2003JMRC神奈川ジムカーナシリーズ第6戦レポート
[B2クラス]
B2クラスは、排気量1601cc以上の二輪駆動車両が参加できるB車両のクラスである。この日のエントリーは最大の26台を集めた。上位陣では、ポイントリーダーの田口インテグラ、2位の露木MR2、3位穂谷野インテグラ、4位小川MR-2、5位石黒インテグラ、6位鈴木シルビアらが揃って参戦している。
まず第一ヒート。ダブルエントリーのためファーストゼッケンスタートとなった秋葉MR-2が1'02"7の好タイムでゴールし、B2クラスがスタート。序盤から好タイムを出してきたのはゼッケン102番の村松MR-2だ。以前は地区戦や全日本戦のA3クラスを走っていた超実力派ドライバーである。1年ぶりのジムカーナらしいが、車の動かし方はさすがとしか言い様が無い。N車両ながら、1'00"3というタイムを叩き出し、トップに立った。その後、ゼッケン112番の萩原MR-2が1'01"4で2番手に食い込むと、続く元全日本仕様のインテグラを駆る清水が1'02"9で4番手に。さらに続く地元Nスペ渡辺MR-2が1'01"0で2番手に入ると、ベテランの鈴木シルビアが絶妙のパイロンワークを見せ、1'02"3と4番手でゴール。第4戦の富士Nラウンドで優勝を遂げている石黒インテグラの走りに注目が集まる中、1'01"1の3番手タイムを出してくるものの、最終のパイロンを僅かに触ってしまう。今回より新兵器を投入している小川MR-2は1'01"3と3番手でゴール。続く前回優勝の穂谷野インテグラは、徐々に調子を取り戻している感があり、1'01"1と3番手タイムでゴール。そして、無冠の帝王靴失くすなよ露木MR-2がスタート。先週行われた東京戦では見事県戦初優勝を遂げ、気をよくしているが、恐らくライバルらはこの激戦の地元神奈川で勝たないと認めてくれないことであろう。露木本人も神奈川で勝ちたいはずだ。そんな自信とプレッシャーが織り交ざる中、前半セクションをスムースにクリアし、中間をベストラップで通過。そのままのリズムで後半セクションもミス無くこなし、このところ意識しすぎで鬼門となっていたターンセクションもうまくクリアしてゴールラインを通過。タイムはなんと1分を切る59'8を叩き出し、トップに立った。これに対し、ポイントリーダー田口が待ったをかけたいところ。このところ、もったいない凡ミスで結果を残せないイベントが続いているポイントリーダー田口がスタート。やや自信を失っているのか、はたまたそれ以外の要因か、シーズン序盤で見せたキレが少し鈍っている感がある。それでも1'01"5を出してくるが、なんとパイロンタッチの判定に終わってしまう。ダブルエントリーの関係でラス前ゼッケンに回った森本MR-2は1'02"9で10番手に。そして最終ゼッケンとなった内田文則ロードスターは非力なマシンながら1'03"4と健闘し、12番手でゴールとなった。
この結果、第一ヒートトップは、今回こそ勝てるか露木MR-2。そして2番手にはN車両ながら村松MR-2が続き、以降、渡辺MR-2、穂谷野インテグラ、小川MR-2、萩原MR-2という暫定結果となった。
続く第二ヒート。まずファーストゼッケンの秋葉MR-2が1'01"7と自己のタイムを大きく更新し、順位を上げてくるが、入賞ラインには一歩届かず7番手。その後、第一ヒート13番手の遠藤シルビアが、1'02"9とタイムを上げ、ポイント圏内の10番手に食い込むと、第一ヒート2番手につける村松MR-2がスタートするが、やや走りが荒くなってしまったか、タイムを落とし、2番手のままで後続を待つ。その後、ゼッケン107番重田MR-2が1'02"9で10番手に。さらに、ゼッケン110番モハ壁田AE86スーパーチャージドレビンが1'02"8で9番手に入るという、ポイント圏内をかけた熾烈な争いが繰り広げられる。第一ヒート6番手の萩原MR-2は自己のタイムを僅かに落とし6番手のまま。中間まで良いタイムで抜けていた清水インテグラは痛恨のスピン。第一ヒート3位と好位置につけている地元Nスペ渡辺MR-2は1'00"8と自己のタイムを上げてくるが、順位は変わらず3番手のまま。ベテランのマサ兄こと鈴木シルビアは珍しく自己のタイムをダウンさせてしまう。第一ヒートパイロンタッチで沈んでいるアイスマン改めありんこ石黒インテグラはターボ車有利と思えるコースですばらしい流れるようなターンを見せ、1'00"6で3番手に大きくジャンプアップ。順位を一つ下げている小川MR-2はタイムをダウンさせてしまい、続く、穂谷野インテグラも、第一ヒートとほぼ同等のタイムでゴールするが、パイロンタッチの判定で順位は5番手のまま。そして第一ヒートトップの露木はアドバンテージを広げておきたいところ。やはり東京戦での勝利が精神面で何かを変えたのか、自己のタイムをさらに上げ、59'7でゴールするが、どこかでパイロンを触っていたらしい。第一ヒートのタイムで勝利への望みをつなげる。そして続くのはポイントリーダーの田口インテグラ。第5戦でのノーポイントに加え、第一ヒートはパイロンタッチに沈んでおり、ここは落とせないはずだ。ポイントリーダーながらさまざまなプレッシャーを抱えてスタート。観客が見守る中、台形を戻った後、何がおこったのだろう。そこにはバックギアを使う田口の姿が・・・。この瞬間に田口の連続ノーポイントが決定した。ラス前ゼッケンの森本MR-2は自己のタイムを大きく上げ、1'02"0で9番手に順位を上げてゴール。最終ゼッケンとなった内田文則ロードスターは残念ながらタイムダウンに終わってしまった。
