2002JMRC神奈川ジムカーナシリーズ第10戦レポート
2002JMRC神奈川ジムカーナシリーズ第10戦レポート
[A3クラス]
A3クラスも大量29台のエントリー。
チャンピオン争いは、第2戦で首位に立ってからというもの、以降一度もラストゼッケンを明け渡したことが無いDC2インテグラの梅澤と、得意の相模湖ラウンド以降じわじわと梅澤を追い詰め、5ポイント差まで迫ってきた同じくDC2インテグラの穂谷野の一騎打ちである。穂谷野が逆転チャンプを獲得するには、優勝が必須条件。その上で梅澤が4番手以降でなければならない。また、石黒インテグラにもチャンピオンの可能性があり、石黒が優勝し、やはり梅澤が4位以降だった場合は石黒が逆転チャンプとなる。後半4戦でポイントを荒稼ぎし、前回の第9戦でも堂々の2位に入ったその実力から、チャンスは十分にあると言えよう。
さらにその梅澤だが、直前の金曜日に車がトラブルを起こし、この日はチームメイトである石黒のインテグラをレンタルし参加することになり、大事な一戦を自分の車で走れないという窮地に立たされた。
ここに、前回の神奈川第9戦で優勝したぽこちゃんこと片山MR2や千葉チャンプを早々に決めている星インテグラが絡んでくるのは間違いないだろう。また、本日自分の誕生日を自力でお祝いしたい東京シリーズ2位の酒巻RX-7や関フェスで堂々の6位入賞をゲットした露木MR2の走りが注目される。また、全日本優勝車両を持ち込んだ馬場S2000も、本人の腕とうまく噛み合えば面白い結果が期待できる。そして、先日の東京戦で車両乗り換え後初のお立ち台をゲットしノリノリの上村インテグラやベテランのMR2使い新井、なると軍団期待の新星小林RX-7らにも注目だ。
まず第一ヒート。ダブルエントリーの関係でファーストゼッケンに回った梅澤が、プレッシャーのかかる中、難しいターンセクションもうまく決め、レンタルマシンながらいきなり1'18"0という好タイムをたたき出し、A3クラスがスタートした。これに対し、前半4番手からスタートした今年ジムカーナを始めたばかりの小林RX-7が、22"6でまずは2番手に立つ。その後8番手からスタートした金井RX-7が20"4で小林をかわし2番手に。続いて今井インテグラが21"6で3番手に。MR2の田村は20"5を出してくるが、金井に及ばず3番手。どこかで見たことがあるS2000を駆る馬場は、まだ車に慣れていない様子でタイムを残せない。久しぶりにMR2でエントリーしてきたベテランの新井だが、いきなりではさすがに難しいのか、ターンセクションをうまくこなせず、やはりタイムを残せない。前回の第9戦で優勝しているMR2の片山は、前半セクションをほぼトップタイムで通過。期待が集まる中ターンセクションに入るが、450度でいきなりミス。なぜか観客が大騒ぎする中ゴール。それでも20"4と2番手に食い込むあたりがさすがである。そして関フェスで入賞し乗っている露木であるが、どうもリズムが悪い。前半こそ無難にこなすが、終盤のテクニカルでは関越で見せた切れのあるターンが陰を潜め、かなりてこづってゴール。下位に低迷してしまう。ターンには定評のある渡辺MR2も、気負っているのかいつもの切れが見られない。そして元気な走りの星だが、なんとまたサイドが効かないらしい。星にとって今年の神奈川はサイドに泣かされているようだ。そして逆転チャンプの可能性を持っている石黒インテグラがスタート。前半をほぼ梅澤と同等のタイムで通過。その後、得意のターンセクションに入ってからは、これまた観客があきれるほどの絶妙なコンパクトで速いターンを見せつけ、なんと梅澤のタイムを1秒上回る17"0でゴールしたのだ。そしてチャンプ候補の一人穂谷野がスタート。いつもどおり気合の入った走りを見せるが、うまくタイムにつなげられず、20"1の3番手タイムを出してくるも、脱輪とパイロンペナルティを食らって自己を追い込んでしまう結果となった。
結果、第一ヒートは、とてつもないタイムをたたき出してきた石黒がトップ、続いてレンタルマシンながらこれまた好タイムを出してきた梅澤が2番手、以降、片山、金井、田村、今井、田口、小林と続き、穂谷野はポイント圏外に終わっている。このまま行った場合は梅澤がチャンピオンを獲得することになる。厳しくなったのは穂谷野である。一方の石黒は誰かが上位に食い込んでくれるのを待つしかない。
そして、徐々に路面温度が冷え始め、タイムアップが厳しくなるかならないかといった微妙なコンディションの中、第二ヒートがスタート。第一ヒート2番手の梅澤はなんとか石黒を挽回しておきたいところ。ターンで石黒選手に勝てるわけがないと、前半でアドバンテージを稼ぐ策を練りスタートする。これが当たり、前半をベストタイムで通過して期待が集まる。しかし、最終のパイロンセクションでは450度以降リズムを崩し、パイロンまで触ってしまい、タイムアップはならなかった。第一ヒートを4番手で終えた金井RX-7は路面コンディションの悪化からかタイムを上げられない。続く第一ヒートを6番手で終えた今井インテグラはタイムを19秒台に入れ、梅澤に続く3番手に食い込んできた。注目の酒巻は、絶妙なパイロンターンを見せどよめきが起こるが、わずかにパイロンの耳を踏んでパイロンペナルティに沈んだ。ベテラン新井は、徐々にMR2の感覚を取り戻しているようだが、ターンセクションを動かしきれず、11番手に終わった。今年の神奈川では結果を残せなかった田口インテグラは、なんとかまとめて20"1で5番手に食い込んだ。連勝を狙う片山MR2だが、前半はかなりの好タイムで通過するも、最終のパイロンセクションで崩れタイムダウン。