2002JMRC神奈川ジムカーナシリーズ第9戦レポート
2002JMRC神奈川ジムカーナシリーズ第9戦レポート
[A2クラス]
この日のA2クラスのエントリーは20台。
A2クラスのチャンピオン争いは、CJ4Aミラージュの芹川と同じくCJ4Aミラージュの野呂との一騎打ち。互いに一歩も引かず、抜きつ抜かれつのデッドヒートを演じている。ポイント差は5点。両者とも捨てポイントを考えると実質的な差は3ポイントとなっている。トップに立つ芹川は浅間台を苦手としていたが、前回の第8戦では浅間台で堂々の優勝を遂げており、勢いにのってこのまま逃げ切る可能性も出てきた。しかし、浅間台を得意とするパパになったばかりの野呂も簡単には譲らないだろう。3位につけるEK4シビックの岩田は、残り2戦を連勝してもチャンプ届かないが、4位の大原とは30ポイントを離しており、このまま3位の座を守りきりたいところだろう。4位以降は、EG6シビックの大原が38ポイント、CRXの大塚、CRXの石井がともに32ポイントと、ここまでが第8戦終了時の上位6台であるが、そこから遅れること6ポイント差の7位につけ、なんとか6位に割って入りたいのがCRXの石塚であろう。チャンピオン争いと同時にシリーズ6位と関フェス出場権をかけた争いに注目したい。
この神奈川勢のシリーズ争いに、東京シリーズのポイントリーダーを走るミラージュの深沢や、中部地区からエントリーし第8戦でお立ち台に上がっているシビックのさいとぅお、らがどう絡んでくるのかが見ものである。
まず第一ヒート。東京シリーズからのスポット参戦となる深沢ミラージュが序盤ゼッケンから1'08"50という好タイムをたたき出してきた。その後、やはりこちらもスポット参戦組のさいとうCRXが中間で深沢から0.2秒ほど遅れるが、後半で挽回しトップに立つ。これに対して神奈川シリーズ組である高田シビックが熱い走りで1'08"56と3番手に食い込んでくる。続く中部地区戦ドライバーのさいとぅおシビックだが、慣れない浅間台を攻めあぐねているのか、1'10"台と大きく遅れてしまう。そして気を吐いたのがミラージュの加藤。中間ではさいとうの中間を0.3秒上回る中間ベストをマーク。注目が集まる中、後半で若干タイムを落とし、1'08"54と3番手に割り込む。シリーズ6位を狙う石塚CR-Xだが、今ひとつ乗り切れずパイロンも触ってしまう。シリーズ6位以内に位置する石井CRXと大原シビック、岩田シビックだが、ともにタイムを伸ばしきれず青汁に届くかとどかないかの微妙な位置に終わる。そしてシリーズ2位につける野呂がスタート。スピードにのって前半セクションをこなし、加藤の中間を0.1秒上回り中間ベスト。そして、終盤ややロスが目立ちながらもトップのさいとうから0.3秒遅れの4位に飛び込んできた。続いてスタートしたのは芹川ミラージュ。やはり苦手意識があるのか、前半セクションはスムースさに欠け、野呂から中間を0.9秒遅れて通過。その差を最後まで詰めきれず、トップから1.4秒遅れの11位で第一ヒートを終了した。
第一ヒート暫定トップはさいとうCRX。続いて東京ポイントリーダーの深沢ミラージュが2番手。以降、加藤ミラージュ、野呂ミラージュ、高田シビック、岩田シビックと続き、目下ポイントリーダーの芹川は11番手と完全に出遅れる形となった。
そして第二ヒート。深沢ミラージュが前半ゼッケンから1'08"014をたたき出し、トップタイムを奪い返す。これに対して第一ヒート暫定トップのさいとうCR-Xが果敢に攻めるが、1000分の7秒及ばず、1'08"021で惜しくも2位に。第一ヒート5番手だった高田シビック、3番手だった加藤ミラージュ、7番手だった石井CRXは、そろってタイムダウンに終わる。第一ヒート8番手と青汁から遠ざかっていた大原シビックは、中間では深沢から0.6秒遅れるか、滅多にできないと自身が言うほどのすばらしい走りで島周りを処理し、1'08"33と3番手に食い込んでみせる。シリーズ3位に位置する岩田シビックは少し力が入りすぎたか、タイムダウンに終わり、青汁をも逃す結果となった。そして注目の一人野呂ミラージュがスタート。得意の高速セクションをうまくこなし、自己の中間ベストをさらに0.1秒詰め、終盤のテクニカルセクションでもうまい処理を見せ、ゴール。タイムは、惜しくも0.15秒届かず1'08"17で3番手。そして、いよいよ追い詰められた芹川がスタート。速度の乗るラインを選択し、中間ラップは野呂から0.4秒遅れ。テクニカルの得意な芹川なら終盤で逆転できるタイム差だと観客が息を飲み、シェルを回る芹川に期待が集まったその時、芹川ミラージュはミッショントラブルによりまさかのスローダウン。むなしく惰性で走るミラージュにハザードがたかれ、本日の勝負に終止符が打たれた。
