2005JAF関東ジムカーナ選手権第3戦

5/8(日)、浅間台スポーツランド、ドライ(路温:23℃/20℃前後)




2004JAF関東ジムカーナ選手権第3戦
N4クラス

順位ドライバー型式1st-try2nd-trybest time
1位宮嶋一人 CT9A1'16"7411'16"1441'16"144
2位掛札雄一 GDB1'17"6831'16"9261'16"926
3位遠藤康浩 CT9A1'19"1121'17"7351'17"735
4位井上究 CP9A1'18"9751'18"0921'18"092
5位高野進 CT9A1'20"1891'18"4491'18"449
6位稲木亨 CT9A1'19"0421'18"5281'18"528
7位佐山敏史 CT9A1'19"4131'18"7301'18"730
8位石田理 GDB1'18"9631'20"2171'18"963
9位新井範正 CP9A1'19"1001'24"063(P1)1'19"100
10位印南靖志 CP9A1'20"3271'19"1341'19"134

写真は、撮影班長。さんにご提供いただきました。
ありがとうございました。

1.まえがき

 惨敗の第2戦から3週間が経過し、JAF関東ジムカーナ選手権の第3戦が5月8日に浅間台スポーツランドにて開催されました。
 今シーズンから投入したエボ9という車に極端な違和感を感じている訳でも無いのですが、うまく本番で結果に結びつけることができず、もやもやとした日々を送ってまいりました。しかし、考えていても仕方ありません。思い通りに車を動かせないのですから練習するしかありません。ですが、ゴールデンウィークは所用が入っていたため、練習会に参加することが出来ず、意を決して地区戦前々日から浅間台に入り、集中練習をすることにしました。
 というのも、ここまでの2戦は前日練習に参加できず、慣れない車でぶっつけで走っても体が追いつかない感覚があったので、今回は前日から入ることを決めた訳で、さらには通常前日練習ですと試したいことも試せないことが多いので、いろいろ思うところをチェックしたいがためにその前日から入ることを決めたわけです。まぁ、やるだけのことをやって結果が出ないのなら自分でも納得が行きますが、練習もせずに結果だけをうらやむのはイヤだったので、今回ばかりはやれるだけのことをやって挑戦することに決めました。
 ただし、天気予報は思わしくなく、金曜日は午後から雨の予報。丁度ウェットテストになると期待してましたが、なぜか終日ほぼドライで1日を終了。片づけが終わってから雨が降ってきました。比較対象が無かったためなんとも言えませんが、試したかったことを試すことが出来たりと、有意義な1日になりました。
 土曜日は早めに天候が回復するはずでしたが、結局午前中はフルウェットで3本走行。午後は1本目はハーフウェット、2本目はほぼドライで走り、5本で1日が終了し、金曜日に練習に参加しておいて良かったと思える1日になりました。ウェット走行は初めてでしたが、物凄い安定感(エボ6比)に驚きました。2年物のウェットタイヤでしたがほぼウェットオーバーオールタイムが出ていて、良いウェット練習になりました。一方の午後はというと、練習用のドライタイヤが全然ダメでスピンしまくり、最後に本番用に変えてみましたが、リズムが悪くてあまりタイムは出ず、ちょっと不安を残す1日になりました。
 N4ドラ達と夕食を取った後、とにかく睡眠時間だけは取るため、対策を検討し、早めに就寝して当日に備えます。

