2004JAF関東ジムカーナ選手権第7戦

8/1(日)、ラリーキッズ伊那、ドライ




2004JAF関東ジムカーナ選手権第7戦
N4クラス

順位ドライバー型式1st-try2nd-trybest time
1位遠藤康浩 CP9A1'33"3951'38"832(P1)1'33"395
2位宮嶋一人 CT9A1'33"6261'33"4361'33"436
3位小林一博 CP9A1'33"4881'34"2981'33"488
4位掛札雄一 GDB1'33"9071'34"1101'33"907
5位西野弘高 CP9A1'34"3501'34"8131'34"350
6位新井範正 CP9A1'34"9711'34"8861'34"886
7位井上究 CP9A1'35"9191'35"2361'35"236
8位印南靖志 CP9A1'35"3541'35"5081'35"354
9位石塚進 CP9A1'35"9651'35"4771'35"477
10位舟橋悟 GDB1'36"2251'35"9931'35"993

写真はWebwheel選手にご提供いただきました。
ありがとうございました。

1.まえがき

 日本列島はどうなっちゃったの、という程の猛暑が続く8月1日に、ラリーキッズ伊那にてJAF関東ジムカーナ選手権第7戦が開催されました。予想最高気温が35度と言われてもめずらしくなく、32〜33度だとほっとするような錯覚に陥る天候が続いていましたが、なぜかこの週末に向けて、台風が接近中との事・・・・。今年の地区戦、呪われてます。
 そんな訳で、半信半疑ながら汗びっしょりになってウェットタイヤの準備を済ませ、週末を迎えます。
 実は伊那は何度か走った経験があり、個人的に好きなコースなんです。あのタイトなコーナーやアップダウンがまんま峠チックで、燃えるんですよね(笑)。割とカートコースには相性の良い私にとって、この伊那と続くもてぎのカートコースラウンドはもう一度お立ち台を狙うには絶好の機会だと思っています。しかし、そのためには今年の掲げたテーマが最重要となることも明白です。もう、行く前から今年のテーマ「○○」を口にしていました(笑)
 そして、このカートコースラウンドを前に、ブレーキに手を入れてもらいました。実は組んだっきり変えていなかった(爆)ブレーキパッドを、RIGIDさんの最新スペックパッドに交換し、ついでにローターも新品に交換して頂きました。
 土曜日早朝、伊那への中央道では、台風の影響で時折前が見えない程の豪雨になったりと、かなり天候に不安を抱えながら、道を急ぎますが、伊那に到着する頃には晴れ間に変わり、気温がかなり上がってきました。
 その前日練習は4本走行とのことで、一応いくつかのテストを交えながらラインと攻略を確認してみました。まず第一トライで感じたことは、泣けるほどブレーキがイイ!!ってこと。にやけずには居られないほどで、3速全開からのブレーキングでも安心感があり、姿勢変化も容易にできるバランスを持っています。これははっきり言って武器になりそうです。タイム的にも、1、2本目までは宮嶋さん、掛ちゃんにコンマ差で続くタイムが出ていた模様。3本目、4本目はちょっと試したことが裏目に出て最終的にはやっぱりいつものように1秒強離されて練習走行を終了しましたが、感触は悪くありませんでした。
 宿はいつものように掛札夫妻らに加え、新井夫妻や服部さんらとチェックインし、大爆笑しながら名物さがり肉を堪能した後、各自部屋へ。本日の解析を行ったところ、練習中にパイロンキングさんにアドバイスを受けた通りでした。あと0.5秒は確実に見えることが判明し、残りの0.5秒は気合いでもぎ取ることを誓い、早めに就寝しました。

