2003JMRC神奈川ジムカーナシリーズ第7戦レポート

[さいごに]

 2003JMRC神奈川ジムカーナシリーズ第7戦が終了した。30度を超える猛暑の中、集中を切らさずタイムアタックができるかどうかが、まずは重要なポイントであったかもしれない。また、上位に入ったドライバーらは、この狭い相模湖ながらラインをうまくとり、アベレージ速度をうまく保つ走行をしていたようだ。ビデオ撮影をしていたドライバーは、このあたりを参考にすると良いであろう。

 さて、今回の第7戦が終わり、新たに4クラスでシリーズチャンピオンが決定した。
 まずはCL1クラスの佐藤選手。実力派Jennifer軍団の一人であるが、今年AE86レビンにてCL1クラスに参戦し、参加した6戦中、優勝3回、2位2回、3位1回と、安定した、圧倒的な強さを発揮してのチャンピオン獲得である。佐藤選手の目の覚めるような走りを見たことがあるだろうか?テールを僅かにスライドさせカウンターを当てながらスラロームに進入し、そのGの切り返しでテールを逆に振り次のスラロームをカウンターでよけ、最後のターンまで振り返しながらクリアする技術は、県戦レベルをはるかに超えていると太鼓判を押そう。ハチロクって、こんなに速いんだ、と周囲を勘違いさせるに十分な走りを毎回見せてくれる。
 続いては、CL2クラスの多川選手。ミニでのジムカーナから、こだわりのNAのSW20に数ヶ月乗り、県戦クローズドクラスで並み居るターボ勢を打ち負かした後、今年になってFD3S型RX7に車両を変更。ほとんどノーマル状態で神奈川戦CL2クラスにフル参戦し、7戦中、優勝3回、2位1回、3位3回と、激戦のCL2クラスで圧倒的な強さを見せ、チャンプを獲得した。その若さからは想像も付かない丁寧な運転には目を見張るものがあり、勝負への執念は是非とも勉強にさせていただきたい点である。ここまできたら残すは公認クラスでのチャンピオンではないだろうか?Sタイヤの面白さを是非味わって欲しい。
 そして、N2クラスの木内選手。知る人ぞ知る、ミニの全日本チャンピオンが今年からDC2インテグラに乗り換え、第2戦より神奈川戦に登場。6戦中優勝5回、3位1回という、とてつもない成績でチャンピオンを獲得。もともとはいわゆる峠屋だった木内だが、そういった世界から足を洗う意味でミニに乗り換えたそうだ。しかし、やはり血が騒ぐのであろう、貪欲に速さを追求する公認ジムカーナに足を踏み入れてしまった。実は今年、他県シリーズにもスポットで参戦しているが、負けたことが無いというから驚きだ。是非とも地区戦レベルを早いうちに体験してほしいものだ。
 そして最後は、B2クラスの露木選手。昨年のA3クラスから引き続きB2クラスにSW20型MR2で参戦している露木だが、常に入賞を果たしながらも優勝したことが無かったという、シルバーメダルコレクターの名を欲しいままにしてきた(?)神奈川県シリーズでは超が付くほどの有名ドライバーであるが、第6戦で念願の初優勝を経験し、全7戦中、優勝1回、2位2回、3位2回、4位1回、5位1回と、超激戦のB2クラスにて抜群の安定感でシリーズを制した。穏やかそうな雰囲気とは裏腹に非常にアグレッシブでかつ繊細なドリフトコントロールに定評のある露木だが、かつては練習会番長とも言われていた。ところがこの1ヶ月ほどの間に、東京、神奈川で3勝を挙げ、シルバーメダルコレクターは返上だと騒いでいるようだ。来年度はNクラス参戦を検討しているようであり、パイロンキングとの真っ向勝負が楽しみである。
 そして残すは最終戦の第8戦のみとなった。残る4クラスのシリーズチャンピオンは泣いても笑っても最終戦次第。いかにいつもの自分を作り出せるかどうか、悔いの無いよう頑張ってほしい。また、シリーズ入賞をかけた争いとともに、関東フレッシュマンの甲子園とも呼ばれる、JMRC関東ジムカーナフェスティバルへの出場権をかけた争いも非常に熾烈である。JMRC関東の方針が決定していないらしく、未だクラスごとの参加枠は明らかになっていないが、最後まで気を抜かず戦い抜いて欲しい。

 さて、今回の主催であるが、やはり134台という大量エントリーに主催者はうれしい悲鳴を上げていたようだ。手馴れた主催者だけに、そつなくイベントをこなしていたようだが、その影にはもう一歩の努力を期待する声も多かった。充実したパンフレットやスイカのサービス、三輪車競争やチーム賞の設定など、数多くの工夫やアトラクションがなされていたことはエントラントも感じていたが、その一方で、エントラントの多くが期待するタイムと順位のアナウンスが手薄だったことが指摘されている。大量に集まっているエントラントがたった2本の本番トライで求めているものは、タイムと順位なのだから。どれだけ準備をしてもトラブルは発生するものであろう。大事なことは、それを繰り返さないように努力することだ。折角風通しが良くなっているエントラントと主催者の関係をもっと利用して、より良いイベントとなってくれることを期待しよう。そのためにも、エントラントの皆さんには、是非アンケートに協力して欲しい。これが神奈川シリーズをもっと楽しいイベントにする原動力になるはずである
 アンケートはこちらから。
 最終戦は9月15日に富士Nコースで行われる。早いもので、今年の神奈川シリーズも1戦を残すのみになってしまった。
 エントラントの和やかな雰囲気と楽しそうな笑顔を見ていると、シーズンが終わってしまうことが残念でならないのは私だけであろうか。エントラントと主催者が協力し合って作り上げてきた今年の神奈川県シリーズ。その現場に居られることを存分に楽しんで欲しいと思う。まだ決着の付かないチャンピオン争いを全員で見届け、クラスを超えてお互いの健闘を称えあって欲しい。ここで生まれた友情、そして仲間が、後々のジムカーナ人生で大きな意味を持つことは間違いないからだ。





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撮影:えんどう
(文中敬称略)
えんどう