2003JMRC神奈川ジムカーナシリーズ第5戦レポート

[B2クラス]

 B2クラスは、排気量1601cc以上の二輪駆動車両が参加できるB車両のクラスである。この日のエントリーは最大の26台を集めた。上位陣では、ポイントリーダーの田口インテグラ、2位の露木MR2、3位小川MR2、5位穂谷野インテグラ、6位鈴木シルビアらが参戦している。
 まず第一ヒート。ファーストゼッケン篠崎インテグラが、54"7というターゲットタイムを出してB2クラスがスタート。前半から好タイムを出してきたのはゼッケン123番の森本MR2。45"7と大きくターゲットタイムを塗り替えまずはトップに立った。その後森本のタイムを更新してきたのは、相模湖マイスターの渡辺MR2。44"6と森本のタイムを1秒以上上回るタイムでトップに立つ。森本のマシンを借りてダブルエントリーしてきたのは元神奈川千葉A4ダブルチャンプの佐々木。リア駆動も乗れるところを見せ、45"1で2番手に食い込む。続いてのスタートは、大阪からはるばるエントリーしてくれた辻本MR2。以前関東地区でジムカーナをやっていたこともあり、さすがのパイロンワークを見せ、44"3とトップタイムを叩き出して見せた。この辻本を連れてきたマサ酒巻RX-7は、450馬力仕様のマシンを丁寧に操り、44"7と4番手でゴール。パイロンワークには定評のあるシリーズ6位の鈴木シルビアは、観客がうなるようなパイロンワークを見せ、45"1で4番手に。今シーズンやや乗り切れない感のある穂谷野インテグラだが、この日は違った。得意の相模湖に激しい走りの穂谷野が戻ってきた。強引とも言える熱い走りで44"0というトップタイムをマークしてゴールした。シリーズ3位につける小川MR2は、このコースの罠にはまってしまい、タイムを残せない。そしてどうしても勝てない露木MR2がスタート。練習ではすばらしい走りを見せる露木だが、勝てない焦りからか本番はどうもリズムが悪い。最初の8の字で大きくロスをし、45"2と7番手タイムに終わってしまう。そして目下ポイントリーダーの最終ゼッケン田口のりかインテグラがスタート。食中毒も完治し、万全の体制でチャンプ獲得に気合が入る田口は、今期の好調を物語るかのような走りで中間ベストを記録し、終盤セクションへ。リスクの高いインベタラインを狙うあたりはポイントリーダーらしかったが、さすがにそのラインはリスクが高すぎたか。直後の罠にまんまとはまり、痛恨のバックギア。タイムを残せずに終わった。
 この結果、第一ヒートトップは、久しぶりに元気な走りを見せている穂谷野インテグラ。そして2番手には辻本MR2が続き、以降、渡辺MR2、マサ酒巻RX-7、佐々木MR2、鈴木シルビア、という暫定結果となった。
 続く第二ヒート。序盤からタイムを大きく更新してきたのは、スーパーチャージドAE86レビンを駆るモハ壁田だ。効きの悪いサイドをうまくフォローし、最終セクションも難易度の高い攻めを見せ、見事クリアし、45"1と5番手に食い込んできた。今シーズン第1戦のCL2クラスで優勝を飾っている兼子シルビアは、今回Sタイヤを履いてB2クラスにエントリー。パワー感溢れるシルビアを豪快に振り回し、45"3で9番手に食い込んだ。その後大きな順位変動は無く、終盤ゼッケンへ。第一ヒート3番手につける渡辺MR2は僅かにタイムを落としてしまう。6番手に順位を下げていた佐々木MR2は、丁寧な走りで44"8とタイムを上げ、5番手に返り咲き。ここまで2番手につけている辻本MR2は、惜しくもタイムを上げられず2番手のまま。ここまで4番手のマサ酒巻RX-7、7番手の鈴木シルビアともに僅かにタイムを落としてしまう。そして現在トップの穂谷野インテグラがスタート。やや前半を落とし、トータルタイムでも自己のタイムを0.2秒程落としてしまうが、第一ヒートのタイムでトップをキープ。続くのは小川MR2だが、今回はコースの罠にはまり、タイムを残せずに終わった。そして常に入賞をキープする安定感を発揮している露木MR2だが、今回はここまで9番手と厳しい位置に立たされている。第一ヒートで失敗している8の字セクションを意識しすぎている感があり、またまたこの8の字をミスしてしまう。それでも後半セクションの見事な走りで盛り返し、44"7と5番手タイムを出して見せた。そして注目はラストゼッケンポイントリーダーの田口インテグラに。第一ヒートは痛恨のバックギアで沈んでいる。観客が見守る中、その田口がスタート。地元勢が苦労し、タイムを落としている8の字やおにぎりセクションを見事に通過し、第一ヒートに続き、中間をベストラップで通過。このまま3勝目を挙げるのか、ポイントリーダーらしい大胆なインベタラインを攻める田口を、固唾を呑んで見守る観客席から爆笑が沸き起こったのはその直後だった。第一ヒートと全く同じセクションでのバックギア。この瞬間に田口の3勝目は消えた。
 この結果、久しぶりにすばらしい走りを見せたインテグラの穂谷野が、うれしい今期初優勝。「デフの調子が悪かったけど、勝てました。久しぶりの青汁でうれしい!」と勝ったにもかかわらず自ら率先して青汁を一気するその姿が印象的である。続いて2位には遠く大阪からエントリーしてくれた辻本MR2が入った。軽くパイロンコースでひねってやろうとのマサ酒巻の陰謀(?)による相模湖エントリーであったが、ひねられたのはマサ酒巻のようである。そして3位には地元渡辺MR2が入った。4位には、辻本にはやられてしまったが、満足のいく順位となったマサ酒巻RX-7が入り、相変わらず勝てない露木MR2が5位に、借り物マシンで6位入賞となったのは佐々木MR2であった。また、この激戦のB2クラスにAE86レビンで果敢に挑むモハ壁田が7番手に入ったこともお伝えしておこう。