2.当日

 お酒も控えたせいか、体調はかなり良い感じ。実は極度の肩こりから首筋を痛め首が回らなかったのですが、状態は回復した様子。天気予報では雨の心配は無く、かなりの暑さになりそうです。
 伊那の町って、なぜかコンビニが少ないようで、弁当を買うのに苦労しながら、地元の方に近道を教わったりして会場入り。ゲートオープンを過ぎているのに入り口渋滞で、会場入りできたのはゲートオープンから30分が経過した頃でした。
 終盤ゼッケンは屋根の近くにパドックスペースが設けられており、割と快適に1日を過ごせそうです。早めに準備を進め、受け付け後、コース図を見ると、やっぱり昨日とかなり似ているコース設定。もう少しひねれないのかなぁ、と疑問を持ちながらも、与えられたコースを走るしかありませんからね。昨日の結果を材料にコース攻略を組みたてます。
 なりに走っていてはタイムは出ませんから、慣熟歩行では、とにかく攻めきるために景色をインプットし、狙うポイントを明確にすることを心がけました。昨日遅れていたセクションは明らかにアクセルを抜いていたところ。そんなヌルイ走りでは勝負になりませんから、前日よりもブレーキ回数を2回減らす作戦で行くことに。ラインに関しても2箇所ほど若干の変更を加えることにします
 そして今回狙うべくは2度目のお立ち台。それなりにタイムを残す必要がありますが、攻めきることも重要。まずは好位置につけられるように、集中して走りましょう。
 セッティングはいつもと概ねいっしょです。
3.幻の第一ヒート
 スタート両脇のコンクリートウォールが意外と狭い感じで、ムリすると恐いので、4500rpm程度から丁寧にスタート。車を徐々に右に曲げ、2速、そしポイントをて3速に上げて1コーナーの縁石脇に飛び込み、奥で一旦ブレーキング。そこから、じんわりとアクセルを開け、2コーナーの縁石には軽く乗って、そのまま全開で3コーナーへ。きっちり踏み切った後2速にシフトダウンしながらインに寄り、一旦アクセルを開けた後、すぐにブレーキングを開始して4コーナーへアプローチ。立ち上がりがはらまないように気をつけますが、それでもややラインがアウトよりになってしまいます。とにかく舵を当てながらアクセルを開け、インフィールドの複合右コーナーへ。ややブレーキング奥目に取って向きを変え、イン側を狙ってアクセルオン。シケインの入り口は全く見えないので、やや手前から丁寧にブレーキングしながら姿勢を作りますが、やっぱりブレーキを余らせてしまいます。シケインをアクセルオンで丁寧に抜けて、下りのS字へ。意外と右コーナーのパイロンが近いので、それなりに姿勢を一瞬作って、リズム良くS字を軽いアクセルオフで姿勢を作りながら抜けます。下ってからはすぐにブレーキングを開始し、左のヘアピンにアプローチ。なんとかインには付けますが、アクセルオンを焦りすぎ、立ち上がりはややアウト目に膨らんでしまいます。そこから、3速に上げて今度はインフィールドの複合コーナーを左回りです。自然な感じでインに寄ってアプローチし、2速に落とし、そこからは根性でアクセルオン。なんとか通過でき、右回りの4コーナーへ。しかし、速度を乗せすぎてブレーキングが遅れたため、この入りがかなりきつくなってしまいます。ブレーキングでの姿勢変化も間に合わず、とにかくステアリングを一生懸命切って通過。当然車速も落ち、立ち上がりはアンダーで完全にパワーバンドを外してしまいます。体を揺らしながらアクセルを踏んで3コーナーを通過し、その後の右180ターンへ。3速に入るかと思ってましたが全く入らず、そのままアプローチしますが、どうも速度感が合わず、パイロンを随分離してのターンになってしまいます。立ち上がりは無理に曲げずに平行気味に立ち上がって、自然に外へ。2速に上げて3コーナーにはやはり自然にインに寄ってブレーキングし、すぐにアクセルオン。4コーナーに向けてブレーキングを開始しますが、今度はフロントが完全に逃げ、かなりラインをはらませてクリアする羽目に。それでも踏むしかないので、アクセルを開け、複合の右コーナーへ。このアプローチは先ほど同様、若干ブレーキングポイントを奥に取ってアクセルオン。そのまま3速まで上げてバックストレートを加速し、右回りの下りヘアピンへ。ここも自然にインに寄りながら少し進入は頑張って縁石上を通るくらいの感じでアプローチ。一旦アクセルを開け、アウトにはらみ、登りのS字前で姿勢を作るための軽いブレーキングを入れて、S字へ進入。なんとなく登りのパイロンがきつい感じなので、それほど縁石には乗り過ぎないように、リズミカルにS字をアクセルオンで通過し、上がってから3速へ。左の鋭角な最終ヘアピンは、手前でブレーキングと姿勢作りを終えて、アクセルオンで通過。そのままアウト一杯まではらんで緩い下りを駆け下りながら3速に上げ、最終コーナーまで全開。最終コーナーはイン側の縁石を意識して、アンダーに気をつけてハードブレーキングで進入し、向きが変わり始めたら全開。そのまま3速まで上げて踏み切ってゴール。タイムは、1'34"2でした。

