2004JAF関東ジムカーナ選手権第10戦

10/3(日)、浅間台スポーツランド、ウェット




2004JAF関東ジムカーナ選手権第10戦
N4クラス

順位ドライバー型式1st-try2nd-trybest time
1位宮嶋一人 CP9A1'13"7891'10"4961'10"496
2位掛札雄一 GDB1'12"3671'14"2061'12"367
3位遠藤康浩 CP9A1'13"9411'12"5491'12"549
4位小野田了 CP9A1'13"1401'12"6011'12"601
5位新井範正 CP9A1'14"7861'13"5111'13"511
6位井上究 CP9A1'13"8311'30"5261'13"831
7位佐山敏史 CT9A1'13"9671'14"2091'13"967
8位福田裕二 GDB1'15"9951'14"0631'14"063
9位西野弘高 CP9A1'19"253(P1)1'14"2851'14"285
10位印南靖志 CP9A1'16"0261'14"5601'14"560

1.まえがき

 早いもので、10月3日に、今シーズンの地区戦最終戦となるJAF関東ジムカーナ選手権第10戦が、浅間台スポーツランドにて開催されました。第9戦からは2週間を挟んでのタイトなスケジュールでの開催でしたが、その間にチーム員との合同練習会参加とチームの練習会主催があったため、前日練習は参加せずに、体力を温存することとしました。
 台風の時期に加え、秋の長雨の時期ということもあり、天気予報とは日々にらめっこです。土曜日の昼過ぎまでは日曜日は曇りの予報であったため、夕方にドライを想定して車に荷物を積み込み、準備完了。一仕事して夜になって天気予報を見ると・・・・。予報は一転、終日雨マークが。絶対雨男が居るとしか思えませんね。仕方なくきゅうきょウェット準備を行うことになりました。
 午前中は微妙に曇りマークになっていますから、またまた苦手な1本勝負になってしまいそうな予感・・・。ウェットでもいいから、2本勝負がしたいところですね。

2.当日

 久しぶりにイベント当日に自宅から出発です。ゲートオープンを目標に4:30頃家を出発。都内は既に雨模様で、路面は完全にウェットでしたが、千葉県に入ると曇りに変わり、路面はドライのまま。これはやはり第一ヒート勝負か?と考えながら会場に近づくと、再び雨が降っており、既に浅間台はウェットになっていました。
 話によると、天候は悪化する方向らしく、どうやら今日はウェット2本勝負になりそうです。しかも、午後になると雨脚は強まるとかで、ウェットでも午前中の方がコンディションが良い可能性もあるとか・・・。ま、いずれにしても、ウェットになると超スリッピーな路面へと変わるここ浅間台ですから、多少のコンディション違いよりもミス無く走ることの方が大事でしょう。幸い、先週の練習会でウェット路面を走っているので、その時の情報を思い出しながらイメージを作ります。
 コースは、それほど距離はありませんが、島周りをしつこく使っており、ウェットではそれなりに長い走行時間が予想されます。実は島周りってあまり得意じゃないんですよね。ちょっと攻めづらく、イメージが沸かない感じがつきまといながらもコースを頭に叩き込みます。浅間台のウェットと言うだけでう全てのコーナリングやターン、そしてブレーキングからアクセルオンまでが高難易度となりますので、まず第一に、トラクションを逃がさず車を前に進めること、そしてブレーキングでやりすぎないこと、これが一番。その上で難しいのはまず1つ目のサブロク。バスストップとの路面の境目にあるため、ターンに入ってから修正しづらい四駆ではかなりの難易度が予想されます。低速セクションの島周りもうまく車を前に進めないとロスが大きくなりそうです。そして最終の8の字っぽいセクションは、ミューが低く感じる部分でもあるので慎重なターンが要求されますね。基本的に勢いで走るタイプの僕にとって(笑)、いかに大人の走りで、しかも攻めていけるのか、試されているようなこの日のコンディションに、気持ちを落ち着かせ集中して走りきることに専念します。
 その一方で、概ね予想はしていたけど、パドックスペースの問題から受理書がエントラントに返却されてしまう問題、クラス不成立の問題など、朝からもめごとばかりでがっかりさせられる主催者の対応に、できるだけ惑わされないように平静を保ちながら出走を待ちます。その後も雨は降り続いており、競技開始の頃にはかなり水溜りも出来てきました。そんな中、競技は順調に進み、いよいよN4クラスの出走です。セッティングは、標準的な浅間台ウェットセットで。

