴールとなった。
 この結果、第一ヒート暫定トップは斉藤マーチ。2番手には中里マーチが続き、3番手には福留ヴィッツが続いた。
 続く第二ヒート。ファーストゼッケンの佐川ビートがサイドに苦しみながらも57"4で3番手に。しかし続く久保ヴィッツは57"1とこれを上回って3番手でゴール。さらに、第一ヒート3番手から5番手まで落とされた福留ヴィッツが56"9でゴールラインに飛び込み、再び3番手の順位を奪回。続く肥塚ヴィッツもスムースな走りを見せてくるが、最終ターンで詰まってしまい、惜しくも57"5と惜しくも届かない。そして第一ヒート圧倒的なタイムで暫定トップに立っている斉藤マーチがスタート。おにぎりセクションなど、速度を落とさないすばらしい走りを見せなんとタイムを52秒台に入れてくるが、惜しくも最終パイロンを触ってしまう。そして最終ゼッケン中里マーチがスタート。いつもと違うタイヤにも慣れてきたのか、第一ヒートよりもスムースな走りで前半を駆け抜け最終セクションへ。しかし、スラロームのリズムがやや悪かったか、やや詰まりながらゴール。やはり最終セクションのロスが響いたのであろうか、54"7とタイムを上げてくるものの斉藤には届かず2番手で競技を終了した。
 この結果、第一ヒートのタイムで斉藤マーチが3勝目。「ここまでくるとシリーズポイントが気になってきているので、最終戦は頑張りたい」とチャンプ獲得への意欲を見せた。2位には、このところどうしても斉藤に勝てない中里マーチが入り、「毎回大差でやられてしまっているので、最終戦は頑張りたい」と、最終戦での雪辱を誓っていた。そして3位にはうれしい初入賞初お立ち台となったヴィッツの福留が入り、「表彰台でうれしい。上との差がまだまだあるので頑張ります」とコメントを残した。
 このクラスのチャンピオン争いは、ポイントリーダーの中里と、これを5ポイント差で追う斉藤の二人に絞られた。ここまでの戦いの様相から、優勝した方がチャンピオンを獲得する可能性が高い。

2003JMRC神奈川ジムカーナシリーズ第7戦
N1クラス

順位ドライバー型式1st-try2nd-trybest time
1位斉藤 英仁 K11’53”157’57”510(P1)’53”157
2位中里 雅孝 K11’55”087’54”710’54”710
3位福留 英洋 SCP10’58”213’56”964’56”964
4位久保 正敏 SCP10’58”762’57”168’57”168
5位佐川 哲郎 PP1’58”255’57”471’57”471
6位肥塚 紀明 SCP10’58”937’57”502’57”502



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撮影:えんどう
(文中敬称略)
えんどう