この結果、無冠の帝王、シルバーメダルコレクターと呼ばれ続けた、露木MR-2がうれしい神奈川戦初優勝。昨年のA3クラスから今年のB2クラスを通して、一度も入賞を逃したことが無いという圧倒的な安定感を誇っていたことをご存知であろうか?そう、相模湖、富士N、浅間台、いずれのコースでもドライでもウェットでも、この激戦クラスにて常に入賞を繰り返してきたのだ。一度も勝てなかったのは不思議としか言い様が無い。この勝利によってシルバーメダルコレクターの汚名は返上されることになったが、靴は失くさないこと。表彰台では「青汁を飲み続けて1年半、やっと例の言葉を発することができます」とうれしそうに語り、やっぱり自らも青汁を飲んでいた。そして、N車両のMR-2ながら2位に入ったのは、村松。1年ぶりのジムカーナとは思えない格の違いを見せ付けた走りであった。そして3位には第一ヒートのパイロンペナルティから這い上がってきたインテグラの石黒が、NA車両最上位に入った。4位には地元Nスペの渡辺MR-2が、5位には前回の第5戦で優勝しているインテグラの穂谷野が、6位にはやはり地元勢の小川MR-2が入った。
今期前半2連勝を含む4連続入賞で首位を独走していた田口であったが、この第5戦、第6戦と連続ノーポイントに終わったことから、着実にポイントを重ねる露木がポイントリーダーに立ったようだ。しかし、有効ポイント制を採用していることから、まだ田口が若干有利な状況と言える。また、この混戦のB2クラスでは、首位の露木以降、田口、穂谷野、小川、石黒、までがシリーズチャンプの可能性を秘めている。結果次第では次の第7戦でチャンプ決定の可能性もあるが、恐らく最終戦までもつれ込むことは必至であろう。
2003JMRC神奈川ジムカーナシリーズ第6戦
B2クラス
順位 | ドライバー | 型式 | 1st-try | 2nd-try | best time |
1位 | 露木 康敬
| SW20 | 0'59"842 | 1'04"717(P1) | 0'59"842 |
2位 | 村松 昌企
| SW20 | 1'00"374 | 1'01"350 | 1'00"374 |
3位 | 石黒 俊美
| DC2 | 1'06"138(P1) | 1'00"641 | 1'00"641 |
4位 | 渡辺 博
| SW20 | 1'01"058 | 1'00"896 | 1'00"896 |
5位 | 穂谷野 浩
| DC2 | 1'01"182 | 1'06"185(P1) | 1'01"182 |
6位 | 小川 秀樹
| SW20 | 1'01"399 | 1'01"452 | 1'01"399 |
7位 | 萩原 直樹
| SW20 | 1'01"422 | 1'01"694 | 1'01"422 |
8位 | 秋葉 清志
| SW20 | 1'02"744 | 1'01"792 | 1'01"792 |
9位 | 森本 泰弘
| SW20 | 1'02"998 | 1'02"082 | 1'02"082 |
10位 | 鈴木 正彦
| S15 | 1'02"371 | 1'02"406 | 1'02"371 |
11位 | モハ 壁田
| AE86 | 1'04"120 | 1'02"858 | 1'02"858 |
12位 | 清水 淳弘
| DC2改 | 1'02"902 | 1'08"147 | 1'02"902 |
13位 | 重田 英人
| SW20 | 1'03"081 | 1'02"935 | 1'02"935 |
14位 | 遠藤 正人
| S14 | 1'03"470 | 1'02"990 | 1'02"990 |
15位 | 葛西 悠治
| S15 | 1'03"476 | 1'03"076 | 1'03"076 |
16位 | 仁田 達雄
| SW20 | 無効 | 1'03"416 | 1'03"416 |
17位 | 内田 文則
| NB8C | 1'03"445 | 1'04"008 | 1'03"445 |
18位 | 大森 教員
| AP1 | 1'05"529 | 1'03"925 | 1'03"925 |
19位 | 石垣 純一
| S15 | 1'04"464 | 1'03"958 | 1'03"958 |
20位 | 星野 浩一
| S15 | 1'04"043 | 1'05"568 | 1'04"043 |
21位 | 前山 誠
| ER34 | 1'04"413 | 1'10"032(P1) | 1'04"413 |
22位 | 内藤 隆幸
| DB8 | 1'04"797 | 1'04"693 | 1'04"693 |
23位 | 木村 英亮
| S15 | 1'15"217(P2) | 1'05"029 | 1'05"029 |
24位 | 藤岡 寛泰
| SW20 | 1'09"365(P1) | 1'05"568 | 1'05"568 |
25位 | 田口 紀昭
| DC2 | 1'06"598(P1) | 1'06"837 | 1'06"598 |
26位 | 内田 純子
| NB8C | M.C. | 1'09"844 | 1'09"844 |
-- | 門脇 誠
| FC3S | --- | --- | --- |
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撮影:えんどう
(文中敬称略)
えんどう