3.第一ヒート
 狭いパドックから何度も車を切り返してスタートラインに並ぶと、並んでいるうちにガラスが徐々に曇ってきました。「うわっ、どうしよ」とひとしきり考えた挙句、ちょっとヒーターを付けてみることに。すると、ぶわぁ〜っと熱気が出てきたと思ったら、完全曇りガラス状態(涙)。しばらく待っても曇りが取れないので、仕方なく窓を拭き拭きスタートラインへ付きます。スタート直前にももう一度拭いて、気持ちを切り替えてスタート。
 4000rpm程度から丁寧にスタート。やや空転が多く、一旦アクセルを緩めるダサダサスタートでしたが、とにかく加速して2速からブレーキング。まずは鬼門の右サブロクへ進入。若干丁寧にブレーキングを開始しますが、最近のタイヤは凄いですね。かなりしっかりとブレーキが利き、余る程でした。丁寧に進入してサイドを当てると、挙動が早い!!ここで反射的にアクセルを戻しちゃったのかもしれません。ターン後半の路面で急に挙動が収まり、リアタイヤが突如グリップを取り戻し始めます。アクセルを踏みつけますがリアは食ったまま。すると立ち上がりの内輪差で右パイロンをタッチしそうになったので、慌ててフォローして、なんとかパイロンだけは避けてターンを通過しますが、その後の規制が今度はきつい(涙)。アクセルを緩めて規制パイロンを抜けて2速へ。はやる気持ちを抑えて丁寧にブレーキングに入り左1本コーナーをクリアしながらアクセルオン。若干フロントの逃げが気になりますが、アクセルコントロールしながら立ち上がって斜めにおにぎりに向かいます。ブレーキングポイントが見えませんが、島のちょい手前からブレーキングを開始し、丁寧に1速に落として島に進入。ここは無理に寄せずにまっすぐブレーキングして、グリップを選択しました。かなり深い水溜りにどっぷりと浸かりながら、おにぎりを通過しますが、車の姿勢変化が中途半端で、またもやアクセルコントロールしながら立ち上がり、左奥の島では今度は軽くサイドを当ててみます。ところが完全にリアが引っかかり、ほとんど挙動しないままステアリングで左奥の島を我慢してクリア。しっかりアクセルを開けて島を斜めに突っ切り、シェルの角で、フルブレーキング。ここは我慢のグリップで入りますが、水溜りがひどくて、ウィンドウシールドに大量の水が襲い掛かってきました。アタック中なのに、ちょっとびびって、車大丈夫なのかな、なんて心配しながら、シェルをなめるように加速し、再びシェルの角でブレーキング。島に引っ掛けるように再び島に入り、アクセルオン。ちょっと姿勢変化が甘く、島の脱出時に外側の縁石に乗っちゃいましたが、構わず2速に上げて外周へ。3速に入る前にブレーキングを開始し、外に飛び出さないように丁寧に車をコントロールしながらイン側パイロンに寄せていきます。きちんと車速を落とし向きを変えつつ、アクセルオン。いとも簡単にテールがスライドを始めるので神経を集中しながらかつアクセルを踏み込み、2速全開からまたまた島に進入。オーバースピードは禁物なので、丁寧に速度を殺して、左側の縁石、おにぎりの角をちょっとづつ乗る感じで島の中に入り、おにぎりの角で向きを変えて、アクセルオンで島を脱出。ややアウトに車がはらんだため、ワンアクション入れて踏める体制を作ってアクセルオン。ギャラリー前のテクニカルに、丁寧に進入、っと思った時には既に遅く、完全オーバースピードで進入してしまいました。そこで抑えられるなら苦労しないんですが、その速度からサイド引いちゃったもんだからもう大変。車はフルカウンター状態でアウトにはらんでしまいます(涙)。出来る限りのコントロールをして、なんとか次の右270度に車を合わせ、こっちはそれなりに抑えてターンに入ってクリア。アクセルを一旦踏み切って、ゴール前の左パイロンで軽くサイドを当ててゴール。タイムは、1'13"9でした。

