2003JMRC神奈川ジムカーナシリーズ第6戦レポート

[はじめに]

 7月28日、富士スピードウェイNコースにて2003JMRC神奈川ジムカーナシリーズ第6戦が開催された。

 ここまで5戦が終了し、その平均参加台数は130台を超えるという、実に昨年の2倍強のエントリーを集めている今年の神奈川シリーズであるが、今回の第6戦も富士スピードウェイのレース日程の変更により急きょ2週間ほど日程が変更となってしまったにもかかわらず137台という大量エントリーを集めた。
 昨年最終戦から数えると、実に7戦連続で100台オーバーのエントリーを集めているせいか、137台というエントリー台数にもそれほど驚かなくなっている方も多いようだが、これとて驚くべき数字である。参加台数が多ければ良いというものでもないであろうが、エントラントの注目度を計る一つの指標になっていることは間違いない。これに驕らず主催者とエントラントが楽しく協力し合っていくことが継続的な盛り上がりにつながることであろう。

 さて、全8戦で行われる神奈川県シリーズも今回で6戦目を迎え、そろそろ終盤に差し掛かろうというところである。実は、今回の成績次第ではシリーズ争いが行われている全10クラス中、6クラスでシリーズチャンプが決定するという可能性を秘めている。恐らく、各クラスのポイントゲッターらはお互いのポイントを毎晩のように計算し、その可能性を模索していることであろう。逆転には優勝しかないと意気込むもの、入賞圏内をキープすれば圧倒的なアドバンテージが得られるという目算があるもの、さまざまな思惑が絡む中、そのプレッシャーを味方に付けられるかどうかが勝負の明暗を分けるかもしれない。

 コース設定は、全日本トップドライバーの壺坂選手が行った。今回は、超高速型のドライコースと安全面を重視したウェット用コースが準備されていたが、予想外に梅雨明けが遅れ、この日も朝から雨がぱらついていたため、主催者は断腸の思いでウェットコースを選択したようだ。つい数年前まで全日本戦を自ら走っていた競技長としても、出来るだけ長い走りがいのあるコース設定をしてあげたいと予てから話していたが、タイスケの遅れによりエントラントに迷惑をかける訳には行かない、という考えに基づく勇気ある判断であったと感じる。
 ウェット用コースとは言え、今回は富士の特徴を生かしたかなりハイスピードな気持ちよく踏めるコースとなっている。その一方で、一見普通に見えるが、気持ちよく攻めてしまうとタイムが詰まらないという、サイドターンを駆使したテクニカルとは異なる、言わば高速テクニカルコースとでも言えるコース設定となっていた。

 コース攻略のお手本走行となる試走には、今年はお馴染みの顔ぶれとなった全日本選手権と地区戦のNクラスを追うドライバーが揃い、DC2型インテグラの昨年度神奈川A3チャンプ梅澤選手、今回はある思惑の下FD3S型RX-7を持ち込んだパイロンキング壺坂選手、CT9A型ランサーエボ8の昨年度神奈川A4チャンプ三間選手、CP9A型ランサーエボ6の遠藤選手らが努めた。これまでと同様、梅澤選手と三間選手、遠藤選手の3人は、クローズドクラスのドライバーにも参考にしてもらえるよう、慣熟走行前の試走をレギュラータイヤを用いて行い、第一ヒート及び第二ヒート前の試走をSタイヤで行った。地区戦では観客が唸る様な数cmオーダーのパイロンワークを見せ付ける壺坂選手が、この試走ではそれを超える領域まで攻め込んでいる事実にエントラントの皆さんはお気づきであろうか。

 朝方ぱらついた雨は次第に上がったため、慣熟走行中に路面は完全ドライへと変わり、第一ヒート、第二ヒートともにドライコンディションの中、第6戦が行われた。






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撮影:えんどう
(文中敬称略)
えんどう