この結果、優勝は「遊びのつもりで参戦し、無事勝てて良かった」と周囲の反感を一手に集め、笑いをとった東京からのスポット参戦組の深沢。最終戦も参加の意思を表明しており、神奈川シリーズドライバーの反撃を期待しよう。2位には同じくスポット参戦組のさいとう。「青汁のことを今日初めて知った」と苦笑いの2位であった。そして3位にはシリーズ2位につける野呂が「3位に入れて満足している」とうれしそうに語り「最終戦はきっちり戦いましょう、芹川君」とエールを送った。4位には大原、5位には加藤、6位には高田と続いた。
シリーズ争いであるが、ポイントリーダーは野呂の手に渡り、今度は3ポイント差で芹川が追う立場となった。捨てポイントを考慮しても両者の差は3ポイントであるが、芹川が逆転チャンプを決める場合には最終戦でお立ち台に立ち野呂を3ポイント以上離すことが必須条件となった。そして岩田のシリーズ3位は確定。4位以降は大原が48ポイント、石井が35ポイント、大塚が32ポイントと、ここまでが関フェス出場権の第一候補となる。続いて7位には26ポイントで石塚が8位には24ポイントで加藤が続く形となった。
表彰式写真
2002JMRC神奈川ジムカーナシリーズ第9戦
A2クラス
順位 | ドライバー | 型式 | 1st-try 中間 | 1st-try total | 2nd-try 中間 | 2nd-try total | best time |
1位 | 深沢希
| CJ4A | 32.763 | 1'08"504 | 32.587 | 1'08"014 | 1'08"014 |
2位 | さいとうたかと
| EF8 | 32.981 | 1'08"242 | 32.657 | 1'08"021 | 1'08"021 |
3位 | 野呂隆
| CJ4A | 32.534 | 1'08"564 | 32.439 | 1'08"175 | 1'08"175 |
4位 | 大原史行
| EG6 | 33.240 | 1'09"288 | 33.198 | 1'08"334 | 1'08"334 |
5位 | 加藤崇
| CJ4A | 32.667 | 1'08"548 | 32.772 | 1'08"703 | 1'08"548 |
6位 | 高田伸介
| EG6 | 33.089 | 1'08"566 | 32.933 | 1'09"553 | 1'09"553 |
7位 | 岩田章
| EK4 | 32.926 | 1'08"897 | 33.099 | 1'09"662 | 1'08"897 |
8位 | 石井隆行
| EF8 | 33.147 | 1'08"961 | 33.764 | 1'10"008 | 1'08"961 |
9位 | 金原俊一
| EF8 | 33.019 | 1'09"290 | 41.370 | 1'17"986 | 1'09"290 |
10位 | さいとぅお
| EK4 | 32.888 | 1'10"304 | 33.019 | 1'09"398 | 1'09"398 |
11位 | 荒井辰夫
| EF8 | 33.017 | 1'09"523 | 33.195 | 1'09"755 | 1'09"523 |
12位 | 芹川宏史
| CJ4A | 33.404 | 1'09"694 | 32.976 | リタイア | 1'09"694 |
13位 | トモヤ
| EF8 | 33.598 | 1'10"741 | 33.368 | 1'09"793 | 1'09"793 |
14位 | 秋葉清志
| EF8 | 34.134 | 1'11"096 | 34.228 | 1'10"104 | 1'10"104 |
15位 | 石塚一郎
| EF8 | 33.565 | 1'15"554(P1) | 33.701 | 1'10"412 | 1'10"412 |
16位 | 蒲真一
| EF8 | 39.619 | 1'16"233 | 34.383 | 1'10"826 | 1'10"826 |
17位 | 落合泰之
| CA4A | 34.464 | 1'16"756(P1) | 33.827 | 1'10"915 | 1'10"915 |
18位 | 藤田淳一
| CJ4A | 34.483 | 1'11"836 | 35.182 | 1'12"818 | 1'11"836 |
19位 | 井下田登
| EK9 | 35.074 | 1'12"803 | 34.160 | 1'12"368 | 1'12"368 |
20位 | 古林拓也
| NB6C | 34.888 | 1'18"922 | 34.157 | 1'12"704 | 1'12"704 |