4.本当の第一ヒートの対策

 なんとトップ掛ちゃんから遅れること0.5秒の2番手でゴール。宮嶋さんはと言えば、僕から約0.3秒遅れて4番手。しかし、宮嶋さん、ハーフスピンをやらかしていて、そこで、1秒強のロスがあったようですから、まともに走られたら完全にやられているところです。それでも打倒宮嶋作戦としては最高の展開になっていることは間違いありません。
 参加台数106台ほどのうち、僕のゼッケンは61番と、慣熟歩行までは時間があるため、急いで第一ヒートの解析を行うことにしました。案の定、走っていてロスしたと思えるセクションが遅れており、その原因もはっきりしているので、主に4箇所の修正を念頭におくことに。
 解析が終わると慣熟歩行時間となったので、とにかく歩いてからお昼ご飯を取ることにします。ずっと競技参加をともにしてきた掛ちゃんと、とりあえずワンツーに位置することから、路面やタイヤの感触などの情報交換をしながら上機嫌で二人でコースを歩きました。そろそろ慣熟歩行も終わりに近づき、「腹減ったなぁ、飯にするかなぁ」なんて思っていた頃、近くにいたダメーズ4枚目さんが「今の放送聞きました?」と真剣な顔で声をかけてきました。もう一度放送されるアナウンスを良く聞くと・・・「ゼッケン51番以降の全車両は第一ヒートを再出走してください」とのアナウンス・・・。耳を疑いました。どうやら、ゼッケン50番のパイロンタッチ後、オフィシャルがパイロンを数十cmイン側に置いたらしく、そのまま最終ゼッケンの106番まで走行してしまったそうなんです。従って、60台近い車両が再出走を余儀なくされるという前代未聞の展開。これに怒ったのは、僕と掛ちゃん(笑)。だって、打倒宮嶋さんを常に意識し、いつかは二人でワンツーを、と誓い合ってきた二人が今ワンツーなんですよっ!!!それを無かったことにしてやり直せだなんて・・・。理解したくても理解できない展開に、怒りを爆発させてました。おまけに、今から20分後には再スタートするとのことで、慣熟歩行をしている時間すらない!!急いでパドックに戻り、やりきれない気持ちをなんとか抑えこもうとしながら慌しく出走の準備を進めました。
 この51番以降ってのは、N4クラスの中盤ゼッケンに相当し、N4クラスのみ、前半ゼッケンは再出走なし、後半ゼッケンは再出走あり、という微妙な展開となったわけです。もちろん前半ゼッケンの選手ももう一本走りたいだろうし、幻の第一ヒートで好結果だった我々は、非常に微妙な気分な訳です。だって、もう一本走って宮嶋さんより上に居られる保証はないし、2番手に居られる保証も無いんですよ(涙)。もう、いろんなことが頭の中を交錯しましたが、考えることは後ろ向きな考えばかり・・・。コース攻略を考えようとしても、一旦集中を完全に抜き切った状態からは急には切り替えができず、このまま走っても恐くて攻められない、と思ったのが正直な気持ちでした。
 ここで、ふと思ったのが、「せめて先ほどのタイムか再出走かを選択できればいいのに・・・」ということ。でも待てよ、もしそうだったら、自分はどうするんだ?先ほどのタイムを選ぶ訳が無いよな。だって負けてるんだもん。もう一本走れば確実にタイムアップできる自信もある。だったらこれはチャンスじゃないか、と、一気に気が楽になり、俄然走る気が沸いてきました。
 丁度この直後に、地元伊那スペシャリストのWebwheelさんがわざわざ貴重なアドバイスを伝えに来てくれたのです。ま、この内容はあまりにも貴重だったので、ここでは控えますが、完全に迷いは消え、攻めどころ、集中のしどころを明確にすることができました。持つべきものは友ですね。本当に感謝しています。
 そして、今まで暑さともやもや感で一杯だったのが、嘘のように気持ちがすっきりし、不思議と暑さを感じないほど集中して車に乗りこむことができました。幻の第一ヒートの走りに関する青汁マンさんからの「うまく走ってるけど、オーラが足りない」とのアドバイスを思い出し、こうなったら意地でも踏んで何があってもアクセルは離さない、と強く決心してスタートラインに。

