2003JMRC神奈川ジムカーナシリーズ第6戦レポート

[CL2クラス]

 CL2クラスは、排気量1601cc以上の2輪駆動車両が参加できるB車両のクラスで、ライセンス不要のクラスである。また、タイヤにも制限があり、通称Sタイヤと呼ばれる競技用タイヤの使用が制限され、レギュラータイヤオンリーのクラスとなる。
 今回のエントリーは大量21台。この圧倒的な人気を誇るこのCL2クラスには、シリーズ上位陣ではトップの多川RX-7、2位の中村MR-2、3位の山村シビック、4位の吉田MR-2、5位の加藤インテグラ、6位の野島RX-7、らが参戦している。
 まず第一ヒート。ファーストゼッケンの伊藤MR-2が、いきなり1'03"1というとんでもないタイムを叩き出し、CL2クラスがスタート。しばらくタイムが硬直した中、ゼッケン25番戸塚シルビアが1'06"5の好タイムで2番手に入ると、続く西新MR-2が1'06"1と戸塚のタイムを上回って2番手でゴール。さらに続く石川MR-2は1'05"9と西新を上回り2番手に。S14型シルビアを駆る鈴木は気持ちよくドリフトしながらパイロンを触ってしまうが、グロスのタイムでは1'05"3が出ていただけに悔やまれる結果となった。シリーズ6位につけるFD3S型RX-7の野島はミスコース。シリーズ5位の加藤インテグラは1'06"5で5番手。第5戦で見事な優勝を遂げた吉田AW11MR-2は非常に丁寧な走りで1'04"8と2番手でゴール。シリーズ3番手につける山村シビックは、練習会で見せる潔さが影を潜めどうもリズムに乗り切れないようだ。ラス前ゼッケンの中村MR-2は1'05"7で3番手でゴールすると、最終ゼッケン多川RX-7がスタート。このところ走りに悩みがあるようだが、1'04"1の好タイムで2番手でゴールした。
 この結果、第一ヒートは、伊藤MR-2がトップ。続いて多川RX-7、吉田MR-2、中村MR-2、石川MR-2、西新MR-2、という暫定結果となった。
 続く第二ヒート。第一ヒートぶっちぎりのトップタイムをファーストゼッケンから叩き出した伊藤MR-2が、車を前に押し進める見事な走りで、なんと1'02"2と、さらに自己のタイムを0.8秒程上げてゴール。2番手に2秒近いアドバンテージを稼いで後続を待つことに。上位陣に割って入るドライバーが現れない中、ゼッケン22番の佐藤シルビアが1'06"0の好タイムをマークし6番手に入ると、第一ヒートミスコース判定に終わっていた久継シルビアが1'05"7と5番手タイムをマーク。第一ヒート6番手から8番手まで順位を下げている西新MR-2は僅かにタイムダウン。一方順位を一つ下げ6番手となっている石川MR-2は1'05"8とタイムを僅かに上げてくるものの順位に変動なし。第一ヒートで4番手相当タイムを出しながらパイロン判定に沈んでいた鈴木S14シルビアは派手なドリフトを控えベテランらしいうまい走りで1'04"1でゴール。2番手にジャンプアップ。さらに第一ヒートミスコース判定に終わっている野島RX-7は、速度の乗るセクションを元気に走り切り、1'04"2と4番手に食い込んだ。シリーズ5番手につける加藤インテグラだが、どうもリズムが合わず、タイムをダウンさせ、今回はポイント圏外に終わってしまう。第一ヒート3番手から2つ順位を下げている吉田AW11型MR-2は、Gをうまく使いながら丁寧な攻めを見せ、1'04"2とタイムをあげてくるが僅かに野島には届かず5番手のままゴールとなった。シリーズ3番手の山村シビックはどうも迷いがあるのか、シーズン序盤に見せた潔い走りが影を潜め1'06"2とポイント圏外に終わってしまう。第一ヒート4番手から6番手まで順位を下げている中村MR-2は、うまく車を動かしタイムをあげてくるが、吉田のタイムには及ばず6番手のままゴールとなった。そして最終ゼッケンの多川RX-7がスタート。いろいろな迷いを自ら断ち切ろうと気合の入った走りを見せ、1'03"7とタイムをあげてきたかに思われたが、惜しくもパイロンタッチの判定。3番手のまま競技を終了した。
 この結果、優勝はMR-2の伊藤。MR-2初イベントでぶっちぎりの優勝劇を見せた。「試走の梅澤選手に勝ててうれしい」との言葉どおり、B2クラスでも10番手相当、N3クラスでも5番手相当のとてつもないタイムでの優勝はすばらしいの一言である。2位には、第4戦に続く2位となったS14型シルビアの鈴木。慣熟走行では大ドリフト走行を見せ、第二ヒートにはきっちりタイムを残してくるベテランらしい走りを見せた。3位にはポイントリーダーの多川RX-7が入り、シリーズチャンプに大手をかけた。4位には第一ヒートのミスコースから見事這い上がってきたRX-7の野島が入り、前回優勝のAW11型MR-2を駆る吉田が、広い富士Nコースをうまく走りきり5位に。6位にはシリーズ2番手の中村MR-2が入り、多川のチャンプ獲得に待ったをかけた。
 このクラスのチャンピオン争いは多川RX-7と中村MR-2の二人に絞られている。ポイント上は圧倒的に多川が有利な状態となっており、あと1ポイントで多川のチャンプが決まる。奇跡の逆転劇は起こるのか?第7戦に注目である。


2003JMRC神奈川ジムカーナシリーズ第6戦
CL2クラス

順位ドライバー型式1st-try2nd-trybest time
1位伊藤 史顕 SW201'03"1391'02"2981'02"298
2位鈴木 靖也 S141'10"354(P1)1'04"1181'04"118
3位多川 潤 FD3S1'04"1901'08"727(P1)1'04"190
4位野島 範雅 FD3SM.C.1'04"2021'04"202
5位吉田 仁 AW111'04"8371'04"2681'04"268
6位中村 信彦 SW20改1'05"7231'04"6081'04"608
7位久継 悟史 S15M.C.1'05"7451'05"745
8位石川 豊太郎 SW201'05"9661'05"8501'05"850
9位佐藤 新一 S151'07"1641'06"0301'06"030
10位西新 貴人 SW201'06"1621'06"2251'06"162
11位山村 哲也 EK9改1'07"9711'06"2861'06"286
12位戸塚 亮伸 S151'06"5801'06"4061'06"406
13位加藤 秀樹 DC21'06"5851'07"9061'06"585
14位鈴木 裕 Z331'08"0621'07"2871'07"287
15位箕輪 賢二 FD3S1'07"4751'08"4681'07"475
16位加藤 祐司 FD3S1'07"8771'08"2631'07"877
17位佐々木 悟 DC21'07"9821'16"648(P2)1'07"982
18位杉山 瞳 S151'16"575(P1)1'09"4301'09"430
19位本田 雅也 FD3SM.C.1'10"7191'10"719
20位熊井 理絵 RPS131'11"843M.C.1'11"843
21位古谷 高洋 NA8C1'15"0841'32"1931'15"084



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撮影:えんどう
(文中敬称略)
えんどう