2.当日

 それなりに睡眠時間も取れたのでそこそこ気分良く起きて会場入り。今日の天気予報は晴れのち曇。夕方には曇ってくるとのことですが、なんとか好天のもと2本勝負が楽しめると期待していたのですが、なぜか朝から空はどんよりと曇ったまま・・・。じきに晴れ間が覗いてくるのだろうとの期待もむなしく、いつまでたっても雲が切れません・・・。
 とにかく、準備を進め、受付後、コース図に目を通してみると、昨日とは随分とイメージが違う感じ。幸い昨日の最終走行で良いイメージが無かったので、気分的には随分楽になりました。割と長めの設定になっているのと、ちょっと入り方に違和感のあるセクションが多いので、しっかりコースを覚えることが最重要という気がします。一部ギア選択など走り方を悩む部分がありますが、概ね狙いは決めました。
 本日のN4クラスのエントリー台数は23台。相変らずの盛況ぶりで、なかなか楽しめますね。
 さて、問題は天候です。車検を終え、慣熟歩行が終わってブリーフィングが終わっても一向に雲が切れる気配がありません。路面温度は23℃前後。さすがに楽観していた僕らも焦り始め徐々にテンションが下がってきました。
 何しろ、今回はフルドライの熱い戦いを想定して準備を進めてきたのです。熱い走りできっちり攻め切って戦いたい、そう願っていたのですが、これではここまでの準備が水の泡(T_T)。それでもやれるだけのことをやるしかありませんが、ちょっと状況はきつ過ぎます。
 ここで頭を過ぎったのが、ウェット用タイヤを使うということ。僕らのチョイスとしては、ドライ高温用の18インチG/Sコンパウンドとウェット&低温用の17インチG/2Sコンパウンド、という選択肢があります。ただし、G/2Sはドライでの走行経験は皆無に等しく、そのタイヤライフからドライでの使用はどうしても避けたいところ。一方G/Sには若干きつい温度域であることは明白。こんなことをもやもやと考えながら出走順が近づきます。
 最終選択の時間が近づき、ぶつぶつとかんとくと議論しながら当初の予定通りG/Sへタイヤ交換を始め、2本交換が終わった頃でしょうか、現れた宮嶋親方は「おまえ、何しに地区戦来てるんだっ!!」との一言を。
 親方が言わんとしていることが痛いほど伝わり、涙が出るほど嬉しかったです。
 これにかんとくの「お行きなさい」の言葉に、既に高温ドライ用タイヤを2本組み付けた時点で、急遽ウェット&低温用タイヤに組み替え。3キロオーバーまで入れてあるエアをかんとくに手伝ってもらい必死で落として、なんとか出走に間に合わせて賭けに出ました。
 それでも、ほんとにこんな選択していいのだろうか?と不安が過ぎっていましたが、Waka選手に「一発に賭けてやるだけのことをやるって感じがイイですね」と声を掛けられて気持ちが落ち着きました。
 何しろ、ドライ路面でのG/2Sと言えば、路面温度9℃のいつぞやの千葉フェス以来のこと。20℃オーバーの微妙な路温でのG/2Sは未体験ゾーンという不安満載の選択。あとはここまでやってきたことを信じるしかありません。
3.第一ヒート
 G/2Sのグリップ力を信じて、6000rpm程度からスタート。さすがにタイヤはグリップを失いますが、わずかにコントロールするとすぐにグリップし始めて立ち上がります。2速、そして3速と上げてバスストップに進入。アクセルを緩める準備をしながら進入しますが、行っちゃうと行けちゃう感じで(笑)、そのまんま通過。バスストップ出口付近でブレーキングを開始すると、僅かに挙動を乱し気味になりパイロンを通過してしまいますが、なんとかこらえて、2速に落としてコーナリングに入れました。ふわっとアクセルを開けて軽くコントロールした後、すぐに全開にしてみると、今度はテールが思い切り流れて土手に行っちゃうかと思いましたが、不思議なグリップ感があり、なんとか踏み切って立ち上がります。そのまま一瞬3速に入れてすぐにブレーキングして2速へ。ちょっと減速しすぎてアクセルを開けにかかりますが、フロントがだらしなく逃げる感じに戸惑い、ハーフのままバスストップへ。一旦曲げて気を取り直してアクセル全開。外周右奥のパイロンを頑張って減速してコーナリングに入りますがフロントは外へ外へと逃げて行き、踏んでいいのか迷いながらじわっとアクセルオン。3速まで上げて島のおにぎり手前の右パイロンへ。ここは左が下っているので丁寧に、という思いと、このグリップ感なら稼げるかも、という思いが交錯しながら進入してサイドを当てると、思い切りエビターン(涙)。ほとんど一旦停止状態からアクセルを開けておにぎりに入り、島を大きく離して左サイドを当てて島を脱出。いやらしく左に小さく回し込みながら2速に上げて左パイロンで軽くブレーキングを入れるとフロントが逃げてパイロンを離してしまいます。すぐにアクセルを入れて続く左パイロンでしたが、おかげてこいつがきつくなり、結構な減速を強いられてクリアし、全開で左奥のパイロンへ。アウト目からパイロンに入りコーナリングを開始しますが、やはり立ち上がりでフロントが逃げる逃げる(涙)。探りながら踏み始めて途中から思い直したように全開。排水溝を外からかぶせるように入り、3速に上げながら続く左パイロンでGを切り替えて通過すると、立ち上がりで土手に行きそうになります(涙)。なんとかこらえてシェルへの進入で2速に落として、さらに島への入り口で1速に落として慌てふためきながらサイドを当て、島を斜めに通過。2速に上げて島を脱出しながら姿勢を作りますが、左のパイロンが気になって避けながら3速に一瞬入れて排水溝へ。しっかりと落としながらサイドを当てますが、これがまた中途半端で大きなRとなって立ち上がります。2速に上げ、島のおにぎりへのシケイン気味の進入ではややアウトからかぶせ気味に入り、島の角を踏みながらこらえて通過し、最終のテクニカルへ。入りの左パイロンには寄り切れず、ちょっと離れた位置からサイドを当て、アクセルを開けた後すぐに右パイロンでサイド。ちょっと回しこみながら続く右パイロンでは深めに回して立ち上がり、最終左パイロンでサイドを当てて立ち上がってゴール。タイムは、1'19"1でした。