5.本当の第一ヒート
 スタートで意外と遅れている事実を知ったため、コンクリートウォールに接触してもペナルティにならない、と言い聞かせ、5500rpm程度から思い切りスタート。そのまま右に切り込むとテールが流れますが、アクセル全開のまま2速、3速と上げ、1コーナーのインを狙って飛び込みます。奥目で車速を落とし過ぎない程度にハードブレーキングすると、かなり車がヨーイングし、ちょっとびびりましたが、そのまま2コーナーの縁石めがけてアクセルオン。縁石で車が蹴られて完全に2輪が浮いたと同時にパイロンが正面に見えますが、そのまま全開にしていると、うまい具合にアウトに車が飛んでいき結果オーライ(笑)。3コーナーには自然にインに寄りながらこれまたややハード気味にブレーキングして2速に落とし、アクセルオン。すぐにブレーキングを開始し、ここは丁寧に我慢して縁石を舐めるようなラインに車を乗せてからアクセルオン。インフィールドの複合右コーナーではブレーキングポイントを奥目にとり、ブレーキングで向きを変えてアクセルオン。やや減速しすぎた感じですが、そのまま加速し、シケインへ。例によって入り口が見えないのでやや手前から丁寧にブレーキングしますが、さすがに手前過ぎました。一旦アクセルを踏みなす羽目になり、丁寧にアクセルオンでシケインを通過。下りのS字は右コーナーのパイロンが外に移動したので(っていうか、これが本来の位置だけど・・・)、大胆に縁石上を一杯一杯までまたぐラインに飛び込みます。かなり車は跳ねますが、ワンアクションで姿勢を切り替え左の縁石もパイロン当たるくらいまで乗って脱出。すぐにブレーキングを開始し、登りの左ヘアピンに丁寧にアプローチ。立ち上がり方向に集中してアクセルオンのタイミングを見計らい、全開。3速に上げてインフィールドの複合左コーナーへ。イン気味のラインで進入し、かなりハードなブレーキングで2速へ。そこからはイン側の縁石に思い切り乗って全開。とにかくアクセルだけは踏み付けて右回りの4コーナーへ。ここは気持ちを落ち着かせ、丁寧に進入ラインを作って姿勢を作り、アクセルオン。今度はそれなりの通過速度を稼げたようで、続く3コーナーも根性で踏み切って右180度へ向かいます。ところが、速度の乗りが先ほどとは完全に違っていたせいで、気づいた時には完全にブレーキングのタイミングが遅れ、さらに大きくパイロンを離してターンする羽目に(涙)。体を揺らしながらアクセルを踏んで立ち上がり、2速に上げて3コーナーへ。自然にインに寄って軽くブレーキングを入れてすぐにアクセルオン。さらに直後、徐々に食わなくなってくる印象のあるフロントタイヤの状況を考え、先ほどよりさらに丁寧にブレーキングをして4コーナーをクリア。それでも立ち上がりではらんでしまいますが、大きなロスにはならなかったと思います。複合の右コーナーでは、同様のアプローチで入り、イン側を見ながらアクセルオン。そのまま3速まで上げてバックストレートを加速します。下りの右ヘアピンにはやはり自然にインに寄りながらハード目にブレーキングをして、テールが出るのを楽しみながらアクセルオン。一旦アウトにはらんで、軽く姿勢作りのブレーキングを入れて、もう登りのヘアピンはイケイケで全開。かなり縁石に乗り車が完全にジャンプしてる気がしますが、構わず踏んで3速へ。左の鋭角な最終ヘアピンは、若干ブレーキングが遅れましたが、なんとかぎりぎりでブレーキングを終了し、うまく姿勢変化もできてアクセルオン。イン側の縁石をこれまた大きく乗ってしまい車が完全に浮きますが、構わず踏んで外側の縁石まで一杯一杯に立ち上がります。下りながら3速に入れ、最終コーナーまでは全開。イン側の縁石目掛けてブレーキングを行い、フロントのグリップと姿勢を確かめながら極力早めにアクセルオン。さらに全開で3速まで上げて、気持ち良く踏み切ってゴール。タイムは、1'33"3でした。

