2003JMRC神奈川ジムカーナシリーズ第5戦レポート

[CL2クラス]

 CL2クラスは、排気量1601cc以上の2輪駆動車両が参加できるB車両のクラスで、ライセンス不要のクラスである。また、タイヤにも制限があり、通称Sタイヤと呼ばれる競技用タイヤの使用が制限され、レギュラータイヤオンリーのクラスとなる。
 今回のエントリーは第4戦同様大量23台。この圧倒的な人気を誇るこのCL2クラスには、シリーズ上位陣ではトップの多川RX-7、2位の山村シビック、3位の中村MR-2、5位の鈴木シルビア、6位の加藤インテグラらが参戦している。
 まず第一ヒート。ファーストゼッケンの安達シルエイティが、51"2という好タイムでゴールし、CL2クラスがスタート。インテグラが連続してスタートするがタイムを伸ばし切れない中、新型Zなども登場し注目を集めるこのCL2クラス。タイムを大きく更新してきたのはゼッケン32番の佐藤シルビアだ。48"4でトップタイムを更新してきた。そしてこれを上回ってきたのはFD3S型RX7を駆る佐藤。48"3と佐藤シルビアを僅かにかわしてトップに立つと、続いてスタートしたのは横田の主、吉田AW11型MR2だ。コンパクトかつヌメヌメと車を前に進める見事な走りを見せ、最終セクションは最大難易度とも言えるラインを選択して見事にクリア。なんと46"6というぶっちぎりのタイムを叩き出してきた。ゼッケン39番の野島RX7はやや攻めあぐねながらも48"9で4番手に立つと、続く戸塚シルビアは49"6で5番手に。さらに、第4戦では3位に入っている西新MR2が49"9で6番手に入り、続くNAシルビアを駆る和田が49"6で5番手に食い込むという目まぐるしい展開が続く。第4戦では2位に入ったベテランの鈴木S14シルビアは、48"8と慣熟走行タイムには及ばないながらも4番手に食い込むと、続くシリーズ3位の中村MR2が47"5で2番手タイムを叩き出してきた。シリーズ2位につける山村シビックはどうも迷いがあるらしく、罠にはまってしまいタイムを残せない。そして最終ゼッケン、目下2連勝中の多川RX7がスタート。リアデフを組んできたという新スペックのマシンをうまく動かすが、やや消極的になってしまったか、47"1という好タイムを出すものの、吉田には届かず2番手でゴールとなった。
 この結果、第一ヒートは、吉田MR2がトップ。続いて多川RX-7、中村MR2、佐藤RX7、佐藤シルビア、鈴木シルビア、という暫定結果となった。
 続く第二ヒート。攻めれば攻めるほど難易度を増すこのコースに大半のドライバーがタイムを残せないまま競技が進行する。中間までは好タイムで通過した鈴木Zも、終盤セクションで集中が切れタイムを伸ばせない。そんな中、第一ヒート5番手につける佐藤シルビアが47"9とタイムを上げ、順位を4番手に上げてくる。第一ヒートミスコース判定となっていた久継シルビアは48"5で6番手に食い込むと、佐藤シルビアにかわされ順位を一つ下げている佐藤RX7は47"7と再び佐藤シルビアをかわして4番手に。そして注目は第一ヒートAW11で見事な走りを見せトップタイムを叩き出している吉田MR2に。しかし、序盤からパイロンを触ってしまい、リズムを崩してしまう。それでも後半は見事な走りを見せ、タイムこそ上げられなかったものの、AW11使いの名を轟かせるに十分な走りであった。そして、第一ヒートは入賞圏外に終わっている野島RX7だが、47"4という好タイムを叩き出し、3番手にジャンプアップ。シリーズ6位につける加藤インテグラも、ここまで入賞圏外に終わっているが、47"7を刻んでゴールし、6番手に食い込む。第一ヒート6番手から9番手まで落とされてしまった鈴木S14シルビアは、やや力が入ってしまったかタイムを落とし、今回は入賞圏外に終わる。そして、第一ヒートの3番手から4番手に順位を落としている中村MR2も僅かにタイムを落としてしまい、4番手のまま。シリーズ2番手につける山村シビックは、考えすぎの悪循環が続いている様子で、ポイント圏外に終わってしまう。そして最終ゼッケンの多川RX7がスタート。AW11に負けるわけにいかないと力が入っている様子だが、うまく走りながらもややリズムが悪く消極的な感が見られる。それでもタイムを上げてくるあたりがさすがだが、47"0と吉田には届かず2番手で競技を終了した。
 この結果、優勝は、なんとAW11型MR2の吉田。「横田が走れないので神奈川に来るようになったけど、勝てたのはテクチャレの仲間のおかげです」というコメントを残し、うれしさを体一杯に表現していた。この吉田だが、実はかつてSW20型MR2も所有していたが、「自分の身の丈に合ったAW11を選んだ」という拘りの選択であることは有名である。この吉田が今後SW20型MR2を選択した時は・・・。ライバルらを脅かすのに十分なアピールとなった今回の走りであった。そして続く2位は、3連勝にはならなかったRX7の多川。今回リアデフを組み、これまでにない戦闘力でのぞんだはずの1戦であったが、ジムカーナのメンタル面での難しさを今頃痛感している頃であろう。速さだけでない、強さを身に付けられるかどうか、正念場である。そして3位には前回のレンタルマシンから今回はマイマシンでの参戦となった、いわゆる地元組の野島RX7が入った。4位には第4戦に続いて4位となったMR2の中村が、5位にはRX7の佐藤が、6位にはインテグラの加藤が入った。


2003JMRC神奈川ジムカーナシリーズ第5戦
CL2クラス

順位ドライバー型式1st-try2nd-trybest time
1位吉田 仁 AW110'46.6400'53.244(P1)0'46.640
2位多川 潤 FD3S0'47.1760'47.0040'47.004
3位野島 範雅 FD3S0'48.9490'47.4730'47.473
4位中村 信彦 SW20改0'47.5010'47.5310'47.501
5位佐藤 茂 FD3S0'48.3070'47.7850'47.785
6位加藤 秀樹 DC20'50.3630'47.7980'47.798
7位佐藤 新一 S150'48.4820'47.9840'47.984
8位久継 悟史 S15M.C.0'48.5800'48.580
9位鈴木 靖也 S140'48.8040'49.1690'48.804
10位西新 貴人 SW200'49.9980'49.1650'49.165
11位戸塚 亮伸 S150'49.6210'49.1660'49.166
12位和田 靖彦 S15改0'49.6010'49.7640'49.601
13位山村 哲也 EK9改0'49.7900'50.4410'49.790
14位石川 豊太郎 SW200'50.9680'50.5640'50.564
15位小山 公礼 ST1850'52.2400'51.1000'51.100
16位安達 裕規 RPS130'51.2691'03.734(P1)0'51.269
17位海江田 幸一 DC20'52.3050'51.2840'51.284
18位小野 智久 DC20'54.1610'53.8710'53.871
19位鈴木 裕 Z330'54.2130'54.3660'54.213
20位鈴木 雄司 DC50'57.3040'55.9570'55.957
21位本田 雅也 FD3S0'57.0380'56.4300'56.430
22位松坂 幸一 DC20'58.2200'57.0840'57.084
--鈴木 浩二 DC2M.C.M.C.M.C.



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撮影:かんとく
(文中敬称略)
えんどう