4.第二ヒートの対策

 親方から2.5秒落ちの7番手という、微妙なタイムと順位で第一ヒートを終了。もちろんこのタイム差だけを見るとひどいものですが、何しろ初トライのG/2Sで、まだまだ余力を感じると同時に、フィーリングの悪さにアクセルを抜いた部分、過信してターンで裏返った部分、待てずに踏んでラインを乱した部分などがあった状態でのタイムですから、同じコンディションならタイムを詰められる目算も生まれてきました。
 慣熟歩行では、親方に頂いた貴重なアドバイスを組み合わせていくつかの改善ポイントを中心に対策をしっかりイメージし、第二ヒートに備えます。
 路面温度が上がったら18インチのG/Sをチョイスせざるを得ない微妙な線でしたが、どうも晴れ間が覗く気配は無く、路面温度はむしろ下がり気味の傾向でした。時折、ぱらっと水滴が落ちるほどのコンディションで、路面温度は20℃前後まで落ち込んでいます。このままなら先ほどのタイムは十分上回れるはずと強く信じ、スタートラインへ向かいます。

5.第二ヒート
 消極的になったら負けなので、路面状況を確かめる意味も込めてあえて6500rpm程度からスタート。一瞬グリップを失いますが、それほど状況は悪化していない感じ。2速、3速と上げながらバスストップに進入し、やはりアクセルを緩める準備をしながら進入しますが、結局そのまま踏み切ってバスストップを通過。同じような感じでブレーキングを開始しますが、先ほどより良く止まる感じがするのは気のせい?外周入り口パイロンには結構寄ってしまいました。すぐにアクセルを開けて一旦曲げるアクションをしてから全開。3速に一瞬入れてすぐにブレーキングして左パイロンで2速へ。再び全開にして、すぐにブレーキングして姿勢を作り、バスストップへはアクセルオンで進入して右奥パイロンへ加速。丁寧に曲げることを考えて左コーナリングに入り、ちょっと待ちながらもなんとか曲げてアクセル全開。3速に上げて右90度パイロンには今度はこれでもかというくらい減速して進入し、軽くサイドを当てると、ちょっとストール気味ではありましたが、まずまずの感じでクリアし続くおにぎりを左ターン。手前で少しステア修正したため、インを離してしまいますが、ひどいロスにはならずにサイドを当ててクリアし、姿勢を見ながらアクセルを極力踏み込んで立ち上がります。2速に上げながら無理やり曲げて、続く左規制パイロンで丁寧にブレーキング。すぐにアクセルを開け、続く右パイロンを丁寧に避けてアクセルオン。3速まで上げて加速しながら左奥の右1本パイロンへ丁寧に進入。我慢してコーナリングに入り、早めにアクセルを開けながら立ち上がり方向を狙って姿勢を作り全開。排水溝を若干離しながらもまずまずの感じで通過し、直後の左パイロン付近で3速に上げながら曲げてシェルまで全開。ちょっと突込み気味に入ったら案の定イン側がロックして焦りましたが、タイヤが食っているのでなんとかブレーキング出来て、2速でシェルを通過し、シェルの終わりで1速に落としてサイド。ちょっと失速気味だった気がしますがなんとか立ち上がり、2速に上げながら島を脱出。さらに3速まで上げて排水溝へ。丁寧に進入してサイドを当てますが、思いの外インに車が動いてしまい、焦ってステアで逃げながらなんとかパイロンタッチは免れて排水溝周りをクリア。そのまま2速に入れて、島への進入では通過速度を意識して進入しますが、おにぎりの角に乗りすぎて完全に2輪が浮いて踏み切れず、着地と同時に今度はシェルの角に左側が乗ってしまい弾かれてしまいます。そのままテクニカル入り口の左パイロンに進入しますがやはり寄り切れずやや遠目からサイドを当ててクリアし、続く右はほんの僅かに引っ掛け気味に引いてアクセルを開け、続く右パイロンをきちんと回して立ち上がり、最後の左パイロンはサイドの位置とストールに気をつけてクリアしにかかりますが、ちょっと車の立ち上がりが合わず、アウトにずれる車をコントロールしてゴール。タイムは、1'17"7でした。

