2003JMRC神奈川ジムカーナシリーズ第4戦レポート
[B2クラス]
B2クラスは、排気量1601cc以上の二輪駆動車両が参加できるB車両のクラスである。この日のエントリーは最大の27台を集めた。上位陣では、ポイントリーダーの田口インテグラ、2位の露木MR2、3位小川MR2、4位穂谷野インテグラ、6位鈴木S15らが参戦している。
まず第一ヒート。まず序盤から3秒台という好タイムを出してきたのは、34スカイラインの前山だ。1'03"8のターゲットタイムを樹立。その後、地元勢重田MR2が1'02"8を叩き出し、ターゲットタイムを更新。続く石垣シルビアは、重田から遅れること0.2秒の1'03"0でゴールし2番手。そしてこちらも地元渡辺MR2が圧倒的な中間タイムを刻み、その後もうまくまとめて、1'01"6でターゲットタイムを大きく押し上げてきた。さらに豪快でパワフル感溢れる走りを見せたベテランの野口シルビアが、1'01"1というタイムを叩き出しトップに。内田ロードスターは非力なマシンにはきつい富士の傾斜をよく考えた走りでフォローし、1'02"9という好タイムを叩き出し、4番手でゴール。その後、萩原MR2がいよいよ0秒台に突入となる、1'00"8でゴール。当然トップタイム更新だ。続いてはNスペ、相模湖マイスターの石黒インテグラがスタート。ここまで3戦にエントリーしながらまともに完走したのは1本だけというふがいない状態が続いている。しかし、この日は違った。1'00"6でゴールに飛び込み、トップタイム更新。その後、鈴木シルビアが相変わらずの息を飲むようなターンを連発し、1'00"9で3番手に。穂谷野インテグラは、今年少しリズムが悪いか、ライバル石黒から大きく遅れ、1'01"9で6番手。第3戦で優勝を遂げているこちらも地元小川MR2は、もう一つタイムを詰めきれず、1'01"4で5番手に。どうしても勝てない靴忘れんなよ露木MR2は、中間から終盤にかけて好タイムを予感させる走りを見せるか、露木の腕ならなんてことはないはずの最終サブロクを回せず、1'01"1と4番手でゴールとなった。そして最終ゼッケンの田口インテグラがスタート。数日前に食中毒を患い、かなりテンションも下がり気味だった田口だが、要所をきっちり抑え、1'00"6と1000分の1秒石黒を抑え、トップで第一ヒートを折り返した。
この結果、第一ヒートトップは、ポイントリーダーの田口MR2。そして僅差でこれを追うのが石黒インテグラ。3番手には萩原MR2が続き、以降、鈴木シルビア、露木MR2、野口シルビア、という暫定結果となった。
続く第二ヒート。上位陣はかなりハイレベルな争いをしているせいもあり、なかなか大きく順位が変動しないまま競技が進行する。中盤から後半にかかるあたりで、スーパータイムを叩き出してきたのは、生粋のシルビア乗り野口だ。FR車は楽しそうだ、と見ている人に思わせるドリフトを見せながら、きっちりタイムを残し、1'00"3とトップに躍り出る。第一ヒート3番手から4番手に順位を下げた萩原MR2は、タイムを上げられずにゴール。続いて、第一ヒート僅差の2番手に甘んじている石黒インテグラがスタート。いつまでも千葉勢にやられているわけにはいかないと奮起したが、見るからに気迫溢れる攻めを見せ、得意のターンもきっちり決め、なんと1分を切る59'9でゴール。タイムを聞いた瞬間に大きくガッツポーズするあたりが役者である。そして、5番手に落ちている鈴木シルビアは、非常に丁寧なメリハリのある走りで、1'00"6とタイムを上げ、4番手に。ライバル石黒の好走に力の入る穂谷野インテグラであるが、やや迷いがあるのか、もう一つ踏み切れず順位を上げられない。第3戦で優勝を遂げている小川も、タイムを上げられず入賞圏外に終わった。そして、なんとしても地元で勝利をあげたい露木MR2がスタート。第二ヒートになると守りに入ってしまう傾向が今回も見え、最終のサブロクをなんとか回し、1'00"6とタイムアップするものの、トップには届かず3番手でゴール。そして4番手まで順位を下げている最終ゼッケン、病み上がりの田口インテグラがスタート。石黒の好タイムにプレッシャーを感じるかと思われたが、スムースな走りを見せ、1'00"3でゴール。2番手に食い込んだ。
