2003JMRC神奈川ジムカーナシリーズ第5戦レポート
[N1クラス]
N1クラスは、排気量1000cc以下のN車両が参加できるクラスである。
この日のエントリーは6台。関東地区戦を越える台数が集まっており、徐々に注目を集めているようだ。その中でポイントリーダーを走るのが、PDでもお馴染み中里マーチだ。この中里マーチに対し、前回優勝の斉藤マーチや、シリーズ5位の肥塚ヴィッツに加え、今回は元全日本チャンピオン、スーパーAシードドライバーの佐川ビートがエントリーしており、興味深い戦いとなりそうだ。
まず第一ヒート。注目のスーパーAシードドライバー佐川ビートからN1クラスがスタートとなった。CL3クラスのハイパワー競争から一転して軽量小排気量車の戦いとなるため、一見迫力に欠けるような錯覚に陥るが、そのパイロンの寄りや車の動かし方は必見である。まずは52"8の好タイムでターゲットタイムを樹立してきた。ここから続くヴィッツ勢は、ターンセクションがややきついようで佐川のタイムに近づけないが、その中では福留ヴィッツが好タイムを出しており、54"7で2番手につける。そして前回第4戦で優勝した斉藤マーチがスタート。これが見るからにスムースな走りで、難易度の高い傾斜のついた路面に対し非力なマーチをうまく動かして、なんと49"0というぶっちぎりのトップタイムを叩き出してきた。これに焦ったのはポイントリーダーの中里マーチだ。PD誌上での特訓の成果か、1戦毎に車をうまく動かせるようになっており、51"6の2番手タイムを出してくるが、焦りからかパイロンを触ってしまい、沈んでしまう。
この結果、第一ヒート暫定トップは斉藤マーチ。続いて佐川ビート、福留ヴィッツの順となった。
続く第二ヒート。第一ヒート2番手に甘んじている、往年の名ドライバー佐川ビートがスタート。走るたびに感覚を思い出しているのであろう、自己のタイムを詰め、52"0を出してくるが順位は変わらず2番手のまま。そしてヴィッツ勢がターンに苦しみタイムを上げられない中、ジムカーナを始めて間もない福留ヴィッツが53"6と自己のタイムをきっちり詰め3番手をキープ。そして第一ヒートぶっちぎりのトップタイムを出している斉藤マーチだが、見るからに速い、さらに切れのある走りで自己のタイムを更新し、48"3とトップを不動のものにしてゴールとなった。一方の最終ゼッケン中里マーチだが、第一ヒートタイムを残せてないプレッシャーとライバル斉藤の好タイムに、相当なプレッシャーを受けてのスタートとなった。8の字セクションこそミスがあったが、全体としてうまくまとめ、51"0とタイムを残し、2番手でゴールとなった。
この結果、第一ヒート、第二ヒートともにぶっちぎりのタイムを叩き出した斉藤マーチが、第4戦に続く2連勝。「神奈川がますます盛り上がってきているので、協力したい」とのコメントを残した。そして2位には、第一ヒートの最下位から見事復活を果たしたポイントリーダーの中里マーチが入ったが、斉藤とのタイム差に呆然とした様子であった。そして3位には、注目のスーパーAシードドライバー佐川ビートが入ったが、相当悔しかったことであろう、再挑戦を決心していたようだ。
2003JMRC神奈川ジムカーナシリーズ第5戦
N1クラス
順位 | ドライバー | 型式 | 1st-try | 2nd-try | best time |
1位 | 斉藤 英仁
| K11 | 0'49.055 | 0'48.382 | 0'48.382 |
2位 | 中里 雅孝
| K11 | 0'56.648(P1) | 0'51.045 | 0'51.045 |
3位 | 佐川 哲郎
| PP1 | 0'52.882 | 0'52.085 | 0'52.085 |
4位 | 福留 英洋
| SCP10 | 0'54.798 | 0'53.673 | 0'53.673 |
5位 | 久保 正敏
| SCP10 | 0'54.820 | 1'05.728 | 0'54.820 |
6位 | 肥塚 紀明
| SCP10 | 0'56.070 | 0'57.195 | 0'56.070 |
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撮影:かんとく
(文中敬称略)
えんどう