露木は、どうしたことかターンセクションがメロメロで、全くタイムを残せず終わった。そしてパイロンマイスターの渡辺MR2は走りをPCに取り込んで分析し第二ヒートにかけるがうまくかみ合わなかったか下位に低迷した。そしてサイドの効かない星インテグラ。気合で走ると一言残しスタートするが、この難コースはサイド無しにはかなりきつい。それでも20"9を出し10位に食い込んだのは立派であろう。この時点で梅澤の3位以内が確定し、チャンプ決定となった。続いて暫定トップの石黒がスタート。前半をそつなくこなし、ターンセクションに注目があつまる。しかし、あろうことかリズムが合わず、パイロン不通過の判定となってしまう。そして最終ゼッケンの穂谷野。チャンプの芽は断たれたがきっちり結果を残して良い形でシーズンを終わりたいところ。冷えた路面温度の中、19"5をたたき出し、3位に食い込む健闘を見せたのは立派であろう。
この結果、圧倒的なタイムで優勝をさらったのはインテグラの石黒であった。続いて2位には梅澤が入り、3位には第二ヒートにタイムアップを果たしてきた穂谷野が入り、神奈川シリーズ上位勢が表彰台を独占する形となった。そして4位にはインテグラの今井が、5位には田口が、6位には片山が続いた。
シリーズは、この日2位に入った梅澤が今シーズン全て4位以内という安定した結果を残しチャンピオン決定。そして2位には今年フル参戦できなかったにも関わらず優勝3回、2位2回と圧倒的な速さを見せ付けた石黒が食い込んだ。3位には全戦入賞し、最後まで梅澤を追い詰めたが惜しくも届かなかった穂谷野が、4位には今年千葉チャンプを獲得した星が、5位にはMR2勢最上位となったパイロンマイスターの渡辺が、6位には第9戦まで全戦入賞を果たし関フェスでも入賞を飾ったMR2の露木が入った。
表彰式写真
2002JMRC神奈川ジムカーナシリーズ第10戦
A3クラス
順位 | ドライバー | 型式 | 1st-try | 2nd-try | best time |
1位 | 石黒俊美
| DC2 | 1'17"077 | M.C. | 1'17"077 |
2位 | 梅澤高志
| DC2 | 1'18"042 | 1'26"914 | 1'18"042 |
3位 | 穂谷野浩
| DC2 | 1'30"165 | 1'19"580 | 1'19"580 |
4位 | 今井長正
| DC2 | 1'21"691 | 1'19"782 | 1'19"782 |
5位 | 田口紀昭
| DC2 | 1'22"271 | 1'20"121 | 1'20"121 |
6位 | 片山誠司
| SW20 | 1'20"459 | 1'21"031 | 1'20"459 |
7位 | 金井正美
| FD3S | 1'20"461 | 1'20"780 | 1'20"461 |
8位 | 田村豊
| SW20 | 1'20"513 | 1'22"349 | 1'20"513 |
9位 | 上村範明
| DC2 | M.C. | 1'20"908 | 1'20"908 |
10位 | 星義輝
| DC2 | 1'31"446 | 1'20"920 | 1'20"920 |
11位 | 新井敏正
| SW20 | 1'32"470 | 1'21"727 | 1'21"727 |
12位 | 小林良輔
| FD3S | 1'22"606 | 1'30"302 | 1'22"606 |
13位 | 吉田光宏
| SW20 | 1'22"969 | 1'23"744 | 1'22"969 |
14位 | 佐々木聡
| SW20 | 1'23"293 | 1'29"434 | 1'23"293 |
15位 | 秋元幸雄
| SW20 | 1'23"641 | 1'23"400 | 1'23"400 |
16位 | 芳賀純
| SW20 | 1'23"636 | 1'25"496 | 1'23"636 |
17位 | 渡辺博
| SW20 | 1'24"468 | 1'23"762 | 1'23"762 |
18位 | 重田英人
| SW20 | 1'37"576 | 1'23"788 | 1'23"788 |
19位 | 井登陽一
| FD3S | 1'24"772 | 1'24"132 | 1'24"132 |
20位 | 露木康敬
| SW20 | 1'24"213 | 1'24"780 | 1'24"213 |
21位 | 酒巻福正
| SW20 | 1'24"600 | 1'25"793 | 1'24"600 |
22位 | 川村健一
| DC2 | 1'24"780 | M.C. | 1'24"780 |
23位 | 河岸純一
| SW20 | 1'24"791 | R | 1'24"791 |
24位 | 馬場靖典
| 車両 | 1'26"060 | 1'25"189 | 1'25"189 |
25位 | 斎藤弘幸
| SW20 | 1'27"271 | 1'40"745 | 1'27"271 |
26位 | 鈴木靖也
| S14 | 1'29"094 | 1'27"670 | 1'27"670 |
27位 | 森本泰弘
| SW20 | 1'27"767 | 1'31"204 | 1'27"767 |
28位 | 池澤博之
| SW20 | M.C. | 1'29"923 | 1'29"923 |
29位 | 松尾健二
| SW20 | 1'33"470 | 1'37"502 | 1'33"470 |