2002JMRC神奈川ジムカーナシリーズ第9戦レポート

[A4クラス]

 この日のA4クラスのエントリーは10台。
 A4クラスのチャンピオン争いであるが、現在の8位までそのチャンスが残っている。ポイントリーダーには同じチームに所属するエボ4の石綿とエボ6の三間が仲良く74ポイントで並んでいる。そこから2ポイント離れて続くのはエボ6の秋葉だが今回もお休み。さらに2ポイント離れてエボ2の中島が続く。5位にはエボ3の木崎が51ポイントで続くが木崎もお休み。続く6位にはエボ6の遠藤が43ポイントと、ここまでが第8戦終了時の上位6台である。そして、7位にはお休みのR34GT-Rの新井が39ポイントで続き、以降、エボ6の梅沢が37ポイント、エボ5の鈴木が27ポイント、エボ7の鈴木が22ポイントと続いている。
 この上位陣に対し、今回は、1998年度神奈川A4チャンプの漆原エボ6がスポット参戦しており、JMRC関東でも上位を走る漆原に対し、神奈川戦ドライバーらがどう戦うかが見ものである。
 まず第一ヒート。ファーストゼッケンからのスタートとなったのは、ポイントリーダーの一人三間。実は前日練習会にて自身のエボ6がデフトラブルに見舞われ、急遽遠藤のエボ6でダブルエントリーすることになったのだ。セッティングの似ている遠藤のエボ6をうまく動かし、1'06"03という好タイムを先頭ゼッケンからたたき出す。しかし貫禄は続く漆原であった。元チャンプ、JMRC関東でも上位を走る実力を見せつけ、三間のタイムを1秒以上上回る1'04"95というぶっちぎりのタイムでゴールラインを切ってきた。そしてエボ6の鈴木、インプレッサの西田、エボ7の鈴木と続くが、漆原、三間のタイムにはなかなか近づけない。エボ5の鈴木は、前半をうまくこなすが、やはり後半のターンに泣きタイムを詰めきれず、1'07"22で暫定の3番手。関東フェスティバル出場権を狙って車のポテンシャルアップを図ってきた梅沢は、投入したフロントデフをうまく使い、中間ラップを漆原から遅れることわずか0.3秒で通過するが、17インチタイヤの難しさでもあるターンセクションにミスが出て、鈴木エボ5のタイムをかわし3番手に食い込むものの、1'07"08とトップの漆原からは大きく遅れてしまう。前回優勝の中島エボ2は、高速セクションのビハインドをテクニカルでカバーしきれず、4番手の1'07"13に終わる。もう一人のポイントリーダー石綿エボ4は、前日の不調を引きずっているのか、ライバル三間のタイムを意識しているのか、相模湖で見せた潔い走りが影を潜め中間こそ漆原の0.7秒遅れ、三間の0.2秒遅れで通過するが、後半で大きく崩れ1分8秒台と出遅れてしまう。ダブルエントリーの関係で最終ゼッケンに回された遠藤エボ6は、漆原を0.1秒上回る中間ラップを刻み期待を集めるが、終盤のテクニカルセクションでターンミスを連発し、漆原から0.8秒遅れの2番手でゴールとなった。その結果、第一ヒート暫定トップは漆原、2番手には遠藤が続き、ポイントリーダーの一人三間が3番手と好位置につけている。一方の石綿は8位と大きく出遅れた。
 そして第二ヒート。ファーストゼッケンの三間は、レンタルマシンに慣れてきたのか、オーナーのタイムを抜いて1'05"40をたたき出し、2位に食い込んできた。注目の漆原だが、終盤セクションを攻め切れずタイムダウンに終わるが、第一ヒートのタイムで暫定トップを守る。シリーズ9位につける鈴木エボ7は、1'07"台を出してくるがパイロンタッチに沈んでしまう。その後、シリーズ8位につける鈴木エボ5、シリーズ7位につける梅沢エボ6は、ともにタイムダウン。そしてチャンプ争いの一角中島エボ2だが、長い直線に苦戦し、前回みせたねばりのある走りが影を潜め、同じくタイムダウンに終わってしまう。そして注目の石綿エボ4がスタート。焦りからか、高速主体の前半セクションでは漆原のタイムから1秒ほど遅れ、その後もリズムに乗れず、自己のタイムは縮めてくるものの、1'07"53と大きく崩れ、7位で走行を終えた。続いて最終の出走となった遠藤エボ6がダブルエントリーのためあわただしくスタート。硬さの目立つ走りで自己の中間ベストを0.1秒ほど落とし、その後も随所にミスを連発し、自己のタイムを0.1秒上げてはきたものの気合いがタイムに残らない悪い見本とも言うべき走りで3位のまま競技を終えることになった。
 その結果、スポット参戦の漆原が貫禄勝ち。元チャンプの余裕を見せた。2位に食い込んだのはポイントリーダーの一人三間。うれしい初の浅間台お立ち台となり、チャンプ獲得に大きく前進した。続いて3位にはどうしても勝てない遠藤が入った。4位には梅沢、5位には中島、6位には鈴木エボ5と続いた。
 シリーズは、単独トップに躍り出た三間を9ポイント差で石綿が追う形となった。捨てポイントを考慮しても9ポイント差となっており、石綿が逆転チャンプを獲得する場合には、三間に9ポイント差以上をつけて1位か2位をゲットする必要がある。シリーズ3位には三間と14ポイント差で秋葉が位置する。秋葉が優勝し、三間が4位以下だった場合か、秋葉が2位で三間が7位以下だった場合は秋葉の逆転チャンプとなる。また、シリーズ4位には同じく三間と14ポイント差で中島がつけている。中島が優勝し、三間が7位以下だった場合には中島の逆転チャンプとなる。シリーズ5位には55ポイントで遠藤が、6位には51ポイントで木崎が続き、ここまでが関フェスの出場権の第一候補となる。続いて7位には47ポイントで梅沢が、8位には39ポイントで新井が、9位には33ポイントで鈴木エボ5が続き、このあたりまではまだシリーズ6位の可能性を秘めている。


2002JMRC神奈川ジムカーナシリーズ第9戦
A4クラス

順位ドライバー型式1st-try 中間1st-try total2nd-try 中間2nd-try totalbest time
1位漆原正 CP9A30.6091'04"95330.6171'05"3931'04"953
2位三間康 CP9A31.1221'06"03531.0151'05"4071'05"407
3位遠藤康浩 CP9A30.5551'05"76130.6981'05"6581'05"658
4位梅沢考志 CP9A30.8821'07"08030.9831'07"9551'07"080
5位中島憲久 CE9A31.9561'07"13131.5421'07"4711'07"131
6位鈴木裕 CP9A31.8711'07"22131.6561'08"1111'07"221
7位石綿幸治 CN9A31.3281'08"65931.6281'07"5371'07"537
8位鈴木謙二 CT9A32.4041'08"17531.8831'12"470(P1)1'08"175
9位鈴木雅久 CP9A32.2661'08"76431.0631'08"4821'08"482
10位西田喜一 GC833.2071'12"39232.906M.C.1'12"392



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(文中敬称略)
えんどう