6.第二ヒートの対策
 昨年も伊那の地区戦で3位に入っている地元スペシャリストの小林君が出したラップを0.1秒上回ってトップタイムでゴールしましたが、僕以降のラスト3には抜かれることなく、なんとびっくりの第一ヒートをトップで折り返すことになりました。
 ターンセクションはストールしてるし、狙ったラインからずれてしまうセクションもありましたが、あれだけ踏み切った割には概ね狙い通り走ることが出来、コースからこぼれることも無くゴールできたようです。正直、2コーナーやインフィールドの往復、S字区間の登り下りは、全てイン側の2輪が浮いちゃってる状態で、走りながら涙が出てましたが(笑)。とりあえずアクセルだけは戻さなかったはずです。この短時間での気持ちの変化と、根性入れて走った第一ヒートの走行のせいで、ぐったり疲れ切ってしまいました。
 空腹なはずなんですが、食欲も沸かず、それでも食べなかったら第二ヒートが持たないと、無理やり弁当を食べ、第一ヒートのビデオを研究してみます。やはりそれなりには走っており、同じコンディションだったとしても、あと0.3秒くらが僕にはやっとでしょう。今のところトップとは言え、相手は地区戦トップドラ。このまま逃がしてくれるとは到底思えません。とにかく、今のイメージをしっかりとキープし、ターンセクション、そしてロスしやすい肝となる部分を復習して、第二ヒートに備えます。
 不規則な展開となったため、第一ヒート後の慣熟歩行はありません。路面温度はさらに上昇し、各クラスともタイムアップが難しくなっているようです。N4クラスが始まってからも、タイムは伸びず、暫定2番手につける小林君ですらタイムを落としている様子。路面の状況に注意して集中し、かつ大胆に攻めることにしましょう。守るものはありませんから、攻めあるのみです。

7.第二ヒート
 5500rpm程度から先ほどよりもさらに激しくスタートしますが、ちょっとやりすぎちゃったみたい(笑)。姿勢をかなり崩してふらつきながら加速し、3速で1コーナーへ。ブレーキングではやはりヨーイングっぽい動きが出ますが、そのまま2コーナーの縁石目掛けてアクセルオン。全開で3コーナーに飛び込みます。自然にインに寄りながらハードブレーキングでクリアし、アクセルオンの後、すぐにブレーキングを開始しますが、フロントが全然食わない(涙)。力が入って進入速度がかなり速かったのかもしれません。おかげで立ちあがりがきつくなりますがとにかくアクセルを開けて複合の右コーナーへ。ややきついアプローチから奥目のブレーキングで曲げ、全開で立ち上がります。ここまででリズムが悪く遅れていると思ったのでしょう。頑張ったらロクなことが無いシケインを頑張ってしまい、進入でわずかにテールが流れてしまいます。おかげで、シケイン通過はカウンターを当て完全にアクセルを抜いて通り抜けるのがやっと(涙)。大きく姿勢を乱さずには済みましたが、期待するラインには乗せられず、もう下りのS字は姿勢乱しまくり。下り切ってからもかなり危うい姿勢からなんとかこらえて登りヘアピンにアプローチします。しかしここも焦ってしまい、立ち上がりラインがややアウトに出てしまいます。とにかく加速して3速に上げ、左回りのインフィールド複合コーナーにアプローチ。かなりのハードブレーキングから壊れたようにアクセル全開。イン側の縁石に乗った後、フロントが逃げながら車はアウト一杯まで吹っ飛ぶ感じで、ちょっとびびりましたが、それでもアクセルだけは開けて右の4コーナーへ。ここは少し気持ちを落ち着かせてラインと姿勢を作って入り、アクセルオン。そのまま全開で3コーナーをクリアして右180度へ進入。フロントが食わないのか、熱くなってるのか、やはりパイロンに寄り切れずにターンに入り、ストールしそうなところをなんとか小細工して立ち上がって再び3コーナーへ。同様にアプローチしてクリアし、アクセルを開けた後、すぐにブレーキングしますが、もうここらへんは自分が抑えきれません(笑)。完全ドアンダーで4コーナーをクリアし、そのままなす術もなく全開。右回りのインフィールドも気合いで曲げて立ち上がり、バックストレートを3速で駆け抜けます。下りの右ヘアピンの進入ではうまく向きが変わり、インに付いてアクセルオン。一旦アウトにはらみ、軽く姿勢を作ってから全開で登りのS字を通過し、そのまま3速に入れて左ヘアピンへ。かなりハードにブレーキングして2速に落とし、イン側の縁石に乗って立ち上がり、3速まで上げてそのまま最終コーナーへ。イン側の縁石をめがけてブレーキングしますが、やや速度を落としきれず、さらに焦ってそのままアクセルを開けてしまうと車が徐々に外へ。このままでは外側パイロンに当たりそう、と直感しますが、アクセルだけは抜きたくなかったので、3速シフトアップをきっかけにわずかに車をインに向けようとあがきますが、テールスライドが止まらずそのままリアフェンダーでパイロンを蹴飛ばしてゴール。タイムは1'33"8プラスパイロン1でした。