4.第二ヒートの対策
 さすがに、浅間台のウェットは難しい。前日練習でもしていれば、多少体は動くのかもしれませんが、いきなり来て、体のセンサーが対応しきれない感じ。あっ、と気が付いたときには時既に遅しって挙動を示してしまいます。手前手前での積極的な操作で後手に回らないように走らないといけませんね。
 トップの掛ちゃんからは結構なタイム差がついてしまいましたが、それでも5番手に位置しており、明らかなミスを無くせば、2番手には食い込めそうな感触はあります。区間タイムを確認してみると、やはり大きくミスをした1コーナーのサブロクとギャラリー前の左180度が最悪で、合わせて1秒以上のロスがある模様。それ以外にも島の中などで遅れがあり、なんとか大ミスなく合わせ切れれば1.5秒程度、恐らく多少はミスが出ちゃうだろうけど、1秒程度はなんとかなるという目算が得られました。
 一方の宮嶋さんも結構なミスをしているようで、トップ掛ちゃんからは1.4秒差の3位に位置していますが、なぜか今回はテンションが低い感じ。「今日は届かないかもしれない」との弱気なコメントを珍しく聞く程でした。そうは言っても宮嶋さんですから、間違いなくタイムは上げてくるでしょう。しかし、もしかしたらってこともありますからね。僕もトップタイムには届かない気がするけど、2番手タイムなら十分に狙える余地があると思っているところ。こうなったら、このチャンスに掛ちゃんとのワンツーを狙うべく、精一杯やりましょう。そのためには、僕がタイムを上げていかないといけませんね。
 降りしきる雨の中、何度もポイントとなりそうなセクションを繰り返し歩き、操作のイメージを作っておきました。また、第一ヒートでは窓の曇りがとても気になったので、ヒーターをガンガンにかけて車内を乾かし、曇り止めを塗って第二ヒートに備えます。
 時折雨が強くなったり、弱まったりを繰り返しながらも、コンディション的には大きな変化は無く、タイムアップは十分に期待できるはず。セッティングには変更を加えず第二ヒートにのぞみます。

5.第二ヒート
 曇り止め効果ばっちりで、スタートラインに尽きます。4000rpmより若干回転数を落として丁寧にスタート。それでも僅かに空転させすぎてしまい、アクセルコントロールしながら加速。2速まで上げて、丁寧に、右サブロクへ進入。今度は躊躇せず回すことを決意し、浅間台の路面にしてはやや速すぎる振り出し速度で回し始め、そのまま躊躇せずアクセルを入れると、バスストップで丁度良い旋回状態を作り出すことが出来、ターンをクリア。バスストップをリアタイヤが出るあたりでちょっとアクセルコントロールしたら、すぐにリアが食ってしまい、惜しい失敗をしましたが、概ね予定通りのターンが出来て立ち上がります。最後のチョイミスのせいで、わずかに規制パイロンがきつくなってしまいましたが、軽いアクセルオフでパイロンを避け、2速へ。一瞬きっちり踏んですぐに減速を開始し、コーナリングに入ります。クリップを過ぎたあたりでアクセルを開け始めますが、やや通過速度が速かったのか、フロントがゴゴッ、ゴゴッと逃げ始め、アクセルを開けきれず我慢と格闘しながら向きを変えつつアクセルオン。全開で島に向かって斜めに立ち上がり、ブレーキングポイントが見えない島の角手前から、丁寧にブレーキングを開始。1速に落として、ここは先ほど同様グリップで進入します。相変わらず抵抗を感じる程の深い水溜りに浸かり、アクセルオン。左奥の島には寄って入り、今度はきっちりサイドを当てて行きます。思ったよりスライドしてからのグリップ感があり、これなら島への入り口も引いとけば良かったと思うほど。それなりにロス無く旋回し、島を斜めに突っ切ってアクセルを一旦全開にし、シェルの角へ。きちんと減速してきっちり曲げ、シェルの角をグリップで通過。ここもやっぱり水溜りが深く、水浴びしてるような感じでした。シェルに沿ってアクセルを開け、再びシェルの角でブレーキング。僅かに減速が早かったのですが、そのままステアリングを気って、縁石に大胆に乗って、またまた島に入りアクセル全開。そのまま僅かにステアを左に入れたまま、2速に上げて全開で外周へ。2速が吹け切る前にブレーキングを開始し、外周パイロンを狙いますが、完全にブレーキング開始が早すぎました。余りに余ったブレーキングをだらだらと続け、こうなったら最短ラインをということで、パイロンぎりぎりを狙って進入し、コンパクトなラインでの脱出を狙います。立ち上がりはテールスライドが止まりませんが、なんとかアクセルを開け、2速全開から島に進入。消極的になりすぎないようにそれなりに頑張ってブレーキングし、左の縁石、右の縁石を狙いつつ、島を通過。ギャラリー前へ一踏みして今度は丁寧にブレーキング。気持ちでは止まりそうな速度まで減速し、僅かにサイドを当て、向きを変えアクセルオン。なんとか予定通りクリアし、右270度へ。僅かに進入速度が速かった気がしますが、テールの挙動をコントロールしながら押し出すようにアクセルを開け、最終の左パイロンへ。このブレーキングで、一瞬ブレーキングが遅れた気がしましたが、なんとか間に合い、軽くサイドを当ててゴール。タイムは、1'12"5でした。

6.最後に
 ゴール時点で、2番手。うーん、結構うれしいけど、微妙に悔しいなぁ、なんて思いながら狭いパドックに必死で車を止めながらアナウンスを聞いていると、今出走している掛ちゃんがトップタイムをキープしているとの放送が。ってことはなんですか?今、もしかして、念願のワンツー体制???こりゃゆっくりしてられないと、急いで車から飛び出て観客席へ。既に掛ちゃんはゴールし、タイムダウンに終わったようですが、それでもまだワンツー体制です。タイムダウンにちょっとがっかりしている掛ちゃんにその旨を伝え、すぐにラスト2の走りを見に行きます。そのラスト2の究さんですが、かなり路面にてこずっているのか、めずらしくミスをしているようで、タイムダウンに終わってしまいました。これであと1人、親方宮嶋さんがスタート。四駆には鬼門とも言える1コーナーのサブロクに観客の注目が集まりますが、これを歓声が上がるほどのすばらしいターンで通過。その後も見事なマシンコントロールで中間をクリア。注目の中間ラップは・・・、なんと掛ちゃんの中間より1秒以上速い!!つうことはなんですか?このままゴールしたら間違いなく逆転じゃないですか(涙)。その後も神業のようなマシンコントロールを繰り広げ浅間台のウェットとは思えない安定した車の動き。ミスを願うしかない場面ですが、とてもミスするとは思えない格の違いを見せ付ける危なげない走りで、ほぼ完璧にゴール。あくちゅアナがためにためて、「タイムは・・・・・1分・・・・・・」、と静まり返った中で、「たぶん11秒台に入っちゃうんだろうなぁ、でも12秒って言ってくれないかなぁ」と願いながら耳を済ませると、「じゅうびょう〜〜〜よんきゅうろく〜〜〜っ!!」。誰も予期しなかった秒台がアナウンスされた瞬間、観客席からはあきれ返って笑い声しか聞こえないほどでした。
 それにしても、この日の宮嶋さんの走りは凄かった。このタイムは今の僕の力では何十本走っても出せないと断言できる。悔しいという気持ちは全く起きず、俺たちはとんでもない人に挑もうとしているんだ、ということを強く再認識させられた1日となりました。
 それでも、結果的に掛ちゃんとは2度目の一緒のお立ち台。まだまだ僕らと親方とでは格が違いますが、いつかはワンツーを狙っていきましょう!!

 そうそう、この日は最終戦だったので、もしも入賞できて賞金が出たら、1年間のお礼ということで賞金をかんとくにあげる約束をしていました。もし優勝しちゃったらもったいないかな、なんてありえないことを考えたりもしましたが、やっぱりそれはありえませんでしたね(笑)。それでも22台がエントリーしたN4クラスで3位ですから、全額かんとくにあげちゃうのももったいないかなぁ(笑)なんて思ったりもしましたが、約束は約束ですからね。きっちり受け取ってもらいました。グルメ券8枚全て。大丈夫、僕も副賞もらいましたから。某メーカー系チューニングメーカーの帽子1個。副賞のために戦ってるわけじゃありませんが、これほどは・・・。
 ってなわけで、雨の浅間台にて、今シーズンの地区戦全日程が終了しました。競技後は、N4クラスのエントラントを中心に20名ほどで食事に行き、今シーズンの終了を名残惜しんだ後、帰路につきました。
 今年もかなりタイトな競技日程だったせいか、あっという間の1年でしたが、僕にとっては予想外の結果が得られ、充実した1年となりました。地区戦シリーズも、初のシリーズ入賞となる4位が確定した模様です。シリーズが終わってしまうと急に寂しくなりますが、幸い、今年はあと2戦、JMRCオールスターと、JAF CUPが残っています。2度とないかもしれない両イベントへの参加ですから、楽しむと同時に、出来る限りのことはやってこようと思っています。


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