6.最後に
 荒さも目立ち、走りの中身自体は、G/2Sのドライ走行に車を合わせるのが精一杯で、攻め切ったと言うには程遠い内容でしたが、他のドライバーも路面状況への対応に戸惑う中、限りあるチョイスの中から決断をして、2本の走行でなんとかタイムをまとめることが出来、結局3位で競技を終了することができました。
 これには僕自身、大満足の結果です。

 こんな感じで今期初、もちろん乗り換え後初の入賞&お立ち台をゲットできました。今シーズン開幕から、それほど気負っていたつもりはありませんでしたが、やはり微妙なところで気負いがあったんだと思います。まだ開幕からわずか3戦目ですが、長い長い1ヵ月半でした。特に今回は自分をかなり追い込んでいたこともあり、お立ち台が決まった瞬間、親方の走行を見ながらちょっとウルウルしちゃいました(笑)。この結果で満足したわけではありませんが、まずはほっとした、というのが今の気持ちです。

 さて、今回ですが、内緒にしていたのにどーしてばれてしまったのか不思議で参りましたが、なんと前々日入りという、全日本並の(?)スケジュールで浅間台入りしました。特別気合が入っていたというより、今練習しないでどうする?という思いが強かったからです。

 今シーズンが始まり、第1戦、第2戦と玉砕し、いろんなことを考えました。その結果、悔しいというより情けない、という思いの方が強かったのです。
 悔しがるなんてのは、やるだけやった後にすること。ろくすっぽ練習もしないで悔しがるなんて百年早いんじゃないかって思ったわけです。
 それに加えて、4月8日のチームの練習会に参加して頂いたEXEさんが、あそこまで熱心に練習されている姿に刺激を受けたのも事実です。あれだけの実績を残されている方ですらあんなに努力してるのですから、僕らのやることは一つですよね。
 さらには、第2戦で優勝を逃した親方が今回は前日から入るという話。親方と同じだけしか練習しなかったら一生追いつけませんから。親方が前日なら俺は前々日からだっ!って感じ
 その他にも、なんとなく動きを感じつつある気がしていたり、魔術師岡野選手の助手席で得られたヒントなどを試したい気持ちもあったりして・・・。
 このようにいろんな思いがあいまって今回の3デイとなったわけです。

 でも、むしろこんな行動は自分を追い込むだけで、実際上はあまりメリットは無い気がしますね、自分で言うのもなんですけど(汗)。ちょっと練習したくらいですぐにうまくなるもんでもないし(涙)。実際、地区戦当日の朝には多くの方々に「これで成績出なかったらどうすんだよ(笑)」って笑われましたから、実は自分にプレッシャーかけてただけだったのかもしれません(汗)。

 確かに、ここまでやって、自分を追い込んで、あほだなぁ、なんて思いながら日曜日を迎えた訳ですが、これだけやったんだからダメでも気持ちはすっきりするんじゃないか、というのが今回の狙いでもあったわけです。同じ結果が出ないにしても、一生懸命練習して出来る限りの努力はしたのであれば堂々と悔しがればいいし、納得もいくでしょうからね。

 ま、こういうやり方を否定する人も居るでしょうし、何しろ懐には無茶苦茶きついので(涙)、人には勧めませんが、親方に追いつくためには倍練習しても足りませんからね。特に今回はオフに全く走れませんでしたから、頑張り時にはやるだけやらないと。だって、あと47戦しか残ってないんですから(笑)。

 とにかく、サポートを頂いているリジットおよびアルファ関係者の皆様を始め、親方をはじめとする地区戦を戦うライバル達の多くのアドバイスのおかげです。ほんとうに、ありがとうございました。
 なんだか、ようやく今シーズンが開幕したって感じで、次回は楽しく走れそうです。

2005参戦記のメニューへ戻る

スペシャリストを夢見てのメニューへ戻る