8.最後に
 結局、随所でリズムを崩し、踏み切った最終コーナーでパイロンに触るおまけ付きでタイムダウンに終わりました。それでも0.5秒のタイム落ちだったので、きちんと攻め切れればタイムは上げられる状況のようですから、ラスト3にはやられちゃいそうですね。
 車両を再車検場に保管し、急いで観客席へ向かいます。僕の直後の掛ちゃんは、さすがうまく走っていますが、やや硬さが見えるのか、路面にてこずっているのか、リズムに乗りきれない様子のままゴール。タイムは34秒台とタイムダウンで、僕の2度目のお立ち台が決定。続く究さんですが、どうも昨日からセッティングがおかしいようで、動きにいつものキレが見えません。タイムをまとめてくるものの、35秒台と抜かれることなく、2位が決定!!。そして、そうです、この人、宮嶋さん。なんつっても伊那のJAF CUPでも優勝しているほどのドライバー。路面コンディションは悪くなっているはずなのに、それを感じさせない走りはさすがです。わずかに挙動が不安定になるセクションもありますが、アクセルは抜いていないので、ロスにはなっていないでしょう。ミスらしいミスも無くゴール。アナウンスに耳を済ませると、「1分33秒4・・」、えっ?逆転された???、勝った???と微妙なタイムに数秒間静まりかえった後、「2番手!」とアナウンスされ、その瞬間に全身全霊を込めてガッツポーズしてました。
 観客席に集まってくれたたくさんの仲間に祝福されながらひとしきり握手しまくった後、観客席から降りる階段に足を踏み入れると、その下には20名以上のドライバーが集まって僕の方を見上げ、祝福して握手を求めてくれました。ちょっと目頭が熱くなりました(笑)。もうこのあたりは興奮しちゃってよく覚えてません(爆)。
 そして、あの宮嶋さんともしばらく話しましたが、「多少路面は悪かったけどほぼ完璧に走れたはず。あれで負けたなら仕方が無い、今日は負けを認めるよ。」と声を掛けてくれました。この言葉に、またまたホロッと(笑)。
 僕自身がタイムダウンしたことは反省点ですが、走り切って、きちんと戦って勝った、という実感が持てる戦いでした。

 凄く嬉しい反面、ほんとに自分のことなの?という他人事のような感覚がまだ残っているのも事実だったりして、いつまでも冷静になれませんが、一つ言えることは、自分だけの力ではこの結果は残せなかったということ。数え切れないほど多くの方々のサポートやアドバイス、叱咤激励などがあったからこそ、得られたのだと、心底感謝しています。
 皆さん、本当にありがとうございました。

 そして、会場であれだけ多くの人に祝福の言葉をかけて頂けたことや、表彰式でまさかあんなにたくさんの方々に水(ジンジャーエール、ウーロン茶を含む)を掛けて頂けるとは思いませんでした(喜んでいいのか?)。競技後も、たくさんの方にメールや電話をいただき、その度に目頭が熱くなってました。
 結果云々抜きにして、こういったたくさんの仲間が居ることを実感できたことが実は一番嬉しいのかもしれません。

 こんな感じで、地区戦初優勝となったわけですが、宮嶋さんを始めとするN4トップドラが揃った中での優勝ですから、わずか100分の4秒差だったにしろ、この日は自分が一番速く走った、という事実は自信にしていきたいと思います。まさか自分がこんなところに立てる日が来るとは思いませんでしたが、まだまだ地区戦のお立ち台を定位置にできるほどの実力ではありませんので、今回のように、攻めの気持ちを忘れずに残りも戦っていこうと思います。


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