2003JMRC神奈川ジムカーナシリーズ第5戦
B2クラス

順位ドライバー型式1st-try2nd-trybest time
1位穂谷野 浩 DC20'44.0070'44.2040'44.007
2位辻本 憲孝 SW200'44.3960'44.6740'44.396
3位渡辺 博 SW200'44.6050'44.8270'44.605
4位マサ 酒巻 FD3S0'44.7130'44.7960'44.713
5位露木 康敬 SW200'45.2750'44.7430'44.743
6位佐々木 将人 SW200'45.1640'44.8600'44.860
7位モハ 壁田 AE860'52.235(P1)0'45.1470'45.147
8位鈴木 正彦 S150'45.1810'45.4560'45.181
9位兼子 直人 S150'46.1820'45.3980'45.398
10位森本 泰弘 SW200'45.7290'47.2830'45.729
11位秋葉 清志 FD3S0'46.7060'45.8500'45.850
12位重田 英人 SW200'46.7710'45.8840'45.884
13位原 尚巳 S150'46.3120'46.0860'46.086
14位湯浅 浩史 SW200'46.4850'46.1920'46.192
15位内田 文則 NB8C0'46.7560'46.3010'46.301
16位門脇 誠 FC3S0'46.6810'46.3880'46.388
17位小川 秀樹 SW200'47.7700'46.4110'46.411
18位清水 淳弘 DC2改0'46.9500'49.5750'46.950
19位石垣 純一 S150'47.3070'48.1540'47.307
20位前山 誠 ER340'48.3750'47.6540'47.654
21位野川 徹 SW200'47.9030'48.8850'47.903
22位遠藤 正人 S140'48.1710'48.2160'48.171
23位木村 英亮 S150'49.2920'48.8240'48.824
24位仁田 達雄 SW200'48.9330'54.9110'48.933
25位田口 紀昭 DC20'50.6380'51.4220'50.638
26位篠崎 隆 DC20'54.0730'53.8390'53.839



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撮影:かんとく
(文中敬称略)
えんどう