2003JMRC神奈川ジムカーナシリーズ第5戦レポート
[N4クラス]
N4クラスは、排気量1001cc以上の四輪駆動N車両が参加できるクラスである。この日のエントリーは7台。上位陣では、シリーズトップの廣岡エボ7、2位の石田インプレッサ、3位の山下インプレッサ、5位の酒井インプレッサらがエントリーしている。
まず、第一ヒート。地区戦にも参戦している元千葉チャンプの豊田インプレッサがファーストゼッケンから45"6の好タイムでターゲットタイムを樹立し、N4クラスがスタート。その後、梅沢エボ6が要所をまとめながらも元気な走りを見せ、44"6というタイムを叩き出し、トップに立った。シリーズ3番手につける山下インプレッサはこのところみるみる走りが安定しており、45"5で2番手に食い込むと、前回の第4戦で見事優勝を飾っている石田インプレッサが45"2で山下をかわして2番手に。そして最近フロントデフを組んだばかりで動きにまだ戸惑いがあるという、最終ゼッケンの廣岡エボ7がスタート。石田との熾烈なシリーズ争いを象徴するかのような45"3という石田とほぼ同等のタイムでゴールし、3番手に食い込んだ。
この結果、第一ヒート暫定トップはエボ6の梅沢。続いて石田インプレッサが2番手。以降、廣岡エボ7、山下インプレッサという暫定結果となった。
続く第二ヒート。ファーストゼッケンの豊田が元シードドライバーらしい走りで44"2のタイムを叩き出し、梅沢をかわしてトップに立つと、一方の梅沢が「今回もダメかもしれない」と弱気な気持ちを押し隠すようにしてスタート。その気持ちを表すかのように8の字セクションでミスをするが、かえってそれで落ち着いたのか、以降は車をうまく前に進める走りを見せ、44"0というB3クラスでも2番手に相当するタイムで見事な逆転劇を見せた。力の入った山下インプレッサは中盤までをうまく走るが最終ターンでタイムを落としてしまい、なんとか食らいつくために必死にコース攻略を考える石田インプレッサも、最終セクションでのミスが響き、タイムを44秒台に入れてくるのがやっとで、豊田にも届かず3番手。そして最終ゼッケンの廣岡エボ7がスタート。「優勝以外いらない」、と言い切るその気迫が走りに伝わり、中間は梅沢を上回るベストで通過。観客が固唾を呑んで見守る中、最終セクションの左ターン直後、振り返し気味に狙った攻めの右ターンが返し切れず、大きくグリップでゴールとなった。
この結果、まだクラッチもノーマル、公式戦経験も未だ10戦程度というエボ6の梅沢がB3クラスでも2位に相当する立派なタイムで初優勝。「ようやく勝ててうれしいです」とのコメントを残した。そして2位には、元千葉チャンプの豊田インプレッサが入り、この微妙な順位に「もう一回来よっかな」というコメントを残していた。そして3位には廣岡と熾烈なポイント争いを繰り広げているインプレッサの石田が入り、徐々に上がっているN4クラスのレベルに驚きを隠せない様子だ。そして4位には廣岡エボ7が入ったが、「優勝以外いらない」と見せた攻めの走りは決して無駄にはならないだろう。
2003JMRC神奈川ジムカーナシリーズ第5戦
N4クラス
順位 | ドライバー | 型式 | 1st-try | 2nd-try | best time |
1位 | 梅沢 考志
| CP9A | 0'44.620 | 0'44.059 | 0'44.059 |
2位 | 豊田 正彦
| GDB | 0'45.623 | 0'44.264 | 0'44.264 |
3位 | 石田 理
| GC8 | 0'45.280 | 0'44.815 | 0'44.815 |
4位 | 廣岡 隆宗
| CT9A | 0'45.362 | 0'46.834 | 0'45.362 |
5位 | 山下 孝治
| GC8 | 0'45.562 | 0'46.900 | 0'45.562 |
6位 | 酒井 剛
| GDB | M.C. | 0'46.330 | 0'46.330 |
7位 | 端山 信雄
| GD8 | 0'48.668 | 0'49.230 | 0'48.668 |
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撮影:かんとく
(文中敬称略)
えんどう