この結果、見事な逆転劇で優勝を遂げたのは、アイスマンことありんこ石黒インテグラ。ここまでの3戦ではいいところが無かったが、今回ばかりは強さを見せつけ、久しぶりの勝利を喜んでいた。そして2位には、ポイントリーダーの田口インテグラが入り、歩くこともままならなかった病み上がり状態できっちりとタイムを残してきたあたりが安定感を感じさせる。そして3位には並み居るSW20勢を押しのけ後輪駆動トップタイムを刻んだ野口シルビアが入り、S13時代から培ったシルビアの乗り方を見よ、と言わんばかりのすばらしい走りであった。そして4番手には、どうしても勝てない露木MR2が入り、お立ち台からもこぼれてしまう悔しい結果となった。5番手には稼ぎどころのターンできっちりタイムを稼ぎ、シルビアで5番手に入ったのはベテランの鈴木。そして6番手には第二ヒートのタイムダウンが悔やまれるMR2の萩原が入った。
尚、インテグラのN車両で試走を行った梅澤選手はB2クラスに負けたため青汁一気となったのは言うまでもない。
2003JMRC神奈川ジムカーナシリーズ第4戦
B2クラス
順位 | ドライバー | 型式 | 1st-try | 2nd-try | best time |
1位 | 石黒 俊美
| DC2 | 1'00.691 | 0'59.965 | 0'59.965 |
2位 | 田口 紀昭
| DC2 | 1'00.690 | 1'00.326 | 1'00.326 |
3位 | 野口 尚正
| S15 | 1'01.174 | 1'00.328 | 1'00.328 |
4位 | 露木 康敬
| SW20 | 1'01.127 | 1'00.611 | 1'00.611 |
5位 | 鈴木 正彦
| S15 | 1'00.941 | 1'00.693 | 1'00.693 |
6位 | 萩原 直樹
| SW20 | 1'00.893 | 1'01.961 | 1'00.893 |
7位 | 小川 秀樹
| SW20 | 1'01.474 | 1'02.717 | 1'01.474 |
8位 | 渡辺 博
| SW20 | 1'01.695 | 1'01.841 | 1'01.695 |
9位 | 穂谷野 浩
| DC2 | 1'01.948 | 1'01.946 | 1'01.946 |
10位 | 重田 英人
| SW20 | 1'02.891 | 1'02.135 | 1'02.135 |
11位 | 野川 徹
| SW20 | 1'03.745 | 1'02.668 | 1'02.668 |
12位 | 清水 淳弘
| DC2改 | 1'02.902 | 1'08.404(P1) | 1'02.902 |
13位 | 内田 文則
| NB8C | 1'02.969 | 1'04.075 | 1'02.969 |
14位 | 石垣 純一
| S15 | 1'03.082 | 1'03.657 | 1'03.082 |
15位 | 遠藤 正人
| S14 | 1'03.609 | 1'03.363 | 1'03.363 |
16位 | 前山 誠
| ER34 | 1'03.814 | 1'04.690 | 1'03.814 |
17位 | モハ 壁田
| AE86 | 1'05.400 | 1'03.849 | 1'03.849 |
18位 | 沖野 友洋
| SW20 | 1'09.624(P1) | 1'03.996 | 1'03.996 |
19位 | 門脇 誠
| FC3S | 1'10.247(P1) | 1'04.146 | 1'04.146 |
20位 | 仁田 達雄
| SW20 | 1'04.728 | 1'12.590(P2) | 1'04.728 |
21位 | 内藤 隆幸
| DB8 | 1'04.872 | M.C. | 1'04.872 |
22位 | 木村 英亮
| S15 | 1'11.003(P1) | 1'05.665 | 1'05.665 |
23位 | 今井 誠
| SW20改 | 1'05.668 | M.C. | 1'05.668 |
24位 | 葛西 悠治
| S15 | 1'05.713 | 1'06.285 | 1'05.713 |
25位 | 篠崎 隆
| DC2 | 1'06.768 | 1'20.379(P2) | 1'06.768 |
26位 | 小中 長栄
| DC2 | M.C. | 1'15.714 | 1'15.714 |
27位 | 鈴木 浩二
| DC2 | 1'27.407(P1) | 1'24.890(P1) | 1'24.890 |
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撮影:かんとく
(